(外伝100):ふりんのキューピッド⑤【ビロウ×イン】

【いや、どうでもいいわ】

ビロウ『……そう言う事か』

レス『そういう事よ』

バット『そういう事です』

 

 

アンダー『いん、おおきい、だっこして』

イン『まって、ちょっとまって。大きい抱っこは、あとにしよう?』

アンダー『いやいやいやいや』

 

 

ビロウ『……アンダー、うるせぇ。我慢しろ』

アンダー『っうぅ、うえぇ』

イン『大きい抱っこだよ!さぁ!飛んでいけー!』

アンダー『ふー!』

 

 

バット『大きい抱っこって、高い高いの事だったんだ』

レス『……何アレ。楽しそうね』

ビロウ『ったく。お前が甘やかすから、アンダーがお前にばっか甘えんだよ。無視しろ、無視』

イン『可愛いからっ!無理!ほーら!大きい抱っこだよー!』

アンダー『ふー!』

 

 

ビロウ『で、だ。お前』

レス『何よ』

ビロウ『ソイツがお前の男ってワケか?』

バット『っ!』

 

 

レス『クズ。そんな言い方しないで。バットが私の夫よ。アンタじゃない』

バット『レッ、レス!』

 

 

アンダー『いん。ぐるぐる、ぐるぐる、して』

イン『ほーら!グルグルー!』

 

 

レス『いいわよ!?この際だから全部言ってやる!私、アンタの事を一度だって好きだった事なんてないわ!お役目で結婚しただけで、私!あんたみたいな貴族貴族した嫌味な男、大っ嫌い!私が好きなのはバットなの!』

バット『レスっ!』

ビロウ『へぇ、気が合うな。俺もだ。俺もお前みたいな、気の強ぇ、偉そうな癇癪持ちの貴族然とした女なんか、嫌いだよ』

 

 

レス『っ!クズ!クズ!マスター!コイツ本当にクズよ!貴方、コイツから離れた方がいいわ!』

バット『レス。言葉が汚いよ』

レス『無理!この男を表すのに、綺麗な言葉じゃ足りないの!マスター!もう、マスター!』

 

 

イン『き、気持ち悪い……』

アンダー『いん。もう、いいよ』

イン『……うん、そうさせて』

 

 

ビロウ『おい、イン。コッチに来い』

イン『あ……ハ。うん』

アンダー『ぎゅって、して』

イン『はいはい』

 

ビロウ『レス。お前がインに何と言おうと、インは俺から離れねぇよ』

レス『っな!』

ビロウ『おい、イン。いつもの此処に座れ』

イン『え?え?今、二人が居るよ?(っていうか!レスさんが居るのに!?)』

ビロウ『いい。早く』

イン『……ハ、うん』

 

 

バット『う、うわぁ(マスターが、あの人の足の間で囲われてる、その腕に子供が居ると……まるで)』

レス『悪趣味!悪趣味!マスター!嫌なら嫌って言っていいのよ!私が許すわ!何かあっても、うちの実家が守るように言ってあげるからっ!だから――』

 

 

ビロウ『イン。お前、俺にこうされるのが嫌だったのか?そりゃあ、知らなかったな』

イン『えっと、その』

ビロウ『(顔が赤けぇな……すげぇ可愛い。さすが、俺の妻だ)ほら、イン。あの癇癪女に言ってやれ。お前の気持ちをそのまま。俺が、許す』

アンダー『……ね、むい』

 

イン『……えっと、あの。い、嫌じゃ、ないです』

レス『マ、マスター。貴方……えっ、本気?だとしたら、趣味、物凄く悪いわよ?』

ビロウ『マジで、テメェは可愛くねぇな』

レス『アンタは、心底カスよ』

 

 

アンダー『……ぃん。とん、とん。して』

イン『はいはい。とん、とん』

ビロウ『……』

イン『ふふ』

 

 

レス『(あの男が、マスターを撫でてる?あの、クズが?あんな顔もするの?え?分からない分からない!)』

バット『なんだか……この3人って家族みたいだ』

レス『……バット、何を』

バット『だって、見てよ。レス。確かに、そう見えるよ』

 

 

ビロウ『……みたい、じゃねぇ。俺達は家族だ』

レス『!!』

ビロウ『お前らがどこでどうしようと、どうでもいい。まぁ、他所でガキを作られると、ちと面倒だが……俺はもうお前らに関して、何も言わねぇよ。つーか、今までも何も言わなかっただろうが』

 

 

レス『……アンタ、まさか本気で。マスターを』

ビロウ『……本気で、なんだ?』

 

——-本気で、愛しているの?

レス『(私ったら、おかしい。愛する事に、本気以外の何があるのよ)……何でもないわ』

 

 

ビロウ『レス。お前もいっぱしの貴族なら、貴族らしい振る舞いで、勝手にしろ。俺はこれまでも、これからも……何もいわねぇよ』

レス『……ふん。じゃあ、勝手にするわ』

 

 

イン『……すぅ』

アンダー『すぴすぴすぴ』

 

 

レス『アンダーったら。私が触れると固まっちゃうのに。マスターだと、こんなに甘えるのね。マスターも……子供みたいに寝ちゃって』

ビロウ『そりゃあそうだ。アンダーの母親は、インだ』

レス『……そ。まぁ、マスターなら……分かるわ』

 

———母親!?いいの!?俺!この子育てたい!

