コイシ 5歳/ヘマ 年齢なんて関係ない
コイシ、お布団の中
コイシ「…っ、っひく、ひく」
ヘマ「コイシ君、どうしたの?なんで泣いてるの?」ぽんぽん
コイシ「…!」ばっ!
ヘマ「イシ君が村に戻っててお城に居ないから寂しい?」
コイシ「…」ふるふる
ヘマ「そうだね、コイシ君はもうお兄さんだからイシ君が居なくても寝れるもんね」
コイシ「…」こくん
ヘマ「じゃあどうして泣いてるの?お母さんに教えてくれる?」
コイシ「…」
ヘマ「言いたくない?」
コイシ「…」
ヘマ「じゃあ、お母さんが楽しいお話をしてあげるね」にこ
コイシ「…おかあ、さん」おず
ヘマ「どうしたの?」
コイシ「おとうさんは、ぼくより、さきに、しぬ?」
ヘマ「……どうしてそう思うの?」
コイシ「おとうさん、すこしまえ、こし、いてぇって、いってた。こし、いたいのは、おじいちゃんが、なるやつ、なのに」
ヘマ「イシ君、腰が痛いって言ってたんだ」
コイシ「…うん。おとうさんは、もう。おじいちゃん?しぬ?」こくん
ヘマ「コイシ君、イシ君がお爺ちゃんなって先に死ぬのが……怖い?」
コイシ「こわい」
ヘマ「イシ君はね、コイシ君より先にお爺ちゃんになって死んじゃうと思う」
コイシ「やっぱり」
ヘマ「そして、きっと……オレよりも先に死んじゃう」しゅん
コイシ「……」
ヘマ「いやだ〜〜」うるっ
コイシ「…いやだ」うるっ
二人はしばらくたがいき抱き締めあって、おいおい泣いたよ!コイシだけじゃなくてヘマもね!
ヘマ「うっ、うっ」
コイシ「ぅ〜、ぅ〜」
ヘマ「ごいじ、ぐん」
コイシ「…ぅ?」
ヘマ「おっ、オレのこと……おがあざん、じゃなぐて、へまちゃんってよんで」
コイシ「?」
ヘマ「いじぐんが、じぬの、おれどおなじぐらい、かなしいの、ごいしくん、しか、いない」
コイシ「…」
ヘマ「コイシくんは、オレの家族だけど一番は仲間なんだ」
コイシ「なかま」
ヘマ「そう。イシ君が死ぬのが怖い仲間」
コイシ「ほんとうだ」
ヘマ「仲間はね、お互いを名前で呼ぶんだよ」
コイシ「なまえ…」
ヘマ「うん。だから、今日からオレのことは“ヘマちゃん”だよ」
コイシ「へまちゃん」
ヘマ「そう、コイシ君は賢いね」
コイシ「へまちゃん」
ヘマ「なぁに」
コイシ「おとうさんは、しぬ?」
ヘマ「うん」
コイシ「ぅーー」うる
ヘマ「ぅーー」うる
その日、二人はヒスイが死ぬ事を何回も確認し合っては泣いて、いつの間にか眠っちゃいました。
次の日
バタン!
ドタドタドタ!!
ヒスイ「あーー、くそっ!ババァとジジィ共がっ、俺が帰る度に雑用ばっか押し付けてきやがって!俺を何だと思ってやがんだ!俺は小間使いじゃねぇぞ!」どたどた
コイシ「っ!」ばっ!
ヒスイ「ったく。あれじゃ、殺してもくだばらねぇな。おい、手下!これ、ババァ共から貰った野さーー」
コイシ「お、お、おとうさん!」とたとた!
ヒスイ「コイシ、なんだ。俺が居なくて寂しかったのか?」
コイシ「おとうさんは、いつしぬ?」ぎゅっ
ヒスイ「おーー???」
コイシ、焦って変な感じになる。
しかもこの後、コイシがヘマだけ名前呼びをするもんだから更にヘコむ。
ヒスイ「……俺、コイシには好かれてると思ってたんだが」
犬「あ、あ、あの。えっと……はい」おろおろ
ヒスイ「……やっぱ、クズは隠せねぇってことかよ」
犬「そ、そ、んなことは、あの。えっと……はい」おろおろ
ヒスイ「……」ずん
ヒスイ、相談する相手をミスって更に落ち込む。