なんて贅沢な奴なんだ
アンダー『いん、だっこ、して』
ビロウ『…』
オブ『…』
イン『今、お店の洗い物してるからちょっと待ってねー!』
アンダー『ん』
たっ
アンダー『するー、だっこ、して』
ザン『…』
スルー『お?抱っこか?いいぞー!ほーら!』
アンダー『いいこ、して』
ザン『…』
スルー『良い子良い子!』
アンダー『いんのとこ、いっしょ、にいこ』
スルー『ああ!インの所に一緒に行こう!』
アンダー『いん、するーときたよ』
イン『ああ、良かったね!』
アンダー『いん、だっこして』
イン『いいよー』
アンダー『するー、おうた、うたって』
スルー『いいぞ!』
ビロウ『…』
オブ『…』
ザン『…』
体は柔らかい方が……
スルー『ほーら!見ろー!俺は色んなポーズが取れるぞー!』
アンダー『ぼくも、やる』
ビロウ『ガキのアンダーはともかく、インの親父はスゲェな。マジで年齢詐称してんじゃねぇのか』
オブ『大道芸やりながらここまで来たらしいしな』
ザン『…』
スルー『これはどうだー!インお前もやれ!』
イン『わかったー!…っとと、アレ?』
スルー『イン?お前…出来ないのか?』
イン『そんなワケないよ…っうわ!』
ビロウ『っと。おい、何やってんだ。怪我するぞ』
イン『…う、うん』
オブ(っクソ)
スルー『イン、昔は出来てたのに…お前固くなったな。平衡感覚も悪くなったし』
イン『っ!』
スルー『俺なんか、まだこーんなに色んなポーズを、たーくさん、どんなに長い時間だって出来るのにー!』
イン『う』
スルー『都会に来てお前はガチガチになったんだー!体は柔らかい方がビローも喜ぶぞー!俺が色んな動きに耐えられるから昨晩はザンも大喜びさー!』
ザン『っ!』
オブ(頭を抱える)
イン『〜!俺だって昔は出来たんだ!練習すれば、お父さんより柔らかくなれる!だって俺はお父さんより若いから!』
スルー『俺は柔らかい年寄りー!ザンも大喜びー!ビローは悲しいなー!』
ザン『…』
ビロウ『いや、別に俺は』
イン『悔しいーー!俺もビロウを大喜びさせたいー!』
ビロウ『!?』
オブ(最高に頭を抱える)
アンダー『おとうさま、おお、よろこびー』
ビロウ、アンダー言う通りインの発言に既に大喜びしてます。
きっと、夜は張り切ることでしょう。ザンはもう何も言い訳できない。
スルーはインのおとうさま
アンダー『するーは、いんの、おとうさま、』
スルー『その通り!』
アンダー『うそ』
スルー『嘘なもんか!俺がインを作って育てたんだぞ!』
アンダー『いんに、おとうさま、なんて、いない、の!おとう、さまは、こども、にしか、いない、の!』
スルー『そうきたか』
アンダー『ぼく、あってる』
スルー『じゃあ、アンダー?お前にお爺ちゃんは居ないのか?』
アンダー『いる、よ』
スルー『ほらみろ。居るじゃないか』
アンダー『おじい、さまは、ぼくのおじいさま。ぼくの、こと、いちばん、すき』
スルー『その“おじいさま”は、アンダーのお父さんかお母さんのお父さんだ』
アンダー『……』
アンダー『するー、へんな、こといってる』
スルー『ぐぬぬ…なら!そのお爺様の所に行って、直接本人に聞いてみるか?』
アンダー『いいよ。おじい、さまの、とこ、いこ』
スルー『よし!そうとなば今から行こう。アンダー、案内するんだ』
アンダー『するー、だっこ』
スルー『よしきた!行くぞ!』
〇
ビロウ『……ふぅー(アンダーの教育、本気で考えねぇとヤベェな。ありゃ)』
イン『どうしたの?ビロウ。疲れた?ベッドに行く?(しんぱい!)』
ビロウ『……(アンダーの教育)』
イン『ビロウ?』
ビロウ『っし、イン。一緒にベッドに行くぞ(後から考えっか!今は……)』
イン『えっ、えっ?あっ、うん。ふふ(まだ明るいけど……嬉しいな!)』
お爺様よりも
スルー『アンダーのお爺様はどんな人だ?』
アンダー『おじい、さまは、ぼくのこと、が、いちばんすきって、いう』
スルー『ふむふむ。他には?』
アンダー『なんでも、くれる。あれくさーも、おじい、さまが、くれた』
スルー『アレクサーって、アンダーのペットの?』
アンダー『ん。かわい』
スルー『何だか、アンダーのお爺様よりもアレクサーに会いたくなってきたな』
アンダー『ぼく、も』
スルー『じゃあ、お爺様はまた今度な!今日はアレクサーを見せてくれ!』
アンダー『いい、よ!いこ!』
エア『おっ、そこにいるのは……インと、アンダー!アンダーじゃないか!』
スルー『む?』
夕まぐれはビロ―の
エア『アンダー!ほら、お爺様だぞ!抱っこしてやろう!』
アンダー『おじい、さま。ぼくたち、いまから、あれくさー、のところにいきます』
エア『アレクサー?なんで今更?』
アンダー『スルーに、みせてあげます』
エア『…スルー?』
スルー『あぁ、お前がアンダーの”お爺様“だったか。夕まぐれ』
エア『お前…インじゃなくて、まさか』
スルー『ダンスは上手くなったか?まさか、まだ人の足を36回も踏んでるんじゃないだろうな?』
エア『スルーー!』
オブ『なんだ?』
ザン『エアと、』
スルー『ちょうどよかった!アレクサーの前にお前に聞きたい事があったんだ!』
ザン『スルー?』
エア『何だよ、急に。ってか、なんでお前がアンダーを抱っこしてるんだ!ほら、アンダー!こっちにおいで!』
アンダー『するーが、いい、です』
エア『ぐふっ』
スルー『なぁ、夕まぐれ。お前はビローの父親だよな?』
エア『…あー』
スルー『お前はビローの父親だよな!?』
エア『んだよ…そうだよ』
スルー『ほらな?アンダー。この人はお前のお父さんのお父さんだ』
エア『…何の話をしてる』
アンダー『…それは、まちがい』
スルー『まだ言うか!お爺様はお父様のお父様だ!』
アンダー『おじい、さまは!ぼくの、おじい、さま!』
エア『っ!か、かわいい!そうだ!俺はアンダーのお爺様だ!』
アンダー『ほら、ね』
スルー『ぐうう!おい!夕まぐれ!お前のせいで全然話が先に進まないじゃないか!』
だんだん
スルー『この世界にお父さんなしで生まれて来る子はいないんだ!こいつがお前のお父様の種を持ってるんだ!』
アンダー『たね?』
エア『おいっ!お前アンダーに何言ってんだ!?』
また舐めたな!?
