番外編18:オメガバースパロ「項を噛まれても、推しは番じゃない!」

【「運命」と番わなくても、死なない】という、初のオメガバースのお話を書いた記念に、オメガバースパロお喋りをしていきたいと思います。

 

≪前書き≫

アオイ(α)×タロー(Ω)

タロー(「運命の番」が現れたらって思ってたけど、アオイさんに噛んで貰えたから、十分かも)にこ

アオイ(まだ「運命」とか何とか思ってんじゃないだろうな…つーか、俺達番ったよな!?)

 

アオイ!口で言わないと、タローには伝わってないよ!少女漫画か…

この世界では「運命の番」はおとぎ話みたいなノリで扱われてる設定。

 

 

◇◆◇

 

アオイ【本編】直後のタローとのセッ〇スで、つい、項を噛んじゃったよ!

 

 

inアオイ宅

 

アオイ「あーぁ、タローさんと番っちまった…(いや、あの時、噛まなかったら、あのキモヲタが気にするかもしれねーし。一応客だし。無碍にできねーし。でも、番ったからにはそれなりの事はしなきゃなんねーし)」

 

アオイ「しゃーねーなー」と、ちょっと嬉しそうに、それまでより仕事に打ち込むようになったよ!アルファとしての責任感に燃えてるみたい!

 

 

inタロー宅

タローは、洗面所で自分の項についた噛み痕をまじまじと見てるよ!

 

タロー「あ、あれれ?やっぱり、噛まれてる。あれは……夢じゃなかったんだ」

 

しばらく、タローはジッと噛み痕を見てはスルスルと撫でてる!ちょっと嬉しそう!

 

タロー「さすが、アオイさんだ。ファンサが凄いなぁ……まさか、俺みたいなヤツの項を噛んでくれる人が居るなんて思わなかったなぁ。ふへ」にこ

 

タロー、項を噛まれた事が推しからの「記念サイン」みたいに思ってるみたい!まさか、自分とアオイが正式に番ってるとは微塵も思ってないみたいだね!

 

タロー「あ、そろそろ薬を飲む時期か……抑制剤高いなぁ。保険適応しないかなぁ」

 

ジャラッと、大量の錠剤をタローはラムネを食べるみたいに一気に飲んだよ!

 

タロー「ふー、これで脱毛の予約も安心だ」にこ

 

 

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サロン

 

 

タロー「こ、こんにちは」ぺこ

 

オーナー「あ、いらっしゃいませ(…ん?タローさん、もしかして番が出来たのか?匂いが違う)」

タロー「あ、あの。先日は、アオイさんにわざわざ出張脱毛のサービスまでして頂いて…ありがとうございました」ペコ

オーナー「あー、いえ」

 

オーナー(そんなサービスねぇし。アオイが勝手に行っただけだし…ん?待てよ)じっ

タロー「…え?(な、なんだろう)」

オーナー「あ、あの…(アオイ。お前まさか)」

 

アオイ「あ、タローさん。こんにちは」スタスタ

 

タロー「アオイさん!こんにちは、先日は色々ありがとうございました!」タタタ

 

アオイ「こちらこそ(あの野暮ったいジャージ、キモいし、クソダセェと思ってたけど、アレだと項も隠れて丁度良いな。っし、これからもアレ着させとくか。変に他のαに目ぇ付けられたら面倒だからな)」

タロー「忙しい中、予約も改めて取ってくださって」

アオイ「タローさん?今日もそのジャージ素敵ですね」にこ

 

 

タロー「っ~~!あ、あ、ありがとうございます!(アオイさんに、褒められたぁっ!)」ぱっ!

アオイ「さぁ、今日も一緒に頑張りましょうね?(キモヲタとは言え番ったんだから、しゃーねぇよな。オメガはアルファが面倒見てやんねぇと)」

タロー「はい!(もう一着同じジャージ買おう!)」

 

 

◇◆◇

 

施術が終わったよ!

 

 

アオイ「はい、お疲れ様でした」

タロー「ありがとうございました(また、今日も〇ってしまった……)」ズン

 

アオイ「あぁ、そういえばタローさん」

タロー「はい、何でしょう?」パッ

アオイ「次のヒートはいつ頃ですか?(その辺で休みとっとかねぇと)」

 

 

タロー「へ?(な、なんでそんな事聞くんだろ……よ、予約の関係かな?)」オロ…

アオイ「ぼんやりとでも良いので教えてくれませんか?(体力付けとかねーとなぁ。ジムの日増やすか)」

 

 

アオイ、初めてきちんと番った相手のヒートに、ちょっぴりワクワクしてるよ。楽しみみたいだね!

 

 

タロー「えっと、あの……待ってくださいね(先週、抑制剤を飲んだから……あれ?元々、俺ってどんな周期だったっけ?ここ数年ずっと薬でヒートを抑えてるから……わからない)」

アオイ(あ?そんなに考え込む事かよ)

タロー「あの……せん」

アオイ「はい?」

タロー「わ、わかりません」おず

 

 

アオイ「はぁぁぁぁっ!?(オメガの癖にヒートが分からないだぁっ!?)」ずいっ!

タロー「あっ、あっ……すみません!(アオイさんが怒った!?)」ビクッ

アオイ「ちょっ!あ、あのタローさん!?自分のヒートを把握してないって、ヤバイですからね!?もし、外でヒートにでもなったら危な……!」

 

 

タロー「あ、でも俺、見た目こんなですし!」

アオイ「見た目の問題じゃねぇよ!(ただでさえ、チョロい癖にっ!)」カッ!

タロー「あっ、あっ(社会性が無いと思われてしまった!無いけど!)」

アオイ「前回のヒートはいつだ!?」

タロー「あ、あ、しゅ、就職した頃だから……十年以上前で…」

 

 

アオイ「…は?」

タロー「あの、俺。定期的に薬でヒートを止めてるので…他の人には、迷惑をかけてないかと……」

アオイ「おい、薬…前回はいつ飲んだ?」ギロッ

タロー「えっと、四日前?(しゃ、喋り方が…)」

アオイ「(俺と会った後じゃねーか!?)タローさん!」

タロー「は、はい!」

 

 

アオイ「しばらく、俺がタローさんの家に毎日通います。そして、周期を把握します」スパン!

タロー「え?え?え?(な、なんで?)」オロオロ

アオイ「もう、薬は飲まないでください。絶対です。約束してください」

タロー「な、なんででしょうか?(え?え?え?脱毛、かんけい?)」

 

 

アオイ「あ?番が居るのに、抑制剤なんか飲むヤツがあるかよ!(これだから、恋愛経験のねぇキモヲタはっ!?俺が全部教えてやんねぇと!)」

タロー「つ、つ、番……!え、え……えぇぇぇ!?」

 

 

おわり


という、ちょっとしたドタバタラブコメディな【メン脱】オメガバースパロでした!

この二人の初ヒート……一体どうなるんでしょうね!