長編おしゃべりシリーズ
【オブの、その後 ~インが居なくなった後のオブ~】
導入お喋り編
——前書き———-
こちらは、ツイッターの素敵なリクエストで頂きました【インの居なくなった後のオブ】に関するお話の導入お喋りです。
この導入部分までは、比較的に明るいですが、次頁からの小説形式では、やっぱりほの暗いです。
皆様の想像されるオブとは表面的には違うかもしれませんが、きっと根本は想像通りのオブでしょう。
インが死んで、パチリとスイッチの切り変わったオブのその後の人生。
結婚して、子供が出来て、彼は一体どうなったのでしょう。
そんなお話です。
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inアウトのマナの中
イン『オブは女の人と婚姻の儀をした?』
オブ『はっ!?』
イン『した?』
オブ『し、ました』
イン『子供はできた?』
オブ『ぐ(ご、拷問か)』
イン『できた?』
オブ『で、きました』
イン『わぁ!何て名前!?どんな子?見たい!友達になりたいなー!』
ヴァイス『混沌としてるねぇ、あの二人』
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オブ『…』
イン『男の子?女の子?何て名前?』
オブ『…ふん』
イン『オブ、どうしたの?』
オブ『教えない』
イン『なんで?どうして?知りたい!オブの事教えてよ!』
オブ『…だって』
イン『オブの子供なら、きっと凄く格好良いよ!』
オブ『っだから嫌なんだよ!』
ヴァイス『まったく、凄い感情だねぇ』
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inウィズの酒場
アウト「ウィズ。ちょっと聞きたいんだけどさぁ」
ウィズ「なんだ」
アウト「オブの子供って女の子?男の子?何人?どんな感じの子?」
ウィズ「何故、そんな事を聞く」
アウト「インが知りたがっててさぁ。オブが教えてくれないって不機嫌なんだよ」
ウィズ「教えてもいいが…多分、店が荒れるぞ」
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※補足
はいじ「完全にオブを他人とみなし始めたウィズであった」
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イン『どうして?どうしてオブの事、教えてくれないの?』
オブ『…インは嫌じゃないの?俺が他の人と婚姻したり、子供を作ったりして』
イン『ちょっと嫌だけど…でも、嫌より知りたいんだ。だって、15歳より後のオブのこと、俺なにもしらないから』
オブ『あぁ!ず、ずるい!わかったよ!もう!』
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イン『オブの子供は、女の子1人男の子1人。これは』
オブ『(な、なに)』
イン『これは上手なやつだよ!村では皆、女の子男の子の順番でどっちも産んだ人には皆“上手ねぇ”って言ってた!』
オブ『は、はぁ』
イン『オブは上手に子供を作ったね!上手上手!』
ヴァイス『いつ見ても混沌としてるねぇ』
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アウト『インとオブは?これからお客さん増えるのにさぁ』
ヴァイス『僕は見たよ。インの一言がオブの理性を叩き斬る所をね』
アウト『はぁ!?』
ヴァイス『オブは子作りが上手に出来たんだねって、インがよしよししてあげた事から全ては始まったね』
アウト『……え、何ソレ。ホント、何話してるの』
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一繋がり後の二人
オブ『っていうか!インは、俺が首都に帰った後ビロウと何かなかったの?』
イン『ビロウ?何か?』
オブ『そう!二人で何したの!?何を話したの!?全部説明しろよ!』
イン『まだオブの家族の話が…』
オブ『交代!』
イン『うーん。俺、あんまり沢山は覚えてられないからなぁ』
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オブ『…まぁ、インが忘れてる位だから、どうせ大した事はなかったんだろうけどさ。なにせ、あの自惚れ性悪ビロウだし』
ヴァイス『あれぇ?インはキミの顔も忘れてたんじゃなかったっけ?』
オブ『ぐ…イン!無理やり思い出して!何も交流してない訳じゃないんだろ!?』
イン『えぇ…ビロウビロウ』
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イン『えっと、ビロウはオブの事を教えてくれて、甘い美味しいのをくれた。そして、』
——イン、お前。あんな根暗は忘れて、俺の所へ来いよ。俺が飼ってやる。良い暮らしをさせてやろう。
イン『そう!ビロウは俺を飼うって言ってた!ビロウはおかしいよなぁ!俺はピーちゃんじゃないのにね!』
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オブ『…っはははは』
イン『ねー!おっかしいよね!きっとビロウはピーちゃんみたいなのが欲しかったんだろうね』
オブ『はははは』
イン『ビロウは優しかったし、オブと顔が似てたから、好きだったなー!』
オブ『…』
ヴァイス『キミが悪いんだから、怒っては駄目だよ?』
オブ『っクソクソクソ!』
ヴァイス『……まったく本体と同じで狭量だなぁ』
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※補足
はいじ『オブ、一億回目の首都帰還への後悔で頭を掻きむしる』
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アウト「なぁ、一つ気になるんだけどさ」
ウィズ「なんだ」
アウト「オブはインの事が、あんなに好きで…インが居なくて、どんな風に生きてたんだ?あ!嫌なら言わなくていい!」
ウィズ「アイツはもう俺ではないから…別にいい。オブは、そうだな。誰がどう見ても」
—-良き夫であり、良き父だった。
次頁より小説形式ターンに入ります!