番外編14:旅のおわり!

 

 

——とある日の魔王城

 

 

初代「おい、何だこれは」

犬「すみません」

 

初代「なんで四人分も飯が用意されてる?」

犬「えっと、その…」

初代「あいつらは、昨日出て行っただろうが」

犬「…いつもの、癖で」

初代「はぁっ。ったく」

犬「…すみません。昼と夜に俺が食べます」

 

初代「お前、もしかしてアイツらが居なくて寂しいのか?」

犬「…あ、」

 

 

—–おい!手下!お前重いもん持ってんじゃねーよ!

—–魔王様ー!一緒に本を探してよー!

 

 

犬「…よく、分かりません。ただ」

初代「ただ?」

犬「このお城って、こんなに静かだったんだ、と思っていたら…無意識に」

 

犬「四人分作ってしまいました」

初代「…(完全に寂しがってんじゃねぇか)」

犬「俺は、あんまり大勢は好きではないんですけど」

初代「…おう」

犬「あの二人が騒がしいのは……嫌いではありませんでした」

初代「…そうか」

犬「…」しゅん

初代「食うぞ」

犬「…はい」

 

初代(まぁ、ガキが産まれりゃ嫌でも騒がしくなって忘れるだろ)

 

 

 

—魔王様、またねー!

—死ぬ前には、また来てやるよ!

 

 

 

初代「はーっ」

犬(初代様も寂しそうだ)

 

 

—–

 

ヘマ「イシ君、どこ行く?」

ヒスイ「どこも行かなくていーわ。家に帰ろうぜ」

ヘマ「家?」

ヒスイ「そう、あの家」

 

ヘマ「っ!」

ヒスイ「家族は家に住んで一緒に暮らす。それで十分だろ」

ヘマ「うん!それで十分!」

ヒスイ「んじゃ、帰んぞー。ヘマ」

ヘマ「はーい!」

 

 

 

こうして、大賢者ヘマと魔王に負けて100年間石にされていた勇者ヒスイは、ぼろぼろの家を建て直して仲良く二人で暮らしました。

二人が最後にどうなったのか、それは誰も知りません。

 

 

おわり

 

 

【後書き】

「勇者ヒスイは石化した!」これにて終わり!

ゲームのEDっぽくしたくて、ちょっと面倒な手数を踏ませてしまい申し訳なかったです。きっと、小説にしていたら10万文字は優に超えたでしょうね……お喋りで良かった。

この二人、まだネタがあるのでたまに現れますけどね!