—-旅の途中
in武器屋
初代「親父、この剣とあっちの鎧と……あとこの腕宛てを貰えるか」
親父「あいよ。体に合わせて調整するから、コッチに来な」
初代「頼む」
犬「初代様。では、荷物を此方に」
初代「ああ」
親父「ん、ソッチの兄ちゃんもどうだい?見たところ、アンタの防具もボロボロだが」
初代(確かに……コイツのもそろそろ新しいのを買って…)
犬「俺は大丈夫です」ピシャ
親父「いや、でもそりゃああんまり……」
犬「大丈夫です」ピシャ
初代「(コイツ……)買っていい。戦闘で要るものをケチる必要はない」
犬「えっ、あの……俺」オロ
初代「金がないワケじゃない。買いなさい」
犬「……あの、初代様」コソ
初代「どうした(コイツがすぐに俺の言う事を聞かないなんて珍しいな)」
犬「初代様が、今使われている防具を……俺にください」
初代「何故」
犬「初代様が着てるのが…格好良かったので。お、俺も、ずっとそれが着てみたくて」
初代「……」
犬「もしよかったら、今の初代様の防具を俺に頂けないでしょうか」おず
初代「…っはぁぁっ!」
犬「あっ!あの、もし売却されるようなら大丈夫です!」
初代「…親父!」
親父「はいよ!」
初代「俺の今の防具を……ツレに合わせて仕立て直してくれ。あと、磨きも頼む」
犬「っ!あ、あの!俺自分で調整するので……!」
初代「防具は体に合わせてないと、むしろ戦闘での危険が増す。ちゃんとプロに合わせて貰いなさい。……俺とお前じゃ、体の大きさがまるで違うのだから」
犬「っは、はい!すみません!ありがとうございます!」
親父「じゃあ、二人共コッチに来な」
初代「ああ」
犬「はい!」
〇
親父「兄ちゃん、本当にガバガバだな」
犬「はい(本当にガバガバだ)」
初代「…(いいじゃねぇか)」ジッ
彼シャツならぬ彼防具。
一軍の装備品を二軍に回すのは本当によくやってたな、と。
初代様は犬が自分のおさがりを着たがるのを内心めちゃくちゃ可愛いって思ってます。
あと、初代様は犬以外の人間が居る時は外面が良いので、犬に対してもどちらかと言えば丁寧な言葉を使います。