『ずっと、会いたかった……イン!』
ふとした瞬間頭を過る。それは、普段は冷静で、そして嫌味な程顔の整った男が、俺を苦しい程抱きしめてくる光景、その感触。
そして、そこから始まったのは怒涛の愛の氾濫。最早、詩か何かを詠んでいるかのようなその美しい言葉の濁流は、俺を大いに飲み込んだ。その言葉を俺は処理できないまま、ひとまず思考を放棄する事にした。
そう、酔っ払いには何を言っても無駄なのである。
【前世のない俺の、一度きりの人生】
第2章:生酔い、本性違わず