番外編31:犬へのご褒美

 

此方は【番外編30:犬は本当に可愛いですね】の続きとなります。

犬が上手に「取って来い」を出来たので、初代様は犬にご褒美をあげるようです。

 

もちろんR18となっております。

短いですがどうぞ◎

 


 

 

 

 俺は、犬だ。

 犬だから、初代様に撫でて貰えると凄く嬉しい。

 

 

—–お利口だな。

 

 

 なんと、今日は初代様に「お利口」と言われて頭を撫でて貰えた。昔はよく「駄犬」って言われて叱られていたのに。

 今日だって、犬からフリスビーを横取りして、叱られると思ったのに逆に褒められてしまった。しかも、それだけじゃない。俺の頭を撫でながら、初代様はコッソリと俺にだけ聞こえるように言ったのだ。

 

 

「お利口な犬には、ご褒美をやらねぇとな」

 

 俺の頭を撫でる初代様の手は、凄く熱かった。

 

 

        〇

 

 

 市長が通してくれた部屋は、広くて大きな部屋だった。ベッドは二つ。でも、最近はいくらツインの部屋を取っても使うベッドは一つだけだ。

 そこで俺は、初代様に正面から抱きしめられ、ひたすら後ろの穴に指を挿入され続けていた。

 

「っひぅ、しょ、らい……さまぁっ」

「ん?なんだ」

「っぁ、んっ!」

 

 機嫌の良さげな返事と共に初代様の指が、更に奥のシコリを擦った。なんだか今日の初代様は変だ。だって、今までこんなに丁寧に後ろを解された事なんてない。

 しかも、いつの間に用意していたのか。初代様の手は香油が纏われており、そのせいで後ろを弄る度に、くちゅくちゅと卑猥な音を響かせている。艶っぽい独特な匂いが俺の鼻孔を擽った。

 

 なんだか、頭がぼーっとしてきた。

 

「おっ、れは……んっ、どう、したら……いいですか?」

「あ?」

「あ、の……だって」

 

 言いながら俺は自分の下半身に当たる固いモノに、思わず目を伏せた。同時に、顔に熱が集まるのを感じる。そう、初代様のモノは服の上からでも分かる程、固く猛っていたのだ。

 

 俺の後ろの穴の役割は「初代様の欲求不満の解消」だ。だから、ある程度後ろは解れたら、初代様はすぐに挿入してくるのに。

 でも、今日はどうだ。一向に挿入される気配はない。こうしている間も、初代様の指は滑らかにナカを行き来し、皺を伸ばすように内壁へと食い込んでくる。

 

「っふ、ん゛……っぁ、っひ!」

「余計な事気にすんな。今日はテメェの“ご褒美”の日なんだからよ」

「で、も……」

「でもじゃねぇ。……なら、命令だ。声を我慢すんな。犬なら鳴け」

「っん、っん゛ぁぁっ!」

 

 その瞬間、初代様の指が俺のナカのシコリを指の腹で強く押し込んだ。突然襲って来た強い感覚に、俺は思わず初代様の首元に顔を押し付けてしまった。

 

「よし、それでいい。良い子だ」

「っっ!」

 

 自分の汚い嬌声に表情を歪めていると、初代様が昼間のように俺の頭を撫でてくれた。まさか、ここで褒めて貰えるとは欠片も思わなかった。後頭部を撫でられる感触に、俺の下腹部が何やら妙に疼き始める。

 

 なんだ、コレ。

 

「今日は上手に『取って来い』が出来たからな。褒めてやってんだよ。だからテメェは好きなだけ鳴いてりゃいい」

「っはっぁ、ん。……んっ、っふ、っぁ!」

 

 耳元で初代様の熱を帯びた声が聞こえる。初代様も、ついこないだまで童貞だった筈なのに。どうしてこうも手慣れているのだろう。俺は初代様しか知らないので、よく分からないが、多分初代様は凄く上手だと思う。

 

「んっふ、っぁ、ん……っひゃん!」

「よしよし、良い子だ」

「~~っっ!!しょ、だぃ、さまぁっ!っぁん、はっ、ん」

 

 しかも、今日は行為中ずっと俺の頭を撫でてくれている。しかも「良い子」なんて言って貰えて。俺のナカをヌルヌルと這いまわる初代様の指も、いつもより優しい。

 こんなの変だ。いつもの初代様じゃない。

 

「っは、っふ……っん、っん」

 

 余りの気持ち良さに腰を揺れが止まらない。ヤバイ。気持ち良い。

 

「……気持ちいか?」

「っぁ、ぁいっ、ひもちぃれすっ」

「良い子」

 

 あぁ、頭が沸騰しそうだ。

 良い子。よしよし。後頭部には髪の毛を指で弄ぶように撫でる初代様の固い手。下腹部の疼きが勢いよくせりあがってきて腰を振る動きが激しくなる。

 

「っは、ん。ッぁっ……も、っ。っは、っはふ」

 

 でも、ダメだ。これじゃ全然足りない。初代様の指じゃ、俺は――。

 そう、思った瞬間。俺は目の前に見える初代様の耳に向かって、普段なら絶対言わない事を口にしていた。

 

「しょら、いさまの、あちゅいの……ほしぃれす」

「……は?」

 

 初代様の呆けたような声が聞こえる。

 ついでに、ナカを蠢いていた指も、頭を撫でる手も、初代様の全ての動きが止まってしまった。

 普段の俺なら、こんな返事をされたら絶対に続きなんて言えない。というか、そもそもこんな事言わない。

 

「んぅ……なんれ、手……とめないでぇ」

 

 でも、今の俺は完全に頭がイカれておかしくなっている。下腹部の疼きと共に、俺は頭の中に反芻する「ご褒美」という言葉に縋り叫んだ。

 

「ごほぅび……くださ。しょだい、さまの、いれてください」

「っう、ぁ」

「あたま、も……なでてぇ」

 

 思考回路もブッ飛び、理性も投げ捨てた俺は、それこそ理性を失った獣のように初代様の固く猛るモノに腰を押し付け、頭をグリグリと初代様の首元に擦り付けた。

 チラと視界の端に映った初代様の耳は、いつの間にか真っ赤に染まっていった。

 

「っは、っくそが!」

「しょ、だい、さま」

 

 俺の肩に初代様の激しい息がかかる。それこそ、犬がするような荒い呼吸。

 

「っん!」

 

 気が付けば俺は初代様にベッドの上に押し倒されていた。俺の目に映る初代様は、「犬」なんて言葉ではとてもじゃないけど言い表せないようなギラつた目で、俺を見下ろしていた。あぁ、初代様。笑ってる。楽しそう。

 

「おいっ、犬」

「ぁいっ……んっふぅぅ」

 

 初代様は口元の笑みを深くすると、そのまま俺の唇に噛みつくようにキスをした。初代様の手は俺の頭や顎の下を、まるで「良い子」とでも言うように撫でる。

 あぁ、嬉しい嬉しい嬉しい!!

 

「んっ、っはぁっはぁ……しょ、だぃさま」

 

 絡み合っていた唇が一気に離れると同時に、ヒクつく秘孔に、初代様の猛りがピタリと添えられる。ご褒美の時間だ。

 

「ご褒美、くれてやるよ」

「っは、ぃ」

 

 あぁ、俺。

 今日、上手に「取って来い」が出来て、良かった。

 

 

 

おわり

 


 

多分この日はバックでヤりまくったんじゃないでしょうか!