前書き
番外編6:あの頃とは違うものの(R18)
敬太郎中学生編。
一郎(28)×敬太郎(14)
一郎は不安になると敬太郎を抱く。ストーリー皆無。
ただヤってるだけ。なのに、エロ度は低め。
転生でR18を書く試みの第1弾。
「敬太郎、今日は泊まって行けよ?なぁ、いいだろ?」
その日、家に帰ろうとした俺の手を一郎がガシリと掴んだ。その手は、何故か少しだけ震えている。
「一郎?」
振り返った先に居たのは、大人になった一郎の姿。体も大きくなって、凄く格好良くなった。どこからどう見ても一郎は大人な筈なのに。
ーーーー敬太郎!なぁ、中学になったら一緒の部活に入ろうぜ?なぁ、いいだろ?
何故か、俺にはそんな一郎が――昔の、小学生の頃の一郎に見えてしまった。
「『なぁ、いいだろ?敬太郎?』」
一郎が俺の名前を呼んでいる。
昔も、今も。ずっとそう。
そんな一郎の呼びかけに、俺からの返事はいつも変わらない。
「『うん、いいよ』」
番外編7:あの頃とは違うものの
「っは、っはぁ……んっ、やっ」
体が熱い。物凄く、熱い。
俺は今、一郎と悪い事をしている。大人と子供がしたらいけない事。絶対に他の人に知られたらダメな事。
「っ!けいたろうっ……っは、っはぁっはぁ」
そう、俺は一郎とセックスをしている。
今日だけで、もう三回も。ぼんやりする視界の片隅で、俺の上に跨る一郎が、肩で浅い息を繰り返している。汗がすごい。
おなかが、あつい。
「敬太郎っ!おいっ、聞こえてっか?」
「っぅ、っん」
「わりっ、もう一回っ…いーか?」
一郎の掠れた声が、俺を呼ぶ。
その瞬間、グチュッと俺と一郎の間から物凄くエッチな音が聞こえた。その恥ずかしい音に、背筋にピリとした痺れるような感覚が走る。
「も、いっかい……?」
「あぁっ、まだ。シてぇ。あと、いっかい。これで、ぜったい終わるから」
これで終わる?絶対にうそだ。
だって、さっきも一郎は同じ事を言った。俺が、ぼんやりする頭で一郎を見上げると、一郎は苦しそうに目を細めながら、此方を見返してきた。
それは、俺の記憶の中にある、どの一郎とも違う。そこには、俺の知らない”大人の男の人”になった一郎の姿があった。
「なぁ、けいたろ。おい。きいてっか……?」
「んぅっ、っぁぅ」
一郎が挿れたまま動くせいで、俺のナカにあった一郎の熱い塊が、ヌルヌルのナカを擦り上げる。もう、それだけで堪らなく感じてしまう。思わず声が漏れ出そうになるのを、俺は必死で堪える。
「なぁ、おい。けいたろ」
「いいか?」なんて聞いておきながら、既に俺のナカの一郎のモノはガチガチに勃っている。
しかも、俺はまだ返事なんてしてないのに、既に一郎の腰は揺れていた。同時に「はぁ、はぁ」と熱を帯びた呼吸音まで聞こえてくる。ほんと、一郎はエッチだ。
「っぁ、っはぁ、ん」
「……エロ」
あれ、この呼吸音は一郎のだよな?あれ?俺の?
「……いちろう、おれ。も、むり」
「けいたろ。まだ、イケんだろ」
「も、むり」
もう、無理だ。だって、もう何時間こうしてると思ってる?何回イったと思ってる?
