※番外編27:う、うわーーーッッ!??の続き
—–ちょっ、は!?ま、まお……魔王きちゃった!?
シモン「……はぁっ、こないだは失敗したな。まさかアレが魔王の仮装だなんて」
街の女の子達は魔王に仮装させたつもりはないよ!
そもそも顔が似てるんだよ!
—–めっっちゃ似合ってる!世界一可愛い!
シモン「……今度こそ、俺だって」ぐっ
収穫祭は終わったけど、シモンは諦めずにもう一度仮装をしたみたい!
女の子達は喜々としてやってくれるよ!
シモン「でも、今度は大丈夫かな。また魔王と間違われたら嫌だから、変な仮装はするなって言ったものの……」
シモンは自分の体を改めて見たよ!
シモン「コレは、仮装になるのか?」
—–あんまり、派手な衣装を着込みたくない?
—–うーん、だったら。そうねぇ。
身体の至る所に包帯をグルグル巻きにされてるよ!
ついでに、余った血糊もベタベタ付けられてる!
\わーい!シモンの体、触りほーだい!/
街の女の子達はここぞとばかりにシモンの体を触りまくったよ!
シモン「……なんか、良いように玩具にされただけな気がする」呆然
\おい、シモン!なに食べたらンな体になるんだよ!?/
街の男の子達はシモンの体に憧憬の眼差しだったよ!
シモン「……やっぱり、師匠のパンは凄いんだろうな」ふふん
キトリスは買ってきた安いパンを焼いてるだけだよ!
シモン「……でも、この仮装。絶対褒めて貰えない気がする。なんか包帯も汚いし、血糊もベタベタするし」
—–ちょっ、おいおい!なんだその格好!マットが汚れるから早いところ川で体洗ってこい!
シモン「(汚いって言われたらヤだし)……やめとこ」すん
キトリス「ん、そこに居るのはシモンか?」そろ
こんな時に限ってキトリス登場!
シモン「っっ!!(う、うわ。こんな時に限って師匠と出くわすなんて!)」ばっ
キトリス「……っシモン!?」
シモン「あっ、えっと……これは、ちょっと!あの間違いでっ!」
キトリス「う、うわーーーッッ!??」タタタ!
シモン「あっ、あのっ!師匠、逃げないで」
キトリス「ちょっ、怪我してるじゃねぇか!?誰にやられた!?いや、そんな事より……」
シモン「っへ(あれ、師匠)」
キトリス「こっちに来い!ほら、怪我を見せてみろ!どこが痛む!?」あわあわ
シモン「……あの、えっと(俺の事、心配してくれてる?)」
キトリス「早く部屋の中に入れ!」
シモン「あの、でも……汚れるかも」
キトリス「そんな事気にしてる場合か!……あぁ、こんなに血が出て。なんでシモンがこんな目に」
シモン「……師匠」じわ
キトリス「あぁ、大丈夫大丈夫。俺がちゃんと手当するし。薬も勝手くるから。痛いだろうけどちゃんと治るから。心配しなくていい」
シモン「うん」じわ
キトリス「ほら、水汲んでくるから座って待ってろ。辛いなら横になっててもいいから」
シモン「……師匠、傍に居て」ぎゅっ
でたーーー!
シモンの師匠にだけは見せる子犬のウルウル顔!
ええ、わざとです!
キトリス「あぁぁ、不安だよな。よしよし。でも、大丈夫だ。すぐ戻ってくるから!ほんとに、ほんのちょっとだから!」
シモン「……うん、早く戻ってきてね」ぎゅっ
キトリス「ああ、汚れるとか気にせずちゃんと楽になってていいからな!お前はすぐに気を遣うから!じゃ、待ってろ!」だっ
キトリスは急いで川の方へとっ向かったよ!
その後ろ姿にシモンは——!
シモン「……師匠、ごめんなさい。でも」
シモンは腕についた包帯と血糊を触りながら、なんとも言えない顔をした!
シモン「……いいっ」恍惚
可愛がられるのと同じくらい、心配して貰えるって嬉しいね!最高だね!
癖になっちゃうねーーー!?
キトリス「シモンっっ!大丈夫かーーー!?」ダダダダ
その後、シモン君はちゃーんと師匠に怒られま—–
キトリス「えっ!?仮装!?怪我してないのか!?あ、え……はぁっ、良かったぁ」ほっ
シモン「……ご、ごめんなさい」あわ
怒るより心底ホッとされて、ちゃんとめに反省したシモンでした。
怒られるより堪える事ってあるよね!