——本編後
セゾニア「どうしよう、これじゃ海を渡れないわ」
ユリア「まさかあんなに村人から警戒されるなんてね」
シピオン「これじゃ手詰まりだな。どうする、ループ?」
ループ「うーんそうだなぁ……」チラチラ
カミュ「どうした、どうした!皆、そんな暗い顔をするな!警戒されているなら信頼を勝ち取るまでだろう!口で理想を語るより、行動で示す!これしかない!」
セゾニア「そう簡単に言うけどね、カミュ?」
ユリア「そうよ、皆。貴方みたいに脳筋じゃないんだから」
シピオン「ひとまず、村人に話を聞くところから始めるか。情報収集が先だ」
セゾニア「シピオンの言うとおりね。ループ、それでいい?」
ループ「……」ぼうっ
セゾニア「ループ?」
ループ「っあ、え!?あぁ、い、いいよ!」
セゾニア「そう?何か考えがある時は言ってね?」
ループ「うん、分かった」こく
ユリア「じゃあ、とりあえず手分けして村人から情報を集めましょう」
シピオン「そうだな。日が暮れたら酒場の前に集合だ。じゃ、またあとで」
ループ「……」ぼーっ
カミュ(なんだ、ループのヤツ。いつもこのタイミングはソワソワする上に……)チラ
ループ(にこにこーーー!)
カミュ(顔!!!顔が、最高に可愛いんだが!!!!なんでだ!理由が、理由が知りたい!何がお前をそんなに最高に可愛くさせるんだ!?)
ループ「……」スタスタ
カミュはループの後をこっそり付けてみたよ!その間もループはずっとにこにこしてる!
ループ「やっぱ、かっこいいな」ぼそ
カミュ(なにがだ!?なにが格好良いって!?誰の事を言ってるんだ!まさか別の男の事じゃないだろうな!?)
ループ「【口で理想を語るより、行動で示す!】やっぱカミュは名言が多いよなぁ」ぼそ
カミュ「っっ!!!(……って俺かよ!!!)」
ループ「【口で理想を語るより、行動で示す!】……いいなぁっ!【口で理想を語るより、行動で示す!】」ぼそぼそ
カミュ(格好良いのは俺で安心したものの……何回も言われると普通に恥ずかしいんだが!?)
ループ「あ、あれも格好良いんだよな。シシューポス平原を敗走した時の」
カミュ(おいおい。そりゃ、まだ大分先の話じゃねぇか。俺、なんつったっけ)
ループ「【負けた後だからこそ、俺達はより前を向かねばなるまい!】……かっこいいっ!」
ループは噛み締めるようにカミュの名台詞(ループ選)を呟きまくったよ!
ループ「【負けた後だからこそ、俺達はより前を向かねばなるまい!】……これ、もう一回聞くの楽しみだなぁ」にこにこ
カミュ「……」
ループはけっこうエグめの敗走エピソードを、最早カミュの名言発表会みたいに思ってるみたい!
さすがゲームも合わせると200周目プレイヤーだね!
ループ「カミュは……やっぱり一番格好良いなぁ」にこにこ
カミュ「……っふーーーー」
カミュは天を仰いだ!
ループ「あれ、今って何しなきゃいけなかったっけ……あれ?」
ループはカミュの名言を脳内リピートするのに夢中ですっかりイベントをド忘れしちゃったみたい!
そんなループに、大きな影が近づいたよ!
カミュ「よお、ループ!情報収集は順調か?」
ループ「っカミュ!(あ、そうだった。村人に話を聞かなきゃだったな)」
カミュ「なぁ、良かったら俺と一緒に情報収集しないか?」
ループ「うん、いいよ!」にこ
カミュ「よし、なら村の奥の森から一緒に回ってみないか!」
ループ「森?いいけど……(村人なんか居るかな?)」
カミュ「ループ、俺は口で理想を語るより行動で示す派だ」スルリ
ループ「っ!」
カミュの声が囁くように低くなったよ!
だいたいこういう時のカミュは——!
カミュ「お前への愛を、行動で示させてくれ」
ループ「っっあ、あ……うん」てれ
カミュ「さぁ、行こうか(どうせ、ここで情報を集めてくんのはシピオンだし。別に良いだろ)」
二人はぴったり隙間なくくっ付くと、森の中に消えていき——。
シピオン「~~っ!!!カミュのやつ……!」かっ!
シピオンは見た!
二人は夕暮れ時まで、森から姿を現しませんでしたとさ!
シピオン「……カミュ、頼むから口で理想を語るより、行動で示してくれよ」
カミュ「んーー?何の事だ?(次の台詞も練習しとかないとな)」
ループ選によるカミュの名言は100を超えるらしい!