第3章:俺の声はどうだ! 169:おちゃらか いつの頃からか、金弥は自分の指を食べるようになった。 食べる、と言うと語弊があるかもしれない。実際には“噛んで”いたのだろうが、幼い俺には、金弥が自分の指を食べているように見えたのである。 『ぁぅ、む、んぐ』 『……』 また食べてる。 ... 2022.12.21 第3章:俺の声はどうだ!
第3章:俺の声はどうだ! 168:王様の中に隠れる“イーサ”を探せ! 「……なんだよ、キン」 お前のこんな声、俺は知らない。いつの間にこんな演技出来るようになったんだよ。勝手にどんどん先に行きやがって。 「俺は、キンの事も、イーサの事も……何も分かってなかった。そう、仲本聡志は静かに拳を握りしめた」 淡々と... 2022.12.19 第3章:俺の声はどうだ!
第3章:俺の声はどうだ! 167:戦争が、始まる 「この国は、もうマナが殆ど残されていない。……戦争などしようモノならひとたまりもないだろうな」 「ナンス鉱山だって……あと数回しか、“大いなる実り”が採掘出来ないのに」 ソラナ姫の言葉に、俺はテザー先輩がナンス鉱山に入る前に教えてくれた事... 2022.12.19 第3章:俺の声はどうだ!
第3章:俺の声はどうだ! 166:羊なのか、狼なのか 「ちょっ、えっ」 俺は目の前で繰り広げられる美しいキスシーンに、完全に目を奪われていた。いや、これはこんな不躾に視線を向けたらダメだろ。だって、こんな。 「んっ」 「っふ」 他人のキスシーンだぞ!見るな見るな!失礼だ!ただ、目が離せない... 2022.12.19 第3章:俺の声はどうだ!
第3章:俺の声はどうだ! 幕間14:クリアデータ7 4:55 「え、えぇっ!?ナニコレ、どういう状態!?」 上白垣栞は戸惑っていた。そりゃあもう、心底戸惑っていた。 「なんで、主人公はイーサとじゃなくて、お姫様と……キスを、してるの……?」 そう、その混乱の根源は、栞の視線の先にあるゲーム画面にあ... 2022.12.19 第3章:俺の声はどうだ!