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その頃、生徒会室。
「………これは」
秋田壮介はパンパンになったごみ袋を片手に、生徒会長の机の上に置かれた書類の束に目を奪われて居た。
先程までいらぬ書類とゴミで溢れかえっていた生徒会室は、数十分の間で見違えるほどとは言わないまでも、床が見えるくらいには綺麗になっていた。
その久方ぶりに現れた生徒会室の床の上で、秋田壮介は思わず机の上の書類を手に取る。
その厚さ、0.5センチ程。
枚数50枚程のその書類の束。
それらに書かれた文字はパソコンの文字ではなかった。
綺麗とは言い難い、歪んだ文字の羅列。
秋田壮介は思わず机上の閉じられたパソコンと、散乱する定規と消しゴムのカスの山に目を瞬かせた。
それらは全てが全てを物語っていた。
そう、その書類は全て。
「………手書きだと?」
秋田壮介は開いた口が塞がらないまま、しばらくその書類に目を奪われて居た。