番外編37:懐くの早くない?(茂木×大豆/茂木×???)

 

12月31日

 

 

茂木(あ゛ー、ダル。なんで正月だからって実家に帰らないと行けないんだ。家族団らんの風習など消えろ)

 

スタスタスタ

 

茂木(でも、大豆先輩も正月は家で過ごすっていうし……それに、俺も一年に一回は帰らないと、それこそ面倒だし。なんだよ、大家族なんだから一人くらい帰らなくても気付くなよ。子供の頃は俺だけ忘れて家族旅行に行った癖に)悶々

 

スタスタスタ、ピタ

茂木、家の外にまで聞こえてくる騒がしい一戸建ての前で、うんざりした顔で立ち止まったよ!

 

茂木(でも、兄貴には絶対に会いたくないから、1日だけ泊まったら絶対に帰る。これで文句ないだろ)

 

茂木、深呼吸をして玄関の扉を開けたよ!

 

茂木「……」ガチャ

 

茂木は家に帰っても絶対にただいまとは言わないよ!

 

ワンッ!ワンッ!

 

茂木「っ!?」

 

1匹の人懐っこいクリーム色のミニチュアダックスフントが駆け寄ってきたよ!

めちゃくちゃ吠えてる!

 

わんっ!わんわん!

 

茂木「ちょっ、なんでウチに犬が」

妹「あ、お兄ちゃん!おかえりー!」ドタドタ!

 

茂木「おい、なんだよ。こいつら!」

妹「あ、犬飼ったの!言ってなかった?」

 

くぅんくぅん。

なんと!妹の後ろからもう一匹犬が出できたよ!

 

茂木「いや。聞いてねぇし。しかも、一気に2匹も飼ったのかよ……(うるさ……よし、泊まるの止めた。絶対に今日に帰る)」

妹「1匹はイチにぃが彼女にプレゼントする為に飼ったんだけど、仕事の関係で家で飼えなくなったからってうちに連れて来たんだよ!」

 

茂木「……へぇ(さすが人間失格男だな。人間止めて地獄に落ちたらいいのに。○ね)」ギロ

 

くぅん、くぅん

 

茂木(兄貴に捨てられた犬……哀れだな)じっ

妹「もー!そんな睨みつけないでよ!怖がってるじゃん!」

茂木「別に、睨んでない」

妹「ほら、ごめんね。ダイズ。この人は無駄に大きくて怖いかもしれないけど、叩いたりしないからね」よしよし

茂木「……ん?(今、なんて)」

 

くぅん

 

茂木「大豆?」

妹「そう、この子の名前。ダイズ」

茂木「……なんで?」

妹「知らなーい。イチにぃが付けたから」

茂木「兄貴が…」

 

きゃんきゃん!

もう一匹が茂木の足元で、茂木を睨み付けながら吠えてるよ!

 

妹「ほらほら、とーにゅー!その人は無駄に大きくて恐ろしいかもしれないけど、特に害は及ぼさないから。安心していいからね!」

茂木「豆乳!?」

 

きゃんっ!

 

妹「そう、こっちの子はとーにゅー!この子は、ダイズが産んだんだよ」

茂木「大豆が産んだ豆乳!?なんだそれはっ!」

妹「なんだソレはって……別に変な名前じゃないでしょ。大豆が産んだから名前がとーにゅー。皆で付けたの!」

茂木「……業が深すぎる」

妹「え?」

 

きゃんきゃん!

くぅんくぅん

 

茂木(警戒心の強い大豆と豆乳。なんだか、名前のせいで……妙に可愛く見えてきてしまった)

 

妹「ほら、早く入りなよ。どうせお兄ちゃんはすぐに帰るんでしょ。年越しそばだけでも食べてきなよ」

茂木「……ああ」じっ

 

くぅん、くぅん。

——–あの、茂木君。一緒に資料を、よ、読もうよ。

茂木(大豆先輩)

 

きゃんきゃん!

——–コメントありがとうございます。初めて感想を貰えたので凄く嬉しかったです!

茂木(豆乳さん)

 

妹「あ。そうそう。イチにぃは仕事が休めないから今年はお正月には帰って来れないらしいから、安心しなよー……って、え?」

茂木「……」そっ

 

茂木は体勢を低くして下からダイズととーにゅーに手を伸ばしたよ。

そっ、と。そっとだよ!

 

ぴた。

 

妹「あ」

茂木「……やわらかい」なでなで

 

くぅん、くぅん。

ぺろぺろ。

 

妹「え、うそ」

茂木「……あたたかい」なでなで

 

茂木は無心で二匹を撫で始めたよ!

顔は笑顔というより真顔だよ!

傍から見ると怖いよ!

 

茂木「可愛すぎる。なんだ、これは……天使か」

妹「懐くの早くない……?(お兄ちゃんが)」

 

ダイズもとーにゅーも茂木にお腹を見せてべったり横たわってるよ!

そう、この二匹は撫でられるとすぐに懐く子達だよ!

可愛がってくれる人には、心底チョロいよ!

 

茂木「大豆、豆乳……ほら、おいで」だき…

 

くぅん。

ふすふす。

 

妹(お兄ちゃんってBL以外にも好きなモノがあったんだ……)呆然

茂木「……大豆、豆乳(良い名前だ)」スタスタ

 

茂木、家を出て初めて三が日を全部実家で過ごす!

 

茂木「ダイズ、おいで」

 

ダイズ「くぅん」ふりふり

——–茂木くーん!

 

茂木「……っふーー」

 

茂木「豆乳、だっこしてあげよう」

とーにゅー「きゃん!きゃん!!」

——–更新しました!

 

茂木「……尊い」

 

めためたに可愛がって過ごしたので、ダイズととーにゅーは完全に茂木に懐きました!

 

仕事はじめ!

 

大豆(あー、電話多い。皆正月明けそうそう電話してこないでよ……疲れた)ぐったり

 

茂木「ダイズ、おいで!(……あ、思わず)」

 

大豆「へ?」ぱちぱち

十勝「は?」

野田「あら?」

課長「ん?」

 

茂木「いや、すみません。大豆先輩。ちょっといいですか(ぐっ、やってしまった……)」

 

茂木、しばらく大豆を呼び捨てにする癖が抜けず。

 

十勝(まさか、あの二人……本当に付き合っているのか?恋人、なのか?)

野田(本当に、あの二人。仲良くなったのねぇ)

課長(とうとう、後輩に完全に舐められちゃったね。大豆クン)

 

三者三様の反応。

当の大豆は……!

 

大豆(セッ〇スの時だけ呼び捨てになるっていうのもいいな)にこ

 

日常は全部ネタ!!!