そんな気持ちで俺が一郎の目を見ていると、そんな俺の心情を察したのだろう。一郎は俺のナカに入ったままの硬くなった自身をゴリゴリと擦り付けてきた。しかも、俺の好きなところを。
こんなの、ズル過ぎる。
「んっっ、も……いちろっ」
「あと、いっかいだけだから」
うそだうそだ。
一郎だってさっきので三回目の筈だ。なのに全然萎えてない。
少し前。もっと凄い時は五回射精しても、一郎は全然出ていってくれなかった事がある。今の一郎は、その時と同じ目をしてる。
もう無理。無理だ。だって、俺なんて数えられないくらいイってるんだから。
「いちろう、おれ。も、むり」
「なぁ、敬太郎……」
「むり、だよ。おねが……も、おなか、くるし」
そう、一郎は全部を俺のナカに射精してるのだ。おかげで、一郎がユルユルと腰を動かす度に、結合部からグプグプと精液が溢れ出てくる。
「も、おれ。ナカの。だしたい。ぬいて」
「……はぁっ、敬太郎。それ、わざとだろ」
そう、必死で俺が腹を撫でながら言うと、その瞬間ナカに入っていた一郎のモノが、更に固くなった気がした。
「っなん、で。も、くるしいぃっ」
「なぁ、いいだろ?あと、一回だけだから」
「っはぁ、ぐるじぃ。も、きつい」
「……ごめん。ほんと、あと一回」
ーーーーいいだろ?敬太郎。
一郎はズルい。こんなエッチな顔をしてる癖に、俺を見る目は昔と変わらないんだから。
『なぁ、いいだろ?敬太郎!一緒に部活見にいこうぜ!』
あの頃と同じ。
俺は一郎に「いいだろ?」って言われたら、絶対に、こう答えてしまうのだ。
「……いぃ、よ」
その瞬間、一郎の剛直が俺のナカを貫いた。
○
やっぱり一郎は嘘つきだった。
あと一回と言われて一郎はちゃんと射精し終わったのに、未だに俺のナカに居る。
グチュッヌチュッズポッグチュッ。
「っはぁ、敬太郎っ!」
「んっ、っぅ。い、ちっ……っぁん!」
「きもちっ、おまえの、なか……マジでいいっ」
「っぁぁん」
一郎が俺の名前を呼ぶ。物凄く低くて、掠れた大人っぽい声で。一郎の名前を呼び返そうと思ったけど、無理だった。
「っはっあはぁんっあっあ」
俺なんかとは比べ物にならないくらい大きな体が、凄い勢いで俺に肌を叩きつけてくる。今、俺はベッドの上でうつ伏せになったまま、背後から一郎の手で両手首を拘束されていた。
「っひぃうっ!っぁう!」
「っはぁっ、けいたろ。けいたろうっ!」
一郎の下半身が、何度も何度も俺に向かって叩きつけられる。
「けいたろうっ」
耳元で名前が呼ばれた。熱い。何やらヌルリとした感覚が、俺の耳の中を容赦なく這う。
どうやら、一郎の舌が俺の耳の中を舐めているようだ。くちゅっ、と耳の奥でいやらしい水音が聞こえてきた。
「っひぅ」
「けいたろう、きもちーだろ。お前、耳、弱ぇもんな?」
「も。っしゃべ、んなぁっん!」
耳元で聞こえてくる掠れた声が、俺の背中をビリビリさせる。おかげで、俺の口から漏れ出てくるのは、まるで自分のモノじゃないみたいな気持ち悪い声ばかりだ。
体が熱い。
「っはぁん!いちろっ」
「けいたろっ。っは、イイ。ほんと。も、今、死んでもいい、くらい、おまえのナカ。最高っだ」
「っぁ!」
一郎が俺の体を、一気に起こして、そのまま抱き抱えた。
背面座位みたいな形で、後ろから激しく抱きしめられる。苦しい。十四歳になったのに、未だに俺の体は一郎の腕の中にスッポリとおさまってしまう。同時に、深く奥を貫かれた俺は、射精せずにイってしまった。
「……はぁ、っはぁ」
もう、限界だった。
「けい、たろう」
「……ん?」
「敬太郎……ごめんな」
一郎が突然謝ってきた。
耳元で聞こえてくる一郎の声は、どこか酷く不安そうで。もう声だけで聞けば、これがあの自信満々な様子で教壇に立って居た”一郎先生”なんて、誰も思わないだろう。
「いちろ、う」
「……どうした?」
