番外編28:う、うわーーーッッ!??2(シモン×キトリス)

※番外編27:う、うわーーーッッ!??の続き

 

 

—–ちょっ、は!?ま、まお……魔王きちゃった!?

シモン「……はぁっ、こないだは失敗したな。まさかアレが魔王の仮装だなんて」

 

街の女の子達は魔王に仮装させたつもりはないよ!

そもそも顔が似てるんだよ!

 

—–めっっちゃ似合ってる!世界一可愛い!

シモン「……今度こそ、俺だって」ぐっ

 

収穫祭は終わったけど、シモンは諦めずにもう一度仮装をしたみたい!

女の子達は喜々としてやってくれるよ!

 

シモン「でも、今度は大丈夫かな。また魔王と間違われたら嫌だから、変な仮装はするなって言ったものの……」

 

シモンは自分の体を改めて見たよ!

 

シモン「コレは、仮装になるのか?」

 

—–あんまり、派手な衣装を着込みたくない?

—–うーん、だったら。そうねぇ。

 

身体の至る所に包帯をグルグル巻きにされてるよ!

ついでに、余った血糊もベタベタ付けられてる!

 

\わーい!シモンの体、触りほーだい!/

街の女の子達はここぞとばかりにシモンの体を触りまくったよ!

 

シモン「……なんか、良いように玩具にされただけな気がする」呆然

 

 

\おい、シモン!なに食べたらンな体になるんだよ!?/

街の男の子達はシモンの体に憧憬の眼差しだったよ!

 

シモン「……やっぱり、師匠のパンは凄いんだろうな」ふふん

 

キトリスは買ってきた安いパンを焼いてるだけだよ!

 

シモン「……でも、この仮装。絶対褒めて貰えない気がする。なんか包帯も汚いし、血糊もベタベタするし」

 

—–ちょっ、おいおい!なんだその格好!マットが汚れるから早いところ川で体洗ってこい!

 

シモン「(汚いって言われたらヤだし)……やめとこ」すん

 

キトリス「ん、そこに居るのはシモンか?」そろ

こんな時に限ってキトリス登場!

 

シモン「っっ!!(う、うわ。こんな時に限って師匠と出くわすなんて!)」ばっ

キトリス「……っシモン!?」

シモン「あっ、えっと……これは、ちょっと!あの間違いでっ!」

キトリス「う、うわーーーッッ!??」タタタ!

 

シモン「あっ、あのっ!師匠、逃げないで」

キトリス「ちょっ、怪我してるじゃねぇか!?誰にやられた!?いや、そんな事より……」

シモン「っへ(あれ、師匠)」

 

キトリス「こっちに来い!ほら、怪我を見せてみろ!どこが痛む!?」あわあわ

シモン「……あの、えっと(俺の事、心配してくれてる?)」

キトリス「早く部屋の中に入れ!」

シモン「あの、でも……汚れるかも」

キトリス「そんな事気にしてる場合か!……あぁ、こんなに血が出て。なんでシモンがこんな目に」

 

シモン「……師匠」じわ

キトリス「あぁ、大丈夫大丈夫。俺がちゃんと手当するし。薬も勝手くるから。痛いだろうけどちゃんと治るから。心配しなくていい」

シモン「うん」じわ

キトリス「ほら、水汲んでくるから座って待ってろ。辛いなら横になっててもいいから」

 

シモン「……師匠、傍に居て」ぎゅっ

 

でたーーー!

シモンの師匠にだけは見せる子犬のウルウル顔!

ええ、わざとです!

 

キトリス「あぁぁ、不安だよな。よしよし。でも、大丈夫だ。すぐ戻ってくるから!ほんとに、ほんのちょっとだから!」

シモン「……うん、早く戻ってきてね」ぎゅっ

キトリス「ああ、汚れるとか気にせずちゃんと楽になってていいからな!お前はすぐに気を遣うから!じゃ、待ってろ!」だっ

 

キトリスは急いで川の方へとっ向かったよ!

その後ろ姿にシモンは——!

 

シモン「……師匠、ごめんなさい。でも」

 

シモンは腕についた包帯と血糊を触りながら、なんとも言えない顔をした!

 

シモン「……いいっ」恍惚

 

可愛がられるのと同じくらい、心配して貰えるって嬉しいね!最高だね!

癖になっちゃうねーーー!?

 

キトリス「シモンっっ!大丈夫かーーー!?」ダダダダ

 

その後、シモン君はちゃーんと師匠に怒られま—–

 

キトリス「えっ!?仮装!?怪我してないのか!?あ、え……はぁっ、良かったぁ」ほっ

シモン「……ご、ごめんなさい」あわ

 

怒るより心底ホッとされて、ちゃんとめに反省したシモンでした。

怒られるより堪える事ってあるよね!