番外編9:脱がせたい男VS脱ぎたい男(2)

タロー^^

 

 

 今日は一日、ずっと楽しかった。

 

 

 だって、推しのアオイさんと休みの日も会えるのだ。楽しくないワケない。

 

『タローさん、今日はよろしくお願いします』

 

 そう言って、アオイさんは物凄くお洒落な格好で現れて、俺は見た瞬間、思わず拍手をしそうになった。

 きっとブログに書くとしたら「ぶらぼー^^!」って感じだ。まったく、推しの私服が見れるなんて、本当に有難い事だ。

 でも、こんな事をして、もしアオイさんの他のファンに見られたら刺されるかも。でもいい。もし刺されても本望だって思えるくらい今日は楽しかったから。

 

 

『タローさん。じゃあ、お昼はここにしましょうか?』

 

 一緒に行ったファミレスでも、いつもの施術の日なんか比べ物にならないくらい沢山喋った。アオイさんみたいな人がご飯を食べるお店は、きっとお洒落で、俺なんか浮いてしまうような場所なんだろうな。緊張するな、と思っていたら、そんな事はなくてホッとした。ファミレスで本当に良かった。

 

 

『タローさんのお勧めが知りたいです』

 

 その後は、一緒にア〇メイトにも行ってくれた。俺の好きな漫画の話を、ずっと店の本棚を巡りながら聞いてくれた。

 ちょっと、アオイさんはア〇メイトでは浮いてた。

 

 

『タローさん、ちょっと疲れません?ちょっとお茶でもどうですか?』

 

 その後は、一緒に喫茶店でお茶もした。そこでも沢山喋った。

 正直、アオイさんは楽しいのかな?と思う事は何度もあったけど、アオイさんはずっとニコニコしてくれていたので、ホッとして……また喋ってしまった。

 俺ばかり喋り過ぎてなかったか、お店を出た後に不安になってしまったけど、これはコミュ障オタクのあるある悪い癖だ。後からそんな風に思っても、全然意味ないのに。

 

 

『俺、タローさんは今着てるようなタイプの服より、コッチの方が似合うんじゃないかと思うんですよね』

 

 アオイさんの行きつけのお店では少し緊張したけど、俺が緊張してるのを気遣ってか、アオイさんはすぐに俺の服を選んで店を出てくれた。良かった。試着してくれって言われたらどうしようかと思った。

 でも、そうこうしている間に、アオイさんは全て会計を済ませてくれていた。そういえば、食事代もお茶代も今のところアオイさんが先に払ってしまっている。

 

『お金?あぁ、後でまとめて頂きますね』

 

 ヤバイ。ちゃんと、忘れないように後からお金を払わないと。

 

 その後も、ずっとずっと楽しかった。

 普段、休みの日に外に出る事なんてないし、こんなに誰かと喋る事なんてないから、喋り過ぎて喉が枯れてきたけど……でも、楽しかった!

 

『タローさん、この後どうします?』

『あ、えっと……』

 

 だから、夜になってそろそろ帰らないといけない時間が近づくにつれて、俺は凄く気持ちが落ち込んでしまった。

 まだ、帰りたくなかった。いや、むしろ――。

 

『あ、明日…アオイさん。買い物の後…うちに寄って、く、くれないかなぁ……?』

 

 駅に向かう道すがら、昨日寝る前に宿った気持ちが頭を過る。

 でも、さすがに駅からうちまでは遠い。今から「うちに寄っていきませんか?」なんて、さすがにあんまりだ。

 だから、今日はこのままアオイさんとは駅で別れるんだろうなぁと思っていたのに。

 

『タローさん、今から二人でファッションショーをしませんか?』

 

 そう、アオイさんから提案された。

 最初は「ファッションショー?俺なんかが?」と思ったけど、そんな気持ちは一瞬でどこかへ消えた。まだアオイさんと一緒に居れると思ったあら、ファッションショーでも何でも良かった。

 

 でも、どうしてだろう。

 

 

「っはぁ……どうです?タローさん。俺の……もう全然、ないでしょ」

「んっ、っぅふ」

 

 どうして俺は、ラブホでアオイさんのちんこを口に咥えているんだろう。ファッションショーじゃなかったのだろうか。

 

「ほら、もっと奥まで咥えて……唇の皮膚が一番繊細に肌触りを感じれるんですから。全部咥えないと……っは」

「~~っぅ゛」

 

 膝立ちでズボンの前を寛げるアオイさんを前に、俺は両手をベッドにつきながら、必死に頭と舌を動かしていた。でも、俺の唇がアオイさんの脱毛後の皮膚に届く事はない。だって、アオイさんのちんこは凄く大きくて、全部なんてとても飲み込めないのだ。

