シモン(18)時代
in教会
子供達\ししょー!/ダダダ
キトリス「んー、どうした。夜ご飯はまだ……ん!?」
子供達\これ、見てーー!/
キトリス「う、うわーーーッッ!??」
キトリスの前には、色々な仮装をした子供達が現れたよ!可愛い!
キトリス「ど、どうしたんだ!?それ!」
マタイ「街の人達が収穫祭が近いからってやってくれたのー!」
ヤコブ「おかしもくれたー!」
キトリス「そ、そうか。後でお礼に行かないとな(この世界にもハロウィンってあったのか。いや、それにしても……)」
子供達\きゃきゃっ!/バタバタ
キトリス「ぐふっ!かっ、わい過ぎかよ……!」
キトリスは可愛い子供達に天を仰いだ!
キトリス「カメラはないし、スマホももちろんない……なんだ、この世界は。地獄ですか……」
キトリスは可愛い子供達を記録に残せない事に、レベル100の魔王を前に逃走した時以上の絶望顔を見せたよ!
キトリス「くっ……これは網膜と記憶に焼き付けるしか、ない!はい!皆、師匠の前に並べーーー!」
子供達\えー???/
◇◆◇
シモン「今日は一体なんなんだ。皆して仮装させろ、化粧させろって。おかげで、夕飯の買い物が遅くなった……師匠、困ってるだろうな」タタタ
シモンは足早に教会に戻ると、勢いよく扉を開けたよ!そしたら——!
キトリス「はーーー、可愛いなーー」にっこー!
ヤコブ「あーーー、もーー!いやだーー!ししょー、はなして!」
シモン「……は?」
シモンの目の前に、仮装した子供達とその子供達の顔を両手で挟んでニコニコ顔で見つめるキトリスの姿が飛び込んできたよ!
キトリス「ちょっ、待って!あと少し!網膜に焼き付けるからっ」
ヤコブ「もーー、おなかすいたーー!」じたばた
シモン「ちょっ、なにコレ」
マタイ「シモン、おかえりー」ひょこ
シモン「……えっと、マタイ。師匠は一体何をやってんの?」
マタイ「私達の仮装が可愛いから忘れないようにジッと見てるんだってー。私もずーっと離してもらえなくて大変だったんだからー。ねー、みんな?」
子供達\そーそー!/
みんな迷惑そうだけど、それでも内心どこか嬉しそう!こんなに自分達を可愛がってくれる人は他に居ないもんね!
……みんな、捨て子だから。
シモン「……へぇ」
キトリス「可愛いなぁ、ヤコブ。めっっちゃ似合ってる!世界一可愛い!」ぐりぐり
シモン「……」じっ
ヤコブ「もー、わかったよー……あ、シモン!シモン助けて!師匠がぁ」
キトリス「あ!シモン、見てくれよ!皆、めっっちゃ可愛いんだよ!最高!」ぐりぐり
シモン「……お」
キトリス「ん、どうした?シモン……あー、可愛すぎる。永久保存したい」ぐりぐり
シモン「俺も、俺だって……」
キトリス「はーー、まぁそろそろ夕飯作るか。みんな、今日はこの格好でご飯を食べような」でれ
キトリス、ニコニコを通りこしてデレデレしてる。お兄ちゃんには堪らないご褒美だったね!
ヤコブ「あーーー、やっとごはんが食べれるー」
キトリス「あいあい、すぐ作るから待ってろ。シモン、頼んでお使いは……」ちら
シモン「師匠!!俺、ちょっと出かけてくる!!」だっ
キトリス「えっ、え!?今から!?なんで!?」
シモン「……俺も、俺だって」
——めっっちゃ似合ってる!世界一可愛い!
シモン(世界一可愛いって……言われたいッッ!!)だっ!
シモンは夜の街へと駆け出した!全ては、師匠に世界一可愛がってもらうため!
キトリス「おいおいおい!よく分かんないけど!ちょっ、夕飯の食材は置いてってぇ!?」
シモン。いくら大きくなっても、師匠に一番甘やかして貰えるのは「自分」じゃなきゃ許せない!!
その後——!
シモン「っはぁっはぁ、やっと俺も仮装出来た」
シモン、街の女の子達にこれでもか!ってくらい仮装してもらったよ!その結果!
シモン「た、ただいま。師匠」そろり
キトリス「あ、シモン。良かった。みんな腹を空かせて……って」チラッ
シモン「あー、これ?俺も収穫祭だからって仮装させられちゃって……」
キトリス「う、うわーーーッッ!??」
シモン「えっ」
キトリス「ちょっ、は!?ま、まお……魔王きちゃった!?ちょっ、普通魔王ってコッチが倒しに行くんじゃないの!?最近の魔王って向こうから来ちゃう感じですか!?ちょっ、ま……みんな逃げろーーーー!?」脱兎!
シモン「え???」
シモン、仮装の結果……ガチの魔王(初代様)になる。キトリスのトラウマ復活!可愛がるどころじゃなくなりました!
シモン「な、なんで?……コレじゃダメってこと?」ぽつん
シモン、ハロウィンチャレンジ失敗!
シモンのハロウィンリベンジを心に誓う!続く!かも!
ちなみに、魔王にガチで似てるってことは超イケメンってことです◎