15:ふりんのキューピッド③

シリーズお喋りまとめ【ビロウ×イン】シリーズ

 

【ふりんのキューピッド】

~全員集合編~

 

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IFシリーズ

ビロウ×インの世界線。時代はほぼ現在時点へ。

無事に子供を産んだレスは、その後もインの酒場でバットとの逢瀬を続けていました。

 

アンダーが4歳になった頃、その綱渡りのような謎の4人の関係が、一気に崩れる時がくる。

 

◎簡易登場人物紹介◎

 

イン(24)

純粋天然主人公。

ビロウのペット(だとインは思っている)。

 

ビロウ(23)

元捻くれ貴族。

インの夫(だとビロウは思っている)。

 

バット(24)

レスの想い人。

レスの屋敷で働いていた平民。

 

レス(23)

バットの想い人。気が強い。

未だにアンダーにはどう接してよいか分からない。

 

アンダー(4)

インが好き。

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【事の始まり】

ビロウ『アンダー、今夜は本家の集まりだ。大人しくしてろよ』

アンダー『……いん、は?』

ビロウ『本家に行くっつてんだろうが』

アンダー『いん。いんに、あいたい、です』

 

 

ビロウ『……それはお前だけじゃねぇ。我慢しろ』

アンダー『いん、のとこ』

ビロウ『この時間に行っても、アイツはいねぇんだよ』

アンダー『いん。いんのとこ、いく』

 

たっ

 

ビロウ『あっ!おい!くそっ!言う事を聞きゃしねぇ……ったく仕方ねぇな(まぁ、夕方まで待ってやってもいいか)』

 

 

——-一言——-

はいじ「子供をダシに、やれやれ風でインに会いに行く口実を手に入れるビロウ」

 

 

 

【一方その頃、インの酒場】

 

バット『レス、君は本当に綺麗だ』

レス『ふふっ、貴方も素敵よ』

バット『あぁ、もうすぐ会える時間も終わる。君と居ると時間があっという間だよ』

レス『ふふ。あのね。今日はアイツが本家の集まりで居ないの。だから、いつもより長く居ても大丈夫なのよ』

 

 

バット『そうなのかい!嬉しいな!』

レス『驚かそうと思って秘密にしてたの』

バット『でも、マスターももうすぐ帰ってくるし』

レス『きっと、まだ居てもいいって言ってくれるわ』

 

 

バット『二人きりじゃなくなるな、と思ってね』

レス『それなら、今思い切り抱きしめて!』

バット『あぁ!口付けをしても?』

レス『もちろんよ!良いに決まってるわ』

 

 

———一言———

はいじ「あんまり洋画見ないけど、そういうハリウッドなイメージの二人です」

 

 

 

【一方その頃、イン】

イン『(あぁ、今日は買い物が多くて、少し時間がかかったな。荷物も重いし)あっ!お魚が安い!』

店主『おっ、インじゃないか!買ってくかい?……いや、凄い荷物だな』

イン『買います!』

店主『持てるのか?』

 

 

イン『持てます!その、真ん中のと、左上の大きいヤツをください!』

店主『本当に買うのか。取っておいてやるから、後でまた買いにきたらいいじゃないか』

イン『(めんどうくさい)いや、今、買ってきます!』

店主『(面倒なんだな)……落とさないようにな』

イン『はーい!(明日、ビロウとアンダーに食べさせてあげよう!)』

 

 

【インの酒場の前】

たったったった

 

アンダー『いん、いん』

ビロウ『アンダー、あんま慌てんな。転ぶぞ』

アンダー『……?』

ビロウ『おい、どうした』

アンダー『おとうさま。いん、います』

ビロウ『……本当だな。灯りが付いてる』

 

がちゃがちゃ

 

アンダー『……あかない』(ちら)

ビロウ『なんか、おかしいな。アンダー下がれ』

アンダー『いんは?』

ビロウ『さぁな。アンダー、そこをどけ(空き巣か、変態か)』

 

カチャリ(胸元にある銃を確認)

 

アンダー『……おとう、さま。こえ、が、します』

 

ぴと

 

ビロウ『声?インの声か?』

アンダー『わから、ない』

ビロウ『そうか』

 

ぴた

 

アンダー『でも。こえ、ふたつ、きこえる』

ビロウ『……二つ、だと?』

アンダー『あ、い、し、て、る』

ビロウ『……あ゛?』

アンダー『は、な、れ、た、く、な、い……むぅ。きこえ、ない』

ビロウ『はぁ。空き巣か、変態なら良かったが……しつこい虫だったか』

 

 

カチャリ(胸元から銃を出す)

 

 

ビロウ『イン。まったく……オブか?やっぱり、オブが忘れられなかったか。それとも、アイツが無理やり俺達の部屋に入りこんだか?どちらにせよ、オブ。お前はもう……』

アンダー『?』

ビロウ『アンダー、もういい。下がれ。これから、お前の母親についた悪い虫を殺す』

アンダー『はぁい』

 

ビロウ『(イン、今助けてやるよ。悪い虫から)この、俺が』

 

 

——–一言——–

はいじ「状況的には合っているのに、ビロウの脳内とは乖離する状況。言動が完全にやくざ」

 

 

 

【俺のモンに手ぇ出しやがって】

バット『今日が終わったら、また次まで君とは会えない。……俺は、どんどん欲張りになるな』

レス『バット……それは、私もよ』

バット『俺が、もっと金持ちで、貴族なら』

レス『そうしたら、きっと貴方は私の好きな貴方じゃなかったわ』

バット『……レス』

 

 

レス『私は、今の貴方だから愛したの。貴族だったら、なんて。そんな怖い事を言わないで。お願い。貴方は貴方のままでいて』

バット『わかったよ。ありがとう……レス。愛してる』

レス『私もよ』

バット『あぁっ、やっぱり、離れたくない!』

レス『ダメよ。バット。そろそろ、マスターが帰って……』

 

 

バンッ!

 

ビロウ『オイ!クソ野郎がっ!俺のモンに手ぇ出しやがって!死ぬ覚悟は出来てんだろうなっ!』

 

バット『っ!』

レス『きゃあっ!』

 

 

ビロウ『……え?』

 

 

——–一言——–

はいじ「思ってたんと違って、一番びっくりしているビロウ」

 

 

 

【重い、物凄く、重い】

イン『っはぁ、っはぁ……おもいっ!でも……あと少し!あと少しで店!あと少しで家!頑張れ!頑張るんだ俺!こんなの、ニアより軽い!アンダーより軽い!全然、かるいっ!もうっ、一気に走るっ!』

 

——-一言——–

はいじ「走れ、イン」

 

 

 

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少しだけ小説ターンに入ります