番外編45:お母さん?いや、(初代様×犬)

 

旅の途中

 

犬「…ん、けほ(朝から空気が乾燥して……なんか喉に違和感が。コレ、絶対喉痛くなるやつだ)」

 

——結ったら、どんなに大きくなっても扁桃腺は弱いのね。ちゃんとうがいしなさいって言ったのに言う事聞かないから。

 

犬「……(体が変わっても扁桃腺は弱いなんて、なんだよソレ)」

初代「おい、どうした」すっ

犬「…いえ、何もありません。出発の準備をします(声はまだ普通に出せるな。まだ問題なさそうだ)」

 

初代「おい、犬。俺はお前に〝どうした〟って聞いてんだよ」

犬「っえ?あ、いや。本当に何も(な、なんだ?初代様、怒ってる?)」

初代「お前、俺を舐めてんのか。お前、風邪引き始めてんだろ」

 

犬「っっ!え、いや!別に(まだ、引き始めだし声も変わってないのに……なんでバレたんだ!?)」

初代「今日の出発は見送る。明日から雪山に登ろうってのに、途中でぶっ倒れられたら困るからな」

 

犬「あ、あの……初代様。なんで?」

初代「あ?」

犬「な、なんで……分かったんですか?」

初代「テメェは具合が悪くなると、二重が濃くなる」

犬「っ!」

 

——結、喉に違和感あるんでしょ?隠したって無駄よ。あなた体調不良になるとすぐに二重が濃くなるんだから。

 

犬(まさか、この体でも……そうなのか)

 

初代「ここ最近、空気が乾燥してたからな。命令だ、今日から毎日うがいしろ」

犬「っは、はい!(…お、おかあさん)」

初代「んで、今日は部屋から出るな。寝てろ」

 

犬「あ、あの……でも食事が」

初代「おい、返事は何て教えた?」

犬「っは、はい!」

初代「おら、うがいして寝ろ」

 

犬「……はい(初代様、お母さんみたいだ)」

 

初代様、犬の体調変化に目ざとく気付くようになった頃。

彼は一人で旅をしていたので、体調管理はしっかりしている18歳なのです。

 

 

初代(……飯、どうすっかな)

犬(……初代様のごはんだけは、作ろう)

 

でも、ごはんは作れない初代様!

犬も分かってるから、コッソリ作って怒られたよ!

 

初代「ったく、余計な事しやがって(……うま)」むす

犬「すみません(ふふ、すごい食べてる…)」にこ

 

 

でも、初代様は全部ごはんを食べました!

犬の風邪は引き始めだったからよくなりました!

皆さんも風邪には気を付けてね!