番外編24:コイシ、初めての魔王城(ヒスイ一家+???)※注意イラスト有

in魔王城

 

 

ヘマ「わっ!わー!懐かしー!」タタタ!

 

ヒスイ「うっわ!全然変わってねー!」

コイシ「…ふえ」ぎゅっ

ヒスイ「…コイシ?」

 

ヘマ「知らない人のおうちだから怖いんだね。大丈夫だよ!ここは犬のお母さんの家だから安心だよー」

ヒスイ「あ?魔王ん家じゃねぇのか?」

ヘマ「違うよー」

 

ヘマ「お家は『誰がご機嫌だと家の中が明るくなるか』で、誰の家か決まるんだよ。だから、ここは犬のお母さんの家」

ヒスイ「…おぉ。そう言や確かに手下に何かあると魔王はすぐグズグズになっからな。その通りだ」

コイシ「ふえ」ぎゅっ

ヒスイ「ま、でも此処を怖がんのは神経が正常な証拠だわな」

 

ヘマ「大丈夫だよ。コイシ君。ここの人は皆優しいからね」よしよし

ヒスイ(優しいかぁ?)

コイシ「ふえ」ぎゅうう

ヒスイ「うお、めっちゃ抱きついてくんな。今日は」

ヘマ「イシ君。コイシ君をトントンしてあげて。きっと眠いんだよ」

ヒスイ「へいへい」

 

トントン、トントン

スタスタ、スタスタ

 

コイシ「ぷすぷすぷすぷす…」

ヘマ「イシ君のトントンはスリープ魔法だねぇ」

ヒスイ「…眠かったんだろ」

ヘマ「かわいいねぇ。コイシ君は本当にかわいいねぇ」にこ

ヒスイ「…まーな」にこ

 

スタスタタ

 

〜〜♪

 

ヒスイ「…ん?何か声が聞こえこねぇか?」

ヘマ「そうかなぁ?犬のお母さんかな?」

 

コイシ「…」ぱち!

ヘマ「あ、コイシ君起きちゃった」

 

???「きなこ、ばなな、よーぐうと、いぬ、しょだいさま…」

 

トタトタ、トタトタ

 

ヒスイ「…これは」

ヘマ「もしかして…」

コイシ「…」ジッ

 

???「きなこ、ばなな、よーぐうと……っ!?」ピタ!

 

ヘマ「あー!キミは、もしかして」

 

???「あ゛ーーーー!」号泣

 

ヘマ「わっ!泣いちゃった!」

コイシ「…ふえふ、ふぇぇぇっ」

ヒスイ「うぉっ!?コイシがすげぇ泣いてる!」

 

???「あ゛ーーーーっ!」

コイシ「ふぇぇーーーっ!」

 

赤ちゃん二人が大号泣したよ!

 

ヒスイ「っな、コイシがこんなに泣くなんて…!」

 

ヘマ「大きな音にびっくりしたんだねぇ。わかるよー、急にライトニング撃たれたらビクッてするもんねぇ。イシ君、トントンスリープしてあげて」にこ

 

コイシ「ふぇぇっ!!」

 

ヒスイ「トントンスリープっつーか!まずはあのガキの泣き声を何かしねぇと!」

 

???「びぇぇぇぇえっ!!」

 

ヘマ「ど、どうしよう。オレ【ややこクラブ】で赤ちゃんの勉強はしたけど、きっとあの子は犬のお母さんのお腹に居た子だから年齢的しは【わらべクラブ】を読まなきゃ……イシ君!トントンスリープをあの子にもしてあげて!」

ヒスイ「えっ!?アイツに?効かねぇだろ!」

 

???「あ゛ーーー!」

 

ヘマ「イシ君なら大丈夫だよ!イシ君にトントンされると、オレも眠くなるもん!」

ヒスイ「いやいやいやいや…」

ヘマ「オレがコイシ君をトントンしてるから。ほら、コイシ君おいで」

 

コイシ「ふぇふぇふぇ」ぎゅぅう

ヒスイ「うおっ」

 

ヘマ「あややぁ。イシ君がいいって」

ヒスイ「…なんでだ?」

 

ヘマ「イシ君がお母さんって分かってるんだよ!イシ君、二人を……コイシ君とコイヌ君をお願い!トントンユラユラしてあげて!」

ヒスイ「お、おぉ。わかった(ヘマ、また勝手に名前付けてら)」

 

コイヌ?「あ゛っ、あ゛っーー!」ひくひく

 

ヒスイ「おいおい。息すらまともに出来てねぇじゃねぇか」

 

ヒスイは泣き喚くコイヌ?を下からサッと抱っこしたよ!

 

コイヌ?「あ゛∈彡…:“♦≒”)&\?’𓀑𓀉𓀌𓀇𓀂𓀁𓀂𓀋𓀖𓀐」

コイシ「っふぇぇぇぇ&&&&」

 

ヒスイ「すっげーなぁ。コイツら生きてるって感じするわ」

ヘマ「イシ君、二人も抱っこしてトントンできる?」

ヒスイ「鍛えてっからな。ラクショー」

 

ヒスイは両手にコイシ&コイヌ?を抱えて、ゆらゆらトントンをしたよ!

 

コイシ「ふぇ……ぷすぷす」ぎゅう

コイヌ?「ぅーぅーぅーぅー」

 

ヒスイ「コイシの奴、秒で寝たわ」

ヘマ「やっぱりイシ君のトントンスリープの効果は絶大だねぇ」にこ

 

コイヌ?「ぅーぅーぅー」

 

ヒスイ「こっちはまだか…」

 

ヒスイ「…そしたら、」

 

ゆらゆら、ゆらゆら

トントン、トントン

 

ヒスイはしばらくひたすらに、トントンとゆらゆらを繰り返したよ!

そう、ひたすらだよ!

 

コイヌ?「……ぅー」

 

ヘマ「あっ、コイヌ君もウトウトしてきた」

ヒスイ「よしよし、このリズムか。わかった」

 

ゆらゆら、トントン

 

コイヌ?「すぷー、すぷー」

 

ヘマ「寝たぁ!」にこ

ヒスイ「はい、いっちょ上がり」

 

コイヌ?「すぷー、すぷー」

コイシ「すぷぷぷ」

 

ヘマ「かわいいねぇ。かわいいねぇ」にこ

ヒスイ「…あったけぇなー。コイツら」

 

ヘマ「ふふ。イシ君は赤ちゃんを寝かせる天才だねぇ」にこにこ

ヒスイ「…いや」

 

ヒスイ「俺の場合。寝かせる天才っつーか」

ヘマ「ん?」

ヒスイ「他人より少し根気強いだけだわ」

ヘマ「そうなの?」

ヒスイ「ああ。どんだけ泣き喚かれようが、俺が自分で何かしてやれる事がある分…」

 

—石の時より、マシだからな。

 

コイシ「すぷぷぷ」ぎゅうっ

コイヌ?「ぷすー、ぷすー」ぎゅ

 

ヒスイ、石化時の経験により得られた「泰然とした石のような感じ」が、子供に対して凄まじい威力を発揮したよ!

 

ヒスイ「さ、行くかー」

ヘマ「はーい!」

 

トントントン

スタスタスタ

 

コイヌ?「ぷすー、ぷすー」

コイシ「すぷぷぷぷ」

 

さぁ、どうなる!