23:スルーの性教育編②

ヨルの回想

 

———-

——-

—-

 

 

スルー『ヨルヨルヨルヨルヨール!!』

ヨル『スルー、そんなに連呼せずとも聞こえて……っ』

スルー『咲いた!咲いたぞ!たくさん!ヨルのくれた種が!こんなに黄色の花になった!』

 

スルー、ひまわりの花束を両手いっぱいに抱えてやってくる。

 

ヨル(あぁ……やはり)

スルー『今朝、一気に咲いたんだ!すぐにヨルに見せたかったけど、驚かせたくて黙ってた!』

ヨル(この花は、スルーによく似合っているな)

スルー『ヨル!やっぱりヨルのくれた赤ちゃん種だったから、ヨルそっくりの花になったな!』

ヨル『……何を言う。この花は俺には似てもにつかない』

 

 

スルー『なんでだ?俺はこの花を見たらヨルと一緒に居る時くらい、同じくらい嬉しくなったんだ。それは、このお花がヨルと似ているからだと思うんだが……ふふ、可愛い可愛い!』

ヨル『……スルー、そんな事を言うのはお前くらいなものだ』

スルー『そうか……俺だけか!それは、それで素晴らしい!俺だけのヨルという事だろう!あははっ!』

 

 

ヨル「……はぁっ(夜なのに、お前が居るだけで明るい……心地が良い)」

スルー『ほら!約束通り、お返しの花束だ!根っこから取って来たから、また植えればヨルの家もお花畑になる!また、明日も咲いたら、また持ってくるぞ!』

ヨル『……なぁ。スルー、この花はな……枯れてからも大事な仕事が待っている』

スルー『お花なのにか!?枯れてからも仕事があるなんて……働き者だな!』

 

 

ヨル『ふふっ、そうだな』

スルー『なぁ、このお花には、この後どんな仕事があるんだ?俺は何をしたらいい?』

ヨル『……枯れると、この真ん中の部分から大量の種が出来る。一つの花から、大量に取れる。だから、次の年にはより多くの花を植える事が出来るようになるんだ』

 

 

スルー『一つから、たくさん……そしたら、毎年、毎年、毎年。種を取って撒き続けたら……世界がお花畑になるんじゃないか?』

ヨル『あぁ。そうかもな』

スルー『すっ!凄いじゃないか!それは!素敵だ!』

ヨル『そうだろう……だから、』

 

 

スルー『だから?』

ヨル『残りの花は、お前が育て続けてくれ。枯れたら種を取り……まずは、この村を花畑にしたらいいんじゃないか』

スルー『っ!!!いいな!それはいい!』

ヨル『だから、俺は今日のこの花束だけで十分だ。俺も、この花から取れた種で俺の周りを花で埋め尽くそう(お前のような、この花で)』

 

 

スルー『うん!うんっ!そうしよう!そして、最後は世界をお花畑にして埋め尽くそう!』

ヨル『まったく……途方もない計画だ』

スルー『楽しみだなぁっ!』

ヨル『あぁ、そうだな』

 

 

—–

———

————-

 

スルー、きた

 

ザン(……なんて事もあったな。懐かしい)

 

エア『おいっ!ザン!スルーの奴どうすんだ!?何かあったら、テメェが止めろよな!?アイツはお前の愛玩動物だろうが!』

ザン『……お前はどうしてそう、』

 

カチャ

 

ザン『……俺の腹の虫の居所を悪くする天才なんだろうな?』

エア『テメェこそ、なんでそういちいち兄貴に銃口を向けてんじゃねぇよ!?いい加減にしねぇと、そろそろ俺もっ……』

 

 

アンダー『おじい、さま』

エア『っ!アンダー!すまなかった!怖かったな?お爺様は怖くない、優しいお爺様だぞ?』

ザン『……吐きそうだ』

エア『あ゛ぁっ!?』

アンダー『おじい、さま』

 

くいくい

 

アンダー『するー、きた』

ザン『っ!』

エア『スルー!』

 

オブ『……ビロウ』

 

 

お爺ちゃんとは思えない走り

 