 

「届かないか……仕方ない。じゃあ、まず手でも触ってみて。タローさん」

「っふ……ッん゛ぅ……っ」

「はぁっ、きもち」

 

 頭の上から降ってくるアオイさんの声はいつも通り優しいのに、何故が俺の頭に添えられた掌から力が抜ける事はない。それどころか、アオイさんの手は俺の髪の毛を掴み、無理やり俺の頭を動かしてくる。ちょっとだけ、髪の毛が引っ張られて痛い。それに、息がしにくくて苦しい。

 

『あ、ファッションショーの前に……丁度良い機会なので、タローさんにVIOの脱毛が終わったらどうなるのか、見せておきますね』

 

 そう、腕を掴まれ部屋に入った瞬間、俺はアオイさんにベッドの上へと連れて行かれた。そして、気付いたら俺はアオイさんからメガネを抜き取られて、口の中はアオイさんのモノでいっぱいになっていた。

 

「っ、ふっ……ん゛っ、っひゅっ」

 

 メガネが無いせいで、視界がぼやける。

 でも、それは眼鏡が無いせいなのか、口の中で激しく行き来するアオイさんのモノで呼吸もままならないせいなのかは分からない。

 

 あぁ、アオイさんの顔があんまり見えない。見たいのに、全然見えない。

 

「タローさん、そんなエッチな目で俺の事見て……はぁっ。も、ほんと、かわい」

「っぅ……んっっ!!」

 

 アオイさんの溜息を吐くみたいな事と共に、口の中の怒張がさらに質量を増す。

 今、可愛いって聞こえたけど、そんなワケはない。そもそも俺は引きこもりキモオタだし、そんな俺は今必死にアオイさんのを咥え込んでいるせいで、そりゃあもう酷い顔をしているに違いないのだ。

 

 アオイさんに、そんな気持ち悪い俺の顔を見られている。

 

「っふ、っふー……っは、っふぅ」

「ほら、そんな泣きそうな顔しないで。タローさん」

 

 耐えられない程の羞恥心に俺が堪らない気持ちになっていると、アオイさんは先程まで乱暴に掴んでいた俺の髪の毛をソッと優しく撫でてくれた。

 アオイさんは、やっぱり優しい。推せる。

 

「ね。こっちの手でも触ってみて……ほら」

「~~っっ……!ンっふ」

 

 俺はベッドに付いていた腕をアオイさんに掴まれ、玉を抱え込むように手を下半身に添えられた。触らされたアオイさんの玉は、物凄くパンパンで重くて、そして熱かった。掌に感じるズシリとした感覚に、思わず下腹部がキュンとしてしまう。なんだか、お尻までムズムズしてきた。

 

「……ね?もう裏側にも、何もないでしょ?」

 

 アオイさんの言う通り、タマの裏にも毛はない。毛のないすべすべとした肌の感触に、俺は思わずアオイさんの玉をヤワヤワと揉みこんでしまった。

 

「はぁっ……タローさん。えっち」

「っふ、っんぅ」

 

 なんでだろう。

 子供みたいな毛のない下半身になのに、そこにくっついてるモノは勿論成熟しきった大人のソレで……そのギャップに、俺は妙に興奮してしまった。でも、肌は本当にスベスベだ。いつもはアオイさんに下半身を触られてばかりだけど、今日は逆。

 

——ーさんにVIOの脱毛が終わったらどうなるのか、見せておきますね。

「っふ、っちゅ……っはっぅん」

 

 嬉しい。今日は俺がアオイさんのツルツルを確認して良い日なんだ。じゃあ、もっとアオイさんの体も触っていいだろうか。

 俺は湧き上がってくる熱い衝動のまま、玉の裏から足の間のIラインにかけて指でなぞるように撫でてみた。ふわふわして、凄く気持ち良い。

 

「っ……っは、やば……触り方エロ過ぎっ」

「ッんぅ!」

 

 呻くような低い声と共に、先程まで優しく後頭部を撫でていた手がグイッと俺の頭を更に奥へと押し込んだ。喉奥にアオイさんのちんこがピタリと当たって、思わずえずきそうになる。

 

「ぁー、喉……めちゃくちゃ震えて……きもちいわ」

「~っっんんん゛ん゛っっひゅ!!」

 

 張り出したカリが、上顎と喉奥を小刻みに行き来する。

 お尻の穴の気持ち良い所を攻められている時のような腰の動きに、益々俺のお尻の穴がヒクヒクと疼くのを止められない。まるで、口の中が性器にでもなったようだ。俺も、自然とズボンの中が苦しくなるのを感じた。

