≪小話1:ありがとうの示し方≫
——旅の途中
セイフ「テ、テルは……」おず
テル「ん?」
セイフ「よく『ありがとう』って……言う」
テル「え、そう?」
セイフ「……」コクリ
テル「そっか。あんまり自覚はなかったけど、セイフが言うならそうなんだろうな」
セイフ「……あ、あの。す、す、すごく。い、いいと、思う」ひっし!
テル「そう?まぁ、感謝は礼儀っていうのもあるかもしれないけど……どっちかって言うと、セイフが『ありがとう』って言われるような事をそれだけしてるって事だろ」にこ
セイフ「っ!」
テル(リチャード達と旅してる時と比べると、マジでセイフとの旅はストレス無いんだよな。矢も拾って来てくれるし……昔は置いていかれるか、文句言われるかのどっちかだったのに。ほんと、セイフは良いヤツだ)しみじみ
セイフ「……あ、あの。テル?」そわそわ
テル「——うん。いつもありがとな?セイフ」にこ
セイフ「っっっあ、あ……あ、えっと(俺も、い、言わんば……)」
テル「さて、そろそろ出発するか。今日こそは宿を取りたいし」
セイフ「……う、うん(俺は、テルんごつ上手く言えん。歯がゆか)」
テル「あぁ、そうだ。セイフ」くるっ
セイフ「?」
テル「別に言葉にしなくても、態度で伝わってるから」
セイフ「……っぁ、えと」
テル「大丈夫、お前の『ありがとう』も伝わってるよ」にこ
セイフ「~~っ!!!」
テル「ほら、行くぞー」
セイフ、テルの事がもっと大好きになった瞬間。
多分、セイフが流暢に喋るタイプだったら、毎日プロポーズしてたと思う!
≪小話2:2月20日は【夫婦円満の日】≫
——本編後(自宅)
セイフ「……テル、はい」
テル「なぁ、セイフ。なんで肉ばっかり俺の皿に移してくるんだよ。俺はお前と違ってそんなに食えねぇよ?」
セイフ「……」じっ
テル「あー、分かったよ貰う貰う。ありがと」
セイフ「……」そっ
テル「おいおいおい!だからもういらないって……なぁ、セイフ。お前、何考えてる?」
セイフ「……」
テル「セイフ、別に怒んねぇから。ほら、言ってみろ」
セイフ「……ありがとうっち、言わせたか」おず
テル「は?」
セイフ「テル、『ありがとう』っち言うと、少し、笑うけん」
テル「……お前なぁ!!!(クッソ、可愛いな!!?俺の夫!)」
テルの笑ってる顔が見たかったんだね!
そして、少し笑いながらありがとうって言われたセイフも少し笑ってる。
研究によると、 仲の良いご夫婦は1日5回以上『ありがとう』を言うらしいので。

