心苦しくも、私もゆとり世代でございます

心苦しくも、私もゆとり世代でございます

30:酒の力

「はい。ご注文を承ります」 「ジンジャーエールと、とりあえず生で!あとはー、食べ物なんにするんでしたっけ!春センパーイ!」 「香椎花、ちょっとうるさい」 「しーっすね!」 「もう、それはいいから!」 香椎花の「しーっ」と言うジェスチャーに、...
心苦しくも、私もゆとり世代でございます

29:いざ、後輩と

カランと揺れた入り口から、突然元気な声が響いた。 「っべーっすね!マジここしゃれとんしゃー!」 店では余り聞かないその若いテンションと声に、宮野は思わず「いらっしゃいませ」の言葉を詰まらせながら入り口を見た。 すると、そこには見慣れた元部下...
心苦しくも、私もゆとり世代でございます

28:連絡

○ 「香椎花、えっと、その……今週どこかで一緒にご飯行かない?奢るから」 「いっすねー!行きましょう!今日行きましょう!」 「え!?」 意を決した春の誘いは、あっさりとオーケーされてしまった。 余りのあっさりさと急な予定に、春は内心『ぎゃあ...
心苦しくも、私もゆとり世代でございます

27:覚悟と痛み

---------- 【太宰府さん】 今日、おうちにお邪魔してもいいですか。 ---------- 「…………甘木」 「なんですか?太宰府さん」 「今日は、俺、定時で上がるから。死んでも定時で上がらせてもらうから」 「……それはいいですけど...
心苦しくも、私もゆとり世代でございます

26:愚痴と覚悟

11時。 春日は未だに香椎花をどうやって飲みに誘うかもんもんと考え、一人休憩室に来ていた。 こんな時に限って香椎花は部長に呼ばれて休憩が被らない。 いつもは嫌という程かぶるのに、どうしてこう言う時に。 春日は備えつけられたアンバサダー横にあ...