 

レス『……本当になったわね。マスター』

ビロウ『おい、インに触んな』

レス『……気持ち悪い男ね。バット!行きましょ!好きにしていいって!』

バット『あぁ、そうだね』

 

 

ビロウ『さっさと出て行け。ここは、俺の家だ』

バット『……失礼しました』

ビロウ『へぇ(思いの外、立ち居振る舞いがしっかりしてんじゃねぇか)』

 

 

ガチャリ

 

ビロウ『やっと静かになったぜ』

 

アンダー『すぴすぴすぴすぴ』

イン『すぅ』

 

——–あいしてる

——–はなれたくない

 

ビロウ『……はぁーっ』

 

イン『……むぅ。びろう』

ビロウ『(あぁ、此処に居たのが、オブじゃなくて。本当に)……良かった』

 

 

 

【ふりんのキューピッド】おわり!

——–一言———

はいじ「あの場所に居たのが、インの招き入れたオブじゃなくて、本当に良かったと。内心、グッタリする程ホッとするビロウであった」

 

 

【後日談】

その後、レスとバットは晴れて日の下を二人で歩けるようになりました。

しかし、二人共、インの店が落ち着くのか、以前よりも高頻度で、インの店へと訪れるようになったという。

 

 

ビロウ『いや、なんで居んだよ!?お前ら!もう、此処じゃなくてもいいだろうがっ!』

レス『私は客なのよ!?黙ってなさいよ!』

バット『ええ。客としてきました』

 

 

オブ『……イン。今日のお勧めは?』

ビロウ『お前も出て行け!?オブっ!』

オブ『……イン?』

 

イン『貴族ばっかりだなぁ』

 

 

 

 

 

おわり!

——-以下、通常お喋り——–

 

 

【イン、誰が来たかもう一度言ってみろ】

イン(21)、ビロウ(20)、アンダー(1)

 

ビロウ『おい、イン。来たぞ』

イン『わーっ!アンダー!』

ビロウ『オイ、イン。此処には誰が来たんだ?やり直せ』

イン『っは!はい!』

ビロウ『…』

イン『(じっ)』

ビロウ『(俺からやれってか)……おい、イン。来たぞ』

イン『わーっ!ビロウー!』

 

 

——–一言——-

はいじ「とんだ茶番。ビロウにとっては重要」

 

 

 

【ふふん、俺はビロウのペットなんだ!】

—-ビロウシリーズ

イン、決断の時。直後。

 

カラン

イン『いらっしゃいませ!』

オブ『イン』

イン『…オブ』

オブ『あの、客として、来たよ』

イン『約束思い出した?』

オブ『っご、ごめん』

イン『もういいよ』

オブ『イン!ごめん、本当に!時間をかけて償うから』

イン『もう叶ったからいいよ』

 

 

 

オブ『え』

イン『ほら、仲直りしよう。俺はオブに会う為にここまで来たんだ』

オブ『ッイン!』

イン『触るのはダメ!俺はビロウのペットなんだから!』

オブ『っぺ、ぺっと!?』

イン『そうだよ!ふふん』

オブ『っ何で、そんな得意気なの!?』

イン『ふふん!』

オブ『(っクソ、ビロウの奴!)』

 

 

 

———一言———

はいじ『この日から、オブは煮え湯を飲まされた屈辱を、表情から一切消し、虎視眈々とインを絆す日々に専念します。一旦この後、ビロウの屋敷に怒鳴り込みましたよね。イン的にはビロウのペットというのは、非常に誇りなのでした。それ故の!ビロウとの相性のよさ!』

 

 

【ぼくも、おとうさまと、おんなじ。いんのほうが、かわいいって、おもうよ】

アンダー『いんは、おとうさまと、いつから、なかよし?』

イン『いつだったかなぁ…アンダー位の頃だったかな?』

ビロウ『(ちげぇだろ)』

アンダー『おとうさまは、ちいさいときから、いんがすき?』

ビロウ『あ?んなモン』

イン『お父さんはね、俺の妹が好きだったんだよ?』

ビロウ『っな!』

 

 

アンダー『ふうん』

イン『俺の妹ね、ニアって言うんだけど、すごく可愛かったんだよ?ビロウはいっつもニアに会いに来てたよね?』

ビロウ『くっ(確かに最初はニア目当てだったが)』

アンダー『にあ?にあ、どこ?』

イン『遠くだよー』

ビロウ『(でも後半はほぼお前と会ってたじゃねぇか!?)』

 

 

イン『お父さんは優しくてね、いつも、ニアに上げる為のお菓子を、俺にくれてたんだよ!』

アンダー『…おかし』

ビロウ『(もう、後半はお前に持って行ってたんだよ!?わかんだろ!普通!)』

イン『うちは貧乏だったからビロウがくれるお菓子、本当に嬉しかったなあ。ニアの分取って悪かったなぁ』

 

 

アンダー『おとうさま』

ビロウ『……なんだ』

アンダー『いんと、にあは、どちらが、かわいいですか』

ビロウ『っ』

イン『アンダー?ニアに決まってるでしょう?俺は男だから、かわいくな』

ビロウ『インだ』

イン『へ』

ビロウ『お前は、可愛いだろ。ニアよりな』

イン『っへ!?えっ!えぇえ!?』

 

 

——–ふたこと、みこと——-

はいじ『この後、ビロウが引くくらい、インは驚きが長引く。ベットの中でも、ピロートーク中も。次の日の朝ご飯中も。実はビロウから面と向かって褒められた事が、インはほぼ無いのでした。なので、照れるとかより、ともかく驚愕しっぱなし。最終的にコレ』

 

イン『可愛いって……なんだっけ?』

ビロウ『まだいうかっ!?』

 

 

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