注意)イラスト有
—-旅の終わり、村への帰還後
(10年くらい経過)
ヘマ「イシくーん!イシくーん!」タタタ!
ヒスイ「どうした、ヘマ。またサンゴにちょっかい出されたのか?」
ヘマ「違うんだよ!大ニュース大ニュース!村に赤ちゃんが来たんだよ!」
ヒスイ「あ?赤ん坊なんてこの10年でゴロゴロ産まれただろ」
ヘマ「違うんだよー!それが、サンゴの子供だって言って綺麗な女の人がサンゴの家に来たんだよ!サンゴの赤ちゃんなんだって!」
ヒスイ「へー、アイツもやる事やってたって事か。良かったじゃねぇか」
ヘマ「でも、サンゴは『俺は知らない!何かの間違いだ!』って言ってる」
ヒスイ「へぇ」ニヤ
ヒスイ「揉めてんなぁ。ウケる」
ヘマ「村の皆は、ちゃんと責任持ちなさいってサンゴを怒ってた」
ヒスイ「ぶはっ!サンゴが皆に袋叩きにされてんの見てぇわ!」ニヤニヤ
ヘマ「うん!赤ちゃん可愛かったから見に行こう!」にこにこ
○
ヒスイ「おい、サンゴ。お前ガキが居たらしいな」
サンゴ「違うっ!何かの間違いだ!」
村人「何いってんだい!この子を見な!小さい頃のあんたにソックリじゃないかい!」
村人「気を付けてどうにかなるもんじゃないんだよ!」
サンゴ「っ!ヘマ!信じてくれ!」
ヘマ「赤ちゃんが可愛い!」
サンゴ(クソッ!話にならない!)
ヒスイ「で?女は?」
ヘマ「この子は貴方のこの子よって言って、どこかに行っちゃったよ」
ヒスイ「ぶはっ!押し付けられてんの!」
サンゴ「…俺はあんな女知らな」
村人「あんたねぇ!それでも勇者かい!?」
村人「そんなんだから魔王を倒せなかっんだよ!まったく!ちゃんと面倒みなさいよ!」
サンゴ「ぐっ」
赤ん坊「ふにゃふにゃ」
ヘマ「わー!サンゴそっくり!」
サンゴ「ただ、赤毛なだけだろうが!そんな事言ったら、そのイシとも似てるだろ!同じ赤毛なんだから!」
ヘマ「確かに、似てるかも!」
サンゴ「っほらな!イシ!お前の子供なんじゃないのか!?ヘマの見てない所で浮気でもしたんだろ!」
ヒスイ「するワケねぇだろ、このボケが」
サンゴ「ヘマ!お前、イシに裏切られてるかもしれないぞ!」
赤ん坊「ふにゃふにゃ」
ヘマ「…」ジッ
ヒスイ「その手には乗らねぇぜ、サンゴ。俺は浮気なんかしねぇ。ヘマ一筋だ」
サンゴ「浮気する男は皆そう言うんだよ!」
赤ん坊「ふにゃふにゃ」
ヘマ「…」ジッ
ヒスイ「っは、サンゴよぉ。俺はテメェと違って女にモテねぇんだよ!バァカ!生まれてこの方一度もモテた事がねぇ!なにせパーティの女にも嫌われてたからなぁっ!どうだ!」
サンゴ「お前…それ言ってて悲しくならないか?」
ヒスイ「なんでだ?俺は一番好きな奴に好かれてりゃ、他からどう思われていようがどうでもいいんだよ!」
サンゴ「っ!」
ヒスイ「っは、この三下が。俺にガキを押し付けようとしてもそうはいかねぇからな。自分の撒いた種くらい自分ので育てろや」
サンゴ(…なんでこんなクズ野郎相手に、俺は負けた気になってるんだて)膝を折る
赤ん坊(ふにゃふにゃ)
ヘマ「…」にこ
赤ん坊「…」にこ
ヘマ「っ!」
ヒスイ「ヘマ、そろそろ帰ろうぜ。サンゴの奴を揶揄うのも飽きたわ」
サンゴ「はぁ!?子供はどうするんだ!?」
ヒスイ「俺が知ったこ…」
ヘマ「この子欲しい!サンゴ!この子ちょうだい!」
ヒスイ「んんんんん?」
サンゴ「は?ヘマ、まさか…その子供が俺に似てるから…」
ヘマ「イシ君に似てるから!この子はうちの子にしたい!」
赤ん坊(ふにゃふにゃ)
ヒスイ「いや。ヘマ、お前、子供はいらねぇって…」
ヘマ「かわいいねかわいいね。この顔はイシ君の顔だね。鼻の形と眉毛がイシ君だね」にこ
ヒスイ「…」
ヒスイ「サンゴ、お前の甲斐性じゃ無理そうだから、ウチで面倒見てやるよ」しらっ
サンゴ「え?」
ヘマ「この子はうちの子になりました。バイバイ、サンゴ」
ヒスイ「おい、ヘマ。赤ん坊育てるのに何が要るんだ?」
ヘマ「よくわからない…あ!そうだ!魔王様の所にきっと色々あるだろうから」
ヘマ「赤ちゃんのモノを貰いに行こうよ!」
ヒスイ「それがいいかもな。ついでに育て方も聞こうぜ」
ヘマ「うん!」
赤ん坊(ふにゃふにゃ)ぱち
ヘマ「っ!イシ君と同じ色の目だ!やっぱりイシ君の赤ちゃんだ!可愛い可愛い!」
ヒスイ「(なんか、俺が産んだみたいになってっけど…)まぁいいか!」
サンゴ「……は?」
突然の10年後!!
ヘマとヒスイはひょんな事から赤ちゃんを育てる事になりました。ヘマは肉体的にも、精神的にもあまり代わりません。ヒスイ&サンゴは三十過ぎの落ち着いた……大人の男になりました。
○おまけ○
ヘマ「魔王様にお手紙を書かないと!急に行ったらめーわくになるからね!」
ヒスイ「そんな事より。名前はどうする、ヘマ」
ヘマ「イシ君の赤ちゃんだから……コイシ君にする!」
ヒスイ「…コイシ(まぁ、呼べりゃ何でも)いいな!」
ヒスイ、ヘマが楽しそうなら何でもオッケー!