最終章:酒は百毒の長

最終章:酒は百毒の長

361:大きくなったらお母さんと

〇 『あぁ。プラス、可愛い。お前はなんて可愛いんだ。もっと顔を見せてくれ。もっと傍に来てくれ』 『ヨルヨルヨルヨル。本当か、本当に俺はかわいいか?かなりやよりもか?』 『当たり前だろう。この世でお前よりも可愛い人間など、存在しよう筈もない』...
最終章:酒は百毒の長

360:三つ巴の均衡

『俺は特別じゃないし!勇者でもない!ちっとも凄くない!俺はただの、ほぼマナ無しだよ!』 『アハハ。アウトったら、知らないうちに相当な傷を負ってるねぇ』 『俺はちょっとマナが多くなった人!殆どマナ無し!それだけ!』 『いや、ちょっとって……』...
最終章:酒は百毒の長

359:現れた月、落っこちてきた二人

------------ --------- ------ 『……おどうざん』 --------少し、寂しいな。  そう言って笑ったお父さんの姿が、ぼやけた。  それは、俺が泣きそうになっているからではない。  俺の中にはしっかり記憶されて...
最終章:酒は百毒の長

358:またねって意味のサヨナラ

『イン!オブっ!っくそ!』  野生の本能という皮を被った自身の心から、剥き出しの気持ちのまま。  スルーは、落ちて行った二人を追い、心のままに飛んだ。飛んだ瞬間、雲に隠れていた月はその姿を綺麗に現し、月明かりが周囲を照らす。  彼の後悔の始...
最終章:酒は百毒の長

357:お父さんへのお手紙

『なんだろ、コレ』 『っ!あ、あっ!それは!それはっ!』 『あれれ。何か、書いてある?』  そう言って、足元に落ちた一枚の紙切れを、インが首を傾げながら拾い上げる。  僕のマナの風は、マナの宿るモノに惹き寄せられるように出来ている。そして、...