番外編12:二度と来ない明日(ヒスイ×ヘマ/初代×犬)

—-続き

苛立ちと葛藤から、初代様はしばらくの間、のたうち回っていたよ!

 

 

 

初代「…わかった」

 

ヒスイ「お?」

ヘマ「ん?」

 

初代「ヒーラー、お前の時間を止めてやる」

ヘマ「どういう事?」

初代「そのままの意味だ。お前の存在を“今”に縛る。そうれば、お前は一生明日の寿命を迎える事はない」

 

ヒスイ「そんな事できんのか?」

初代「テメェみたいな雑魚には無理だろうな」

ヒスイ「へーへー」

ヘマ「そしたら、オレはもう大きくなれないの?」

初代「ああ」

ヘマ「そう、なんだ…」しゅん

ヒスイ(…ヘマ、お前は元々15の頃から殆ど成長してねぇだろうが)

 

初代「この犬も時間を止めてるせいで、これ以上成長…いや老化してねぇからな」

犬「えっ、あっ!そうなんですか?」

初代「お前、分かってなかったのか?ここに来て何年経つと思ってる」

犬「…えっと、3年くらいですか?」

初代「…そんなトコだ(人間の時間感覚なんてねぇならその方が好都合だ)」

 

ヒスイ「良かった…(これでヘマは死なずに済む)」

初代「ただし、不老にはなるが不死じゃねぇ。喉笛掻き切られりゃ死ぬからな」

ヒスイ「マジかよ(…俺が守らねぇと)」

ヘマ「…」

ヒスイ「どうした、ヘマ。死なずに済むってのに。もっと喜べよ」

ヘマ「…イシ君は?」

ヒスイ「あ?」

 

ヘマ「ねぇ、イシ君は?」

初代「…」

ヘマ「オレの寿命なんていいよ、早くイシ君の石化を解いてよ」

ヒスイ「はぁ!?何言ってんだ、ヘマ!お前の寿命が先だろうが!」

初代「コイツの石化を解くのは無理だ」

ヘマ「イジワル!じゃあ、イーディーは解かないよ!」

 

初代「…ぐふっ。べ、別に意地悪で言ってんじゃねぇ」

犬(いじわる……初代様が大賢者様の喋り方に引っ張られてる。なんか可愛いな)

ヘマ「イジワルだよ!魔王様はイシ君が嫌いだから解いてくれないんだ!」

初代「ちげぇよ。まぁ、嫌いは嫌いだが!…石化は解かないんじゃなくて、解けないんだ」

 

ヒスイ「は?」

初代「俺は回復は…最低限しか出来ねぇ。回復する前に、大抵倒せるからな」シラっ

犬(かっこいー…)感動

ヒスイ「はぁっ!?ざっけんな!?解けねぇ魔法使ってんじゃねぇよ!」

初代「黙れ雑魚が。別に解く必要はねぇんだよ。俺は」

ヒスイ「信っじらんねぇ!コイツ頭おかしいわ!」

 

ヘマ「…」

初代「…だから、お前が解いてやれ」

ヘマ「でも、オレじゃ解けなかった……」

初代「俺は石化の呪いを、この城の書庫にある呪文書で覚えた。だったら、この城の書庫のどっかに、解除の呪文書もあんだろ。勝手に探して勝手に覚えて勝手に解除しろ。その為の時間はくれてやる」

 

ヘマ「書庫…呪文書がたくさんあるの?」

ヒスイ(ヘマの奴、スゲェ嬉しそうだな)

初代「ああ、死ぬ程ある。ついでに、その間に犬のつわりを毎日治せ」

犬「っ!(そうだ!大賢者様が居れば、俺は…もう!)」ぴっ!

ヘマ「いいよ」

犬「よっっっしゃぁぁぁっ!」

ヒスイ「…どんだけ嫌だったんだよ」

 

犬「あ、あ、あっ!ありがとうっござい、ます!大賢者様!」ガシッ

ヘマ「ダイケンジャサマ?オレはヘマだよ?」

犬「大賢者様、このご恩は一生忘れませんっ!」土下座

ヘマ「ヘマなのに…」

 

初代「…」モヤ

ヒスイ「おい、魔王。ヘマには時間がねぇんだ。さっさと時間を止めろよ。このノロマが」

 

初代「…あ”?」イラッ

ヒスイ「(こわっ!)オネガイシマス」

初代「ったく、仕方ねぇな」

 

ヘマ「っ!待って!」バッ

 

初代「今度はなんだ?」

ヘマ「イシ君の寿命は?ねぇ、イシ君の時間も止めて」

初代「…あ?あー?何だって?」

ヘマ「イシ君の時間も止めて!」

初代「…聞こえねぇわ」目逸らし

 

犬(初代様、凄く嫌そう…)

初代「…」

ヘマ「イジワルするならイーディーは解かないよ!」

初代「っく」

犬(初代様が手玉に取られてる……さすが大賢者様だ)

 

初代「っクソが。ったくしゃーねぇな。おい、テメェも…」

 

ヒスイ「俺はいいわ」

 

初代「あ?」

犬「え?」

 

ヘマ「なん、で?」

 

 

 

※この後のお話は小説となります。

よく、ゲームの最終決戦の後にアニメーションが入るあの感じに憧れてて。

ちょっと画像が入ったりします。