後ろからギュッと抱き締められる体勢から、俺は必死で顔だけ一郎の方へと振り返った。すると、そこには眉間に皺を寄せ、額にはジワリと汗を滲ませる一郎の姿が見えた。
あぁ、かっこいい。一郎は、昔から格好良かったもんな。
「死んでもいいとか、いうな」
「は?」
「死んだら、だめだろ。きもち、よくても」
俺の言葉に、それまで快楽に濡れていた一郎の目が一瞬、大きく見開かれた。そして、苦しげな呼吸と共に「……わり」と吐き出すように言う。
「いちろう。もう、絶対に、置いていかないから」
「……ほんとうに?」
「あぁ、本当だよ」
「……」
「だから、な?」
すると、それまで何があっても俺のナカから出て行こうとしなかった一郎が、ズルリと俺のナカから出ていった。
「んっぁ」
「……敬太郎」
その拍子に、俺の太腿に一郎の出した大量のモノが流れ出ていくのを感じる。気持ち悪い。
どうやら、ようやく一郎の“不安”もおさまったらしい。
「……また、ヤりすぎたな」
「ほんとだよ」
一郎はどこか気まずそうな表情で言うと、小さく息を吐いた。やっと表情が“いつもの”一郎に戻った。これで、しばらくはまた大丈夫だろう。
「また変な夢でも見たか?」
「いや」
「どうせ、俺が居なくなる夢でも見たんだろ?」
俺の問いかけに、一郎がなんとも言えない表情を浮かべた。一郎が俺をこんな風に抱く時。それは、不安な時だ。俺は殆ど引きずるように腕を上げると、ソッと一郎の頭を撫でてやった。
一郎の髪の毛は、大量に汗をかいたせいだろう。どこか全体的にしっとりと湿っていた。
「一郎。もう大丈夫だから」
「……ああ」
「大丈夫、大丈夫」
それが分かってるから、俺も断れない。一郎の不安は、俺が一緒に居続けて、その存在を証明してやる事でしか解消されないのだから。
「……敬太郎、ここ。腫れてる」
「っっひう」
一郎の指が、俺の秘孔に触れた。五回もヤったせいで、相当敏感になっている。触られただけなのに、体中に電流が走るみたいにビリビリした。
「も。さわ、んな」
「敬太郎、お前。エロすぎ」
「……もう、シないからな」
事もあろうに、向かい合う俺達の間で、一郎のモノは一切萎える様子を見せない。思春期の俺よりも、二十八歳の一郎の方が断然元気だ。意味が分からん。そこまで考えて、俺は改めて思い知った。
「……そっか。二十八歳か」
「ん?敬太郎?どうした」
二十八歳。そっか、そっか。もう一郎って二十八歳なのか。対する俺は、まだ十四歳。
そう思ったと瞬間に、それまで物凄く大人っぽかった一郎の表情が、一気に緩んだ気がした。
「なぁ、敬太郎」
「なに?」
一郎の骨ばった手が、俺の額に張り付いた髪の毛をどかした。その目は、まるで小学生の頃の一郎みたいで。
「コレ、キツイからイかせて」
「……」
「手じゃなくて、口がいい」
コイツ、どこまで図々しいんだ。俺が思わず眉を顰めてやると、一郎は、あの頃の目で、またしてもズルい事言い方をしてきた。
「なぁ、いいだろ?敬太郎」
「……はぁ」
「けいたろう?」
一郎が甘にえたように、その大きな体を俺に寄せてくる。スリと、頬擦りをするように寄せられる幼馴染を、どうして俺が拒絶できる?
「敬太郎、シて」
大人の癖に。子供の俺に欲情して。
ほんとは、こんな事したら絶対にダメなのに。悪い事なのに。バレたら大変な事になるのに。
俺はこの“同い年”の幼馴染が、可愛くて仕方がないのだ。
「うん、いいよ」
俺は一郎の頰に、ゆっくりと触れると、そのまま身を屈めて、フルリと自己主張する、一郎のモノに口を寄せた。
『敬太郎!なぁ!いーだろ!一緒の部活に入ろうぜー!』
『うん!いいよ!一郎』
俺の幼馴染は、格好良い。でも、それと同時に凄く可愛い。昔から、今もずっと。
俺と一郎はずっと、ずっと同い年だ。
おわり
【後書き】
まだ躊躇いが見え隠れする【転生】初のR18作品でした。いや、こんなモンじゃない。もっと、もっと書けるようにまだ、練習しようと思います。
そのいち中学生編「イチロー×敬太郎」も書きます。