第4章:即時、一杯の酒

第4章:即時、一杯の酒

エピローグ4:我儘な客と身勝手な従業員

『ねぇ、アウト。あれは放っておいていいの?』 『いいよ。もう。言っても聞かないし』  俺はマナの中の俺の酒場で、グイと酒を一気飲みするヴァイスを前にガクリと肩を落とした。今日も俺の酒場は満員御礼。  最近では一度に酒場に来る客も増えたし、そ...
第4章:即時、一杯の酒

エピローグ3:〇〇な彼の取扱説明書

その日、俺はウィズと連れ立って、未だに完成しない俺の絵の為に、アズのアトリエへと来ていた。  今や、出迎えるのはセイブ君。  どうやら、神官の学窓の卒業を控え、寮を出た彼は、セイブのアトリエ兼自宅で共に暮らし始めたらしい。  そのせいなのか...
第4章:即時、一杯の酒

エピローグ2:膨大なマナ

「ほら、マッチだ。これだけあれば、もう冬は越えられんだろ」  そう言って、古い倉庫の中から、俺に向かって1つの大箱を投げて寄越したアボードに、俺は「おっとと」と両手でその箱を受け止めた。  受け止めた瞬間、中からカラカラと大量の棒がこすれる...
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エピローグ1:仕事復帰

「アバブ。俺の代わりに入ったっていう若い男ってさ」 「プラスさんですよ。年は26歳で、とっても面白い人です!あれは破天荒受けですね!」 「同い年の、ハテンコウウケ。怖い」  本日、俺、アウトは2か月以上休んでいた仕事へ復帰する事となった。正...
第4章:即時、一杯の酒

274:即時、一杯の酒

--------------- ----------- ------  目覚めた。 「……起きた」  俺は脳内と、言葉で同時に同じ意味合いの言葉を発すると、ゆっくりとベッドから体を起こした。  俺のベッドのすぐ脇には眠るウィズが上半身だけベ...