スルー『こいこいこいこいっ!』

ビロウ『っ一体何なんだよっ!?アンタ!まだ服もまもとに着れてねぇってのに!インも起きて隣に俺が居なかったら不安になるだろうがっ!?おいっ!』

スルー『大丈夫だ!あの寝方をしている時のインは、踏んでも蹴っても、おんぶして走り回っても起きんっ!俺が夜中におんぶしてヨルの所に走って行っても、一瞬も起きなかった!』

 

 

 

ビロウ『は?夜中に夜?なんのこった!おいっ!?』

スルー『お前にはまず、父親としての役割を果たしてもらう!アンダーにまずは赤ちゃんの作り方の、ちょっとを教えてやらんといかんからな!』

ビロウ『……一体なんの事だよ』

 

 

スルー『本当はアンダーに、お前とインの種蒔きを見せてやろうと思っていたんだがな』

ビロウ『……種ま……っは!?』

スルー『さすがに、最初は雄と雌の種蒔きから見せてった方が良いと思ってな。だから、ひとまず子供用の教材を使って、赤ちゃんの作り方を教えてやる事にした!』

 

 

ビロウ『おいおいおいおい……待て待て待て……待って!?』

スルー『走れ走れ!アンダーが待ちくたびれてしまう!』

ビロウ『俺に何をさせる気だ!?俺の子に、一体何を教え込む気だ!?足をっ!一旦、足を止めてくださいませんか!?お義父さんっ!?』

 

 

スルー『ビローには、アンダーの前で種を出して貰う!』

ビロウ『ぶはっ!おいっ!?そりゃあ、どういう……っうおっ!!』

スルー『行くぞ―――!!』

ビロウ『待てっ!?頼むからっ!服を……せめて、ベルトをきちんとさせてくれ!!ズレてるっ!下がっ!落ちて来てるっつーの!』

スルー『お前のオスは立派だった!見せつけてやれ!』

 

ビロウ『あぁあぁっ!』

 

 

——-

その頃のイン

 

イン『くふう……』

 

爆睡!

——–

 

ビロウ、疲労、そして種

 

ダダダダダダダ!

 

スルー『おーい!帰って来たぞ!アンダー!』

アンダー『するー!』

ビロウ『っはぁっはぁ……はぁぁっ』

 

エア(……ビロウ、ありゃ完全にさっきまでヤってたな)

ザン(スルー、もうエアのせがれとは手を離してもいいだろう)

 

 

ビロウ『っはぁ、っはぁ……』

オブ『……お前、なんて格好をしている』

ビロウ『俺だってなぁっ!?好きでこんな格好してんじゃねぇよ!?ズボンが落ちなかっただけ大したもんだろうがっ!?』

 

 

オブ『見苦しい……』ふいっ

ビロウ『っは……あーあ。さっきまでインと天国だったってのによ。なんでテメェの顔なんざ見なきゃなんねぇんだよ』

オブ『っく(やっぱり、今までコイツは……インと)』

ビロウ『っふ……ヨかったぜぇ。もう二回戦目に入る所だったからなぁ?……って、うおっ!?』

 

 

スルー『おいっ!ビロー!何をオブと遊んでいるんだ!早くお前は、アンダーに種を見せてやれ!俺が教えた通りにやるんだぞ!』

 

エア『っ!スル―が、』

ザン『教えた、通り……だと?』

 

 

ビロウ『……っくそ、うちの教育方針がめちゃくちゃだぜ』

スルー『こういうのは、早い方が良いんだ!遅くなると、インみたいになる!お前も、アンダーと寝ずに夜の流れ星を待つ羽目になるぞ!』

オブ『……イン』

ビロウ『その話……いつ聞いてもたまんねぇな。きっかけが、オブじゃなきゃぁな』

スルー『あぁ、たまらなく大変だ』

 

 

エア『おい……スルー。お前この往来で、ビロウに何をさせる気だ……』

スルー『だから!種を出させると何度言えばわかる!』

ザン『……教えた、というのは』

スルー『俺がどうすればいいのか教えた!何かあったら、俺が隣で手伝ってやる!』

ザン『!!!!???(手伝う!?)』

 

 

スルー『ほら!行け!お父さん!』

ビロウ『……あいあい』

 

 

アンダー『おとう、さま。ぼくの、たね、もってきて、くれ、ましたか』

ビロウ『……あぁ、持って来た』

アンダー『!!!』

ビロウ『ほらよ』

アンダー『わ、あ!』

 

 

続く