 

 苦しいのに、気持ち良い。

 

「んっンっ……んぅぅっ!ッ~~!!」

「っは、タローさんも……きもち、よさそ」

 

 アオイさんの言う通りだ。

 圧迫感と閉塞感と息苦しさ。そのどれをとっても心地よいとは言い難い感情であるにも関わらず、その苦しさが、俺にとっては最高に気持ち良かった。

 

「タローさんっ、もっと、さわってっ、いいですよっ」

「んっぅ」

 

 ほら!と、体を支えていた方の手すら、遊びに誘うように導かれた。俺は体を支える為、アオイさんの下半身に抱き着くように両手を回す。脱毛の済んだアオイさんの下半身は、どこもツルツルスベスベで、本当に触り心地が良かった。

 

「っふ、っふ、んぅっ……っ」

 

 ただ、舌の行き場が無くて、どうしたら良いか分からない。そんな事を思っていると、アオイさんが「タローさんの舌で、俺の、いっぱい舐めて」と苦し気な声で言った。

 

 俺は、恐る恐る口の中を埋め尽くすアオイさんのちんこに自ら舌を這わせてみる。すると、舌の先が浮き出た血管に行きついた。俺はその血管に沿うように裏筋に舌を這わせ、上顎に張り出したアオイさんのカリを擦り付ける。

 

 くちゅくちゅと唾液とアオイさんの先端から溢れる先走りが口の中を満たし、いやらしい音を立てた。

 

「っふぅぅっ、ん、ん゛~~っ!」

「っはぁっ、っは、ヤバ……っく」

 

 アオイさんの気持ち良さそうな声が、耳の奥に沁み込んでくる。

 嬉しい、アオイさんが気持ち良さそうだ。そう思うと、何でもいいからアオイさんにもっと気持ち良くなって欲しかった。だって、今日一日凄く楽しかったから。俺もアオイさんを喜ばせてあげたい。

 

「っふー、っふぅ。っんぅぅっ」

「っはぁ、イイッ……マジで、さいこうっ」

 

 自分から激しく頭を動かしながら、手でアオイさんのツルツルの素肌を撫でる。玉を揉み、股の間の柔らかい皮膚を全部感じ取れるように。すると、俺の頭の動きに合わせてアオイさんも激しく腰を振った。

 

「っは、タローさ……ッ、も…そろそろっ、っぁ」

 

 アオイさんの苦し気な声に、俺は腹の底と……お尻の穴がキュンとするのを感じる。あぁ、もうすぐアオイさんので口の中からいっぱいになるんだ。

 反り返った先端から放たれるであろう熱い感触を想像して、俺が期待に胸を高鳴らせた時だ。

 

「イくっ」

「っ!」

 

 アオイさんの果てる声と共に、俺の口の中からはアオイさんのモノが一気に抜け出ていった。一気に口の中が空洞と化し、物足りなさを感じる。

 あれ?一体、アオイさんのはどこへ行ってしまったんだろう。

 

 俺が息苦しさの名残でぼんやりする視界を見渡していると、それまで髪の毛を引っ張っていたアオイさんの手が、スルリと俺の頭を撫でた。

 

「っはぁ……タローさん。すみません」

「……へ?」

 

 アオイさんの謝罪の意味が分からず目を瞬かせていると、次の瞬間、ツンとした精液特有の匂いを、俺の胸あたりから感じた。

 

「服、汚しちゃった」

「あ、えと……」

 

 アオイさんの嬉しそうな声と共に自分の服を見下ろして見ると、そこには昨日買ったばかりの服にベッタリとアオイさんの精液が付着しているのが見えた。

 すごい、アオイさん。いっぱい出てる。やっぱり若いと量も違う。

 

「あ、いえ。だ、だいじょぶ……です」

「そっか……。なら、タローさん」

 

 とっさに「大丈夫です」と答える俺に、アオイさんは静かに笑って俺の肩に手をかけた。あれ、と思った時には、既に俺の体はベッドに包まれ、視界はぼやけながらも天井を映し出す。そして、すぐにその天井も、笑顔のアオイさんの顔によって隠された。

 

「……今度は、タローさんのチェック。させてください」

 

 ぼんやりとした視界でも分かる程、アオイさんの笑顔凄く眩しかった。

 

「ね?」

 

 そう言ってギラつく瞳で口にされた言葉に、俺はずっと疼いていた下半身を前に……

 

「は、いっ」

 

 自分からズボンに手をかけていた。