第1章:酔いの余韻に酔いしれて 48:世界一の幸福者 ----------- -------- ----- 足音が聞こえる。 軽快で、元気な足音。 それが聞こえてくると、僕の心はフワッと軽くなる。けれど、そのフワッとした気分は次の瞬間、だいたい小さく萎む。 『おーい!オブ!オブ居るかー!』 ... 2021.08.08 第1章:酔いの余韻に酔いしれて
第1章:酔いの余韻に酔いしれて 47:集合 「トウどこにも居ねぇんだけど!?あいつどこ行きやがった!?……あ?」 タイミングよく入って来たのは、先ほどトウを探して来ると言って部屋を出て行ったアボードだった。俺は助かったとばかりにアボードに向かって大声を上げる。 「アボード!助げで!... 2021.08.08 第1章:酔いの余韻に酔いしれて
第1章:酔いの余韻に酔いしれて 46:再会 「おら、ここが待ち合わせの場所だ。入れ」 「うわぁ……!」 俺達みたいな良民の血税は、こういった所に使われているのか。俺は目の前に広がった光景になんとも言えない不条理を感じた。 「広いうえに……おしゃれ!」 「あんまキョロキョロすんな。お... 2021.08.08 第1章:酔いの余韻に酔いしれて
第1章:酔いの余韻に酔いしれて 45:兄志願者 俺は呼び出されて来たのに、こんな事ってあるだろうか。 「ここは関係者以外立ち入り禁止だ」 「え?」 騎士宿舎の入口で、俺は体の大きな若い門番の男に足を止められてしまった。その不測の事態に、俺は思わず顔をへの字に歪め『事前に説明しとけよ』と... 2021.08.08 第1章:酔いの余韻に酔いしれて
第1章:酔いの余韻に酔いしれて 44:現世の迷子 ドンッ。 俺の肩に衝撃が走った。 とっさに衝撃の走った方を見てみれば、そこには顔色が真っ青な初老の男性が、呼吸もまともにできない様子で目を血走らせていた。 「……すっ、すみません。よそ見をしていたみたいで」 「……マルコに、あわねば。彼... 2021.08.08 第1章:酔いの余韻に酔いしれて