忘れられない記憶より、愛を込めて

忘れられない記憶より、愛を込めて 番外編5

8

--------- ------- ----  二人の男女が夜の道を並んで歩いている。  二人共ピシリと背筋を伸ばし、ブラックスーツとネイビーのフレアドレスに身を包んだ男女は、傍から見れば夫婦のようだ。  つまり、お似...
忘れられない記憶より、愛を込めて 番外編5

7

------ --------- --------------  時は、少し前まで遡る。  伊藤忠孝は少しだけモヤついていた。 それは、先程本気で走っていた折に、思わず足がもつれて転んでしまった事で、自身の加齢を容赦なく突き付...
忘れられない記憶より、愛を込めて 番外編5

6

 宮和歌は走った。 懐かしい曲を響かせ続ける携帯を握りしめ、必死に走り続けた。宮和歌自身、自分がどこへ向かって走っているのか理解できていない。  ただ、逃げるように、宮和歌は走り続ける。  最早、自分が一体何から逃げて...
忘れられない記憶より、愛を込めて 番外編5

5

         ◇  それからというもの、忠孝は何かにつけて宮和歌に引っ張られるようになった。忠孝が宮和歌を引っ張るのではない。宮和歌が忠孝を引っ張るのだ。 「伊藤先生、いますか」 「伊藤せんせー。野澤先生ですよ...
忘れられない記憶より、愛を込めて 番外編5

4

     ◇ 「から揚げ定食で」 「俺もそれで」  二人が揃って昼食の場所に選んだのは、病院のすぐ近くにある定食屋だった。ここも昼時になればサラリーマンでごったがえす店だが、今や午後2時。  ランチのピークを過ぎ...
タイトルとURLをコピーしました