11時間差レター

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第8話:平凡と問題

「本村君、キミ最近生徒と個人的な事を話し過ぎじゃないかな」「え?」 講師控え室で突然肩を掴まれた俺は、耳に飛び込んできた声に一瞬、自分の顔が歪むのを感じた。 それを自覚した俺は、すぐにその表情をひっこめ普段の顔に戻した。「……どう言う事です...
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幕間:進展

こうして、本村洋と杉薫は、互いに顔も名前も知らぬまま奇妙な文通を行い続けた。 11時間という時間を越え、互いに届く手紙。 少しずつ近くなる気持ちとは裏腹に、彼らの距離は曖昧だった。 互いに街ですれ違ったとしても、気付く事はない関係。 だが、...
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第7話:手紙2

--------昨日はお返事ありがとうございます。今日は元気の良い生徒達ばかりだったので、教室がたくさん散らかってしまいました。ごめんなさい。今日も掃除してくれてありがとうございました。--------- 嬉しかった。 気まぐれに置いた手紙...
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幕間:認識

その日、本村洋は走って塾へ向かった。 いつもより10分早く家を出た。 洋は気になっていた。 自己満足の筈だった。 だけど、気になった。 塾に飛び込み、洋が前から三番目の席へ駆け込む。  洋が、薫の手紙を見つけた瞬間、 11時間前の薫の願いは...
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第6話:不良とお返事

「……死ぬ」 2日目の朝。 俺は昨日同様死んだような目で、塾の前に立っていた。 ヤバい。 昨日立てた誓いが早くも破られそうだ。 出来るだけ、長くこのバイトを続けてやる、という固かった筈の誓いが。 朝から死にそうな俺をあざ笑うかのように照りつ...