番外編33:犬、Sランクダンサーの実力!(初代×犬)

 

 

ーーーー旅の途中

敵:双子舞踊家魔族との戦闘中

 

 

兄「きゃははっ!お前本当に勇者!?こんなに弱いのにウソじゃーん!」

弟「ほんとだよ!ヨワヨワ!リズム感も全くないし!」

 

初代「っくそが!ちょこちょこ動き回りやがって!ウゼェっ!」

 

 

犬(あわわっ…!初代様がこんなに苦戦してるのは初めて見る)

 

 

犬(あの最強の魔獣ヒュドラですら、たった一人でノーダメージで倒した初代様なのに……!ていうか、なんだ?あの双子、動きが変だ)

 

兄「コイツつまんないよ。早いトコ、ぶっ転がしちゃお!」

弟「そうだね!そうすれば、きっと魔王様にも褒めて貰えるし!」

 

トントントン、タン

 

 

犬(何だ?この足元リズムどっかで聞いた事が…)

 

 

初代「おいっ、犬!ここは一旦撤退して体制を整える!準備しろ!」

犬「っは、は…」

 

兄「逃すワケないじゃーん!」

 

トトトト、っターン!

 

犬「っ!っぅう!(今の!)」

 

初代「おいっ、犬!」バッ

 

弟「お前の相手はコッチだよーん!大丈夫!仲間も秒で終わらせて貰えるから!」

 

トントントン、タン

 

初代(っ!ヤベェ…)

 

 

初代(コイツら攻撃は大した事ねぇ癖に、マジで動きがヤベェ!普通の敵なら次の動きがなんとなく予想出来んのに、コイツらのは全く分かんねぇっ!どうすりゃいいっ!)

 

弟「ほらほら〜!頭で次どう動くか考えてたら俺達は倒せないよ!このウスノロ勇者!今の!この!リズムを!感じなきゃっ!」

初代「ウゼェんだよ、畜生っ!」

弟「あーぁ、お前。ホントリズム感無さ過ぎぃ。つまんないの!」

 

トントン・タン

 

初代(早くコイツを倒して犬の方に行ってやらねぇと…確実に殺されちまう!)

 

 

ーーーー初代様の“最終的な所”まで、付いて行かせてください。

 

 

初代「俺の最終的な所は、こんなトコじゃねぇっ!」

 

弟「ひゃはっ!ウケる!急に何マジになってんのー!?ほらほら、ちゃんとリズムを…」

 

 

うわぁぁっ!

 

 

初代「っ!?」

弟「っへ!?」

 

兄「…もう、オドれない」バタン

弟「へ?兄ちゃん!?」タタタ!

 

初代「は?ウソだろ……まさか、犬が」バッ

 

 

犬(あぁっ、そうだった…!ソードクエストと演舞革命の制作会社って同じだった!)

 

トントン・トン!

 

初代(……なんだ?あの足元の動きは。まるでアイツらみたいに)

 

 

犬(ソードクエストの最新作は、演舞革命とのコラボでボス戦を作ってたんだ。いいなぁ、やりたかったなぁ)

 

トントン・トン

 

弟「お前っ!よくも俺の兄ちゃんを!」バッ!

 

犬(っていうか、この二人お互い別の曲を踊ってたから、同時だとリズムが掴みにくかったんだ。となると、弟の方は……)

 

タタ・タタ・ターン

 

犬「てふてふだ!」パッ!

 

 

初代「おい、犬!ボケっとすんな!無理なら逃げ」

 

犬「初代様!」クルッ!

 

初代「どうしたっ!?」

犬「コレ、一番得意なヤツなんです!コイツは、俺が倒してもいいですか!?」パァッ!

 

弟「クソッ!バカにするなっ!兄ちゃんの仇!」

 

 

トト・タターン!

 

 

初代「おいっ!何でもいいから前見ろ!ちゃんとやれ!」

 

犬(ちゃんとヤれだって!良かった。初代様に許可をもらえた。そしたら…!)

 

〜♪

トトんターン!

 

 

弟「っ!お前」

犬(この子の動き、ランクAか……Sランクでも良かったけど)すっ

 

〜♪

トトット

 

弟「っなんで!?(なんで、全部動きの先にコイツが居るんだよ!まさか、俺の動きが全部読まれてる!?)」

 

 

 

初代「おいおいおい……何だ、あの動き。まるで踊ってるみてぇじゃねぇか…」

 

犬(うーん、普通にやるとすぐ終わって寂しいから…)

 

弟「っ!(目を瞑っただと!?)」

犬(ブラインドシステムも良かった……!)

 

弟「バカにしやがって!」

犬(ん?リズムが乱れ……あっ)グサッ

弟「ぐふっ!」

犬「あ、あ」

 

弟「兄ちゃん、俺もすぐイクから…」バタ

 

 

初代「た、倒した…」

 

犬(もう、倒しちゃったーーー!せっかくの演舞革命の戦闘だったのにーー!)

 

犬はあまりのショック具合に膝から崩れ落ちたよ!

 

初代「おっ、おい!どうした!?(まさか、どっか怪我して)」

犬「もう少しやりたかった…」

初代「は?」

犬(久々の”てふてふ“だったのに…)

 

 

初代(まだ殺り足りねぇだと?)

犬「うぅ」

初代「っは、良いじゃねぇか」よしよし

犬「え?(あ、頭を撫でられ…)」ぱちぱち!

 

初代様は、自分の為には容赦なく敵をぶっ転がす犬に、大満足の様子だよ!

 

初代「よくヤった。上手にヤれたじゃねぇか」よしよし

犬「じょじょ、上手、でしたか?」オロ

 

 

初代「おう、良い動きだった。褒めてやる」よしよし

犬「あ、あ、あ!あっ、ありがとうございますっ!(初代様に褒められた。うれしい…!)」真っ赤!

 

犬は無意識のうちに頭を初代様に押し付けたよ!

 

犬(もっと撫でてほしい…)グイ

初代「…」よしよ……ムラ

犬「?」チラ

初代「おい、犬」

 

 

 

初代「そろそろ街に戻るぞ(そして、ヤる!)」

犬「っあ、はい(もう終わりか…残念だな)」

初代「おい、犬」

犬「っは、はい」ばっ

 

 

初代「今日はトクベツだ。テメェにご褒美をくれてやるよ」ニヤ

犬「っ!(ご褒美…!という事は)」

初代「早く帰るぞ」

犬「はい!」にこー!

 

犬、双子魔族撃破!

 

 

 

ご褒美=ベッドでよしよしして貰う事だよ!もちろん、よしよし以外もヤるよ!

初代様は犬が自分に撫でられるのが好きな事を、ちゃんと知ってるよ!だから、何かあるとちゃんと撫でてあげるんだ!

 

 

初代様(コイツ、マジで犬だな)よしよし

犬(ひもちぃ)

 

 

昔のRPG、双子キャラの中ボスやたら居がち。

ちなみに、もう分かる方にはバレてると思いますが、

 

『舞踊革命』=『ダンスダンスレボリューション』

『てふてふ』=『Butterfly』

 

です。

音ゲー好きで極めてる男の子の動きって、最早、人並外れた動きしてて見てるの楽しいんですよね。