アンダー『たねって、なあに?おはなの、たね?』
スルー『ちが』
エア『そうだ!お花の種とおなじだ!(アンダーに性教育はまだ早い!)』
スルー『……まぁ、お花でも何でもいいか。種が無いと花は咲かないだろ?それと同じで、アンダーの種はビローが、ビローの種はお前のお爺様が持ってるんだ!』
アンダー『…』
スルー『だから男は自分の持ってる種をぽーいぽーいってまくと、お花…つまり子供が出来るんだ!』
アンダー『たね。おじい、さまは、おとう、さまのたねを、もってる』
スルー『その通り!』
エア(ふくざつ)
アンダー『おとう、さまは、ぼくの、たねを、もってる』
スルー『そう!』
スルー『たから、男の子は種をまいてキレイなお花になるように一生懸命育てないといけないんだ!』
アンダー『ぼくも?ぼくも、たねある?』
スルー『大人になったら出来るぞ!アンダーにもな!』
エア(超ふくざつ)
アンダー『ぼくの、たねは、おとうさまが、もってる』
エア『どうした?アンダー』
アンダー『たね、みたい』
エア『は?』
アンダー『ぼくの、おはなの、たね、みたい』
スルー『そうか。まぁ人間ってやつは自分の出自を知りたくなるもんな』
アンダー『おとう、さまに、みせてもらう』
スルー『あぁ!それはいい!きっと今頃インに種まきしてる頃だろうし!』
アンダー『いん?』
エア『おいおいおいっ!?おいっ!黙れ!』
エア、スルーの口を塞ぐ
スルー『ふぐっ、はまへっ!』
エア『お前!?アンダーの情操教育を何だと思ってんだ!?』
スルー『ぺろ』
エア『うあああっ!きったねぇ!また俺の手を舐めやがった!』
スルー『ふう』
本能は何も教えちゃくれない!
スルー『ふぅ』
エア『ふぅじゃねぇよ!っきったねぇな!?毎度毎度俺の手を舐めやがっ…』
カチャ
ザン『お前はどうしても俺に殺されたいらしい』
オブ『父さん。ここでは人目につきます。殺るなら裏で』
エア『何なんだ!?この根暗親子が!何で俺はお前からも銃口向けられなきゃなんねーんだ!』
スルー『おぉっ!ヨ…ザン!今日はどうした?俺と遊びに来たか?』
ザン『スルー…そうだな。まずはこのクソを崖から突き落とさねばならん。その後、迎えに行こう』
スルー『まったく、また兄弟喧嘩か?おい、夕まぐれ。もう、ザンのかなりやに手を出すんじゃない!』
エア『…っ出してねーよ!?』
アンダー『するー』
とんとん
スルー『ん?』
アンダー『たね、みなきゃ』
ザン・オブ『種?』
エア『っそうだ!コイツ!無垢なアンダーにとんでもないモン見せようとしてんだよ!?』
ザン『スルー?』
スルー『あぁ!アンダーの勉強の為に、今からビロウとインの種まきを見せてやろうと思ってな!』
ザン『っ!???』
オブ『種まき?』
スルー『そうだ!ちょうど今頃、びろーがインに種まきをしてる頃だろうからな』
オブ『……は?』
エア『おいっ!このバカを止めろ!?アンダーが心に傷を負うだろうが!?』
スルー『何に傷つくというんだ!自分の出自を知りたいと思うのは普通の事だろう?』
※注釈
スルーは子供の頃、父親からそういった事を学ばずに大人になって苦労したので、本当に良かれと思って言ってます。インの時は、妻のヴィアが『雄なんだから本能でわかるわよ!』と笑って言うもんだから放置した結果14歳まで子供は流れ星が運んで来るとか信じていたので『ダメじゃん!』となったのでした。
(Twitterに続く)