番外編4:アンタイじゃない!(セイフ×テル)

 

 

——–旅の途中

 

 

セイフ「テル、取って来た」テテテ

テル「お、いつもありがとう。セイフ」

セイフ「こっち、が、使えるの。コッチが、だめ、なの」

 

テル「おお、仕分けまで終わってる」

セイフ「あって、る?」

テル「うん、合ってる!ありがとな、セイフ」

セイフ「……」にこ

 

にこっとしてもセイフは甲冑をかぶっているから笑っているかはテルには見えないよ!

でも、笑ってる事はテルにはお見通しだよ!

 

テル(最初は回収も選別も遅かったのに。こんなにキビキビ動けるようになって。しかも、文句も言わないし。むしろ嬉しそうだし。……なんか懐かしいな)じわ

 

——–店長、あの。お、はようございます。

——–あれ、もう来てたの?まだゆっくりでいいんだぞ。

——–レジの、準備終わりました。あと、品出しも。

——–えぇっ!うわ、ほんとだ!助かったよー、いつも一人でやんの大変だったから。

 

(にこ)

 

テル「……あの子も、こんな感じだったなぁ」

セイフ「テル?」

テル「ん、あぁ。コッチの話」

セイフ「……」ジッ

 

セイフ、少し不機嫌になったよ!

でも、テルは矢を仕舞ってるせいで気付かない!

 

テル「あと少しで回収終わるから待っててな」

セイフ「……」コク

テル「あとは、コレだけか。よし、っんーーー!」

セイフ「……」じっ

テル「……はぁはぁ。あれぇ、なんか引っかかってるな」

 

テルはさっきからずっとモンスターに刺さった弓を引っ張ってるよ!

でも、骨に引っかかって抜けないみたい!

 

テル「っふううう!」

セイフ「テル」

テル「……ん?なんだ、セイフ」

 

セイフ「俺、取る、よ」

テル「あぁ、お願いできるか?けっこう固くて……」

セイフ「……ん!」

 

テルが「固くて」って言ってる間に、セイフは片手で弓を抜いたよ!

その拍子に刺さってたモンスターは体が割けて、ブシャッってなっちゃった!グロ!

 

テル「……あ、ありがと」

セイフ「……」にこ

 

テル(やべぇ、セイフのヤツ。相変わらずスゲェ怪力だな。なんかコレも懐かしい気が……)

 

——–ぬぅぅぅっ!

——–店長、ソレ。

——–あ、あぁ。コレ全然蓋が開かなくて……って、え?

——–どうぞ。

——–スゴイな!?俺じゃ全然開かなかったのに!

 

(にこ)

 

テル「……あの子も、こんな感じだったなぁ」

セイフ「テル?」

テル「ん、あぁ。コッチの話」

セイフ「……」ジッ

 

セイフ、また少し不機嫌になったよ!

でも、テルは矢に付いた血肉を拭ってるせいで気付かない!

 

テル「えっと、これで全部か……いち、に、さん。あれ?あと一本足りない」

セイフ「……」キョロキョロ

 

テル「あ、あった!」

セイフ「……?」

 

テルは木に刺さった矢を見つけて駆け出したよ!

 

テル「いつの間にこんなとこに刺さったんだ……っと、よいしょっ!」

セイフ「……」じっ

 

矢の位置が高すぎて、ジャンプしても届かない!

 

セイフ「テル」

テル「ん?」

セイフ「……ん」

 

セイフはテルがジャンプをしている後ろから、悠々と矢を抜いてテルに差し出したよ!

 

テル「おお、楽勝だったな!ありがとう、セイフ」

セイフ「……」にこ

 

テル(セイフのヤツ。相変わらずデカイなぁ。んー、懐かしいな……)

 

——–っくそ、取れない。脚立を持ってくるしかねぇか。

——–店長、ソレ。

——–あ、あぁ。ちょっと届かなくて……って、え?

——–どうぞ。

——–ありがとう。本当に大きいな――

 

テル「セイフ、本当に〝安泰君〟みたいだな」ボソ

セイフ「……アンタイ?」

テル「あ、あぁ(やべ、口に出てた)」

セイフ「アンタイって誰」ムス

テル「(あれ、なんか不機嫌になった……?)えっと、前職の……じゃなかった、前のパーティに居た子だよ」

 

セイフ「どんなヤツ」

テル「どんなって……えっと、体が大きくて、力が強くてずっとマスクを付けてる無口な子だった」

セイフ「……」ムス

テル「あ、そうそう。でも一回だけマスク取ってるとこ見たんだけど、格好良い子だったなぁ。ほんと、セイフ。お前みたいな子だった……って、えぇっ!?」

 

テルは気付いたらセイフに抱き上げられてギュウッってされたよ!

力が強い!

 

セイフ「俺はアンタイじゃない!俺はアンタイじゃない!アンタイじゃない!」

テル「分かってる分かってる!お前は安泰君じゃない!全然違うって!ごめんって!(なんだなんだ!?)」

セイフ「俺はアンタイじゃない!!!!」

テル「わかってますがーーーー!?」

 

その後、テルはセイフにギュウッてされたままモンスターの死体の中で何時間も過ごしたよ!セイフは自分と似たヤツがテルとパーティを組んでたのが許せないみたい!

 

セイフ「俺……アンタイじゃない」しょぼ

テル「あいあい、分かってるよ。セイフはセイフだ(二度とセイフの前で安泰君の話は出来ないな)」ぽんぽん

 

テル、気を付けないと!

セイフは口には出さなくても思念だけでもアンタイ君を感じるからね!(セイフ、対テルに対してのみの特殊能力。サトリ!)

 

テル(安泰君、元気かなぁ)

セイフ「……テル!」ムス!

テル「っ!何も考えてねぇよ!?」

 

セイフ、キレると滑らかに話せるようになる仕様。