長編お喋りシリーズ
(合間合間に小説が入ります)
外伝:オブの去った村にて
~ビロウの鳥かご~
——-前書き——–
此方は、前回の続き【インとビロウの交流】の後、ビロウがインを飼い、部屋で帝国へと戻る準備を進めている際の、二人の交流劇です。
(激注意!)
不器用傲慢捻くれ貴族×純粋平凡村人
すなわち、がっつり【ビロウ×イン】です。本編からすると、NTR要素がある内容になっておりますが、R18の描写はありません。
———————–
―籠の鳥時代のイン―
ビロウ「イン。ちゃんと勉強してるか」
イン「ビロウだ!」
ビロウ「見せてみろ、ったく。文字くらい早く覚えろ」
イン「じゃあ、ビロウが教えて」
ビロウ「甘えるな。自分で覚えろ」
イン「…ビロウが教えてくれたら、覚えられる」
ビロウ「はぁっ、少しだけだぞ」
イン「ふふ」
一言
はいじ「イン、ビロウの扱いを心得る。ビロウ、心得られたのを承知の上で、踊らされる」
〇
イン『ビロウ。今日は来ないのかなぁ』
ビロウ『(ったく、全然集中してねぇな)』
イン『ビロウ何してるのかなぁ』
ビロウ『(早くやれ)』
イン『ビロウは、今日は、1日、お花を、つんで、あそび、ました』
ビロウ『馬鹿みたいな例文作ってないで真面目にやれ!』
イン『わあ!ビロウだ!』
一言
はいじ「顔を見せないだけで、実際には日に何度も部屋を見に来てるビロウ」
〇
ビロウ『おい、イン。そろそろ俺も見合い話が出て来る頃だ。嫌とか言うなよ』
アウト『うん。わかった!』
ビロウ『何を嬉しそうな顔をしてんだ。嫁を貰ってもお前の役割はこなしてもらうからな』
アウト『ふふ。ビロウは何でも話してくれるから嬉しい。ありがとう』
ビロウ『……そうかよ』
一言
はいじ「ビロウの床の世話も、インは既に上手にこなしているのでした。むしろ、ビロウにとっての”初めて”はインです」
〇
イン『その、すていぬ、は、くぅん、と、なきま、した……』
ビロウ『おい、続き』
イン『…………』
ビロウ『続き』
イン『…ビロウもいつか俺を捨てる?』
ビロウ『あ?』
イン『この犬も家族だったのに捨てられちゃった』
ビロウ『続き』
イン『ぐぅ……すぐに、かい、ぬし、がむかえに、きました…!良かったぁ!』
ビロウ『ったく』
〇
―ベッドの上―
ビロウ「イン。お前、痩せたか」
イン「へ?そうかな?」
ビロウ「薄い。軽くなった。ただ、アバラは浮いてない……となると」
イン「ここのごはん美味しいから、太ったかと思ったのになぁ」
ビロウ「(動かないせいで、筋肉が落ちたか。全体的に、柔らかくなったな)……っは。いいじゃないか。俺好みだ」
イン「っ褒められた!」
〇
―インの自殺を聞かされた既婚者オブ
in首都
オブ『(インが……自殺?嘘だ嘘だ嘘だ。俺が居なくなって、そのせいで?インが、自殺を?待て。落ち着け、確認しないと……直接、行って。理由なんていくらでも後付けできる。行かないと)』
―オブの来訪を予感するビロウ
ビロウ『(そろそろオブがちょっかいを掛けてくる頃だな。さぁ、イン。お前の覚悟を見せて貰うぞ)』
―ビロウが部屋に来るのを心待ちにするイン
イン『ビロウ、今日は何回来てくれるかなぁ。夜以外で、こないだは5回も来てくれたら、今日は6回だと嬉しいなぁ』
——補足——-
鳥かご時代。インがビロウに飼われ始めて半年くらいのひと悶着。この、鳥かご時代はビロウが14歳。イン15歳から開始した2年間程のお話です。ビロウは17歳直前の16歳で結婚する予定。
——-一言——-
はいじ「インの部屋に行く回数が徐々に増えるビロウ。ストレスが溜まったり、疲れたりすると、インの元に行くようになっていたようです」
次頁:オブとビロウのひと悶着(小説)