—旅の途中(終盤)
犬(北の大帝国都市ファンダルメン…寒すぎる。これ本当に昼?到着して一週間になるけど、一度もお日様を見てない)
初代「あー、クソ。なんだここ。寒ぃし暗ぇし。さっさと、神殿攻略して、こんな所おさらばするぞ。犬」
犬「はい(そうは言っても、雪であんまり進めてないし)」
初代「つっても雪のせいで、まともに先にも進めねぇし。マジでクソだな」
犬(陰キャの俺からすると、この曇天。結構好きなんだけどな。むしろ、真夏の青空の方が苦手だ)
初代「あー、畜生。力入んねぇ」
犬(でも初代様は俺と違って陽キャだから、太陽がないと元気が出ないんだろうな。可哀想に)
初代「早く攻略して、魔王城の結界解かねぇといけねぇのに。ねみぃ……つーか攻略出来んのかぁ?」
犬(初代様が不安がってる、珍しい)
ギャル「今日、ちょっとあったかい方だよねー!ラッキー」
ギャル「それ!こんななら、コートもいっこ薄手のでも良かったかもー」
初代「……マジかよ」
犬(うわ。あんなに太腿から足を出して……やっぱりギャルはどこの世界でも薄着なんだ。こわ)ジッ
初代「…」チラ
犬(でも、どうしてあんなに薄着なのに平気でいられるんだろう。もしかして、特別な素材の服なんだろうか。もしそうなら、初代様にあつらえて着せてあげたら少しはマシに)ジッ
初代「おい、犬」
犬「はい、初代様」
初代「お前、犬の分際でメスに反応してんじゃねぇよ…」
犬「え?(どうしたんだろう。初代様、いつもの覇気がない)」
初代「いいか?お前は俺の犬だからな。好き勝手に種が蒔けると思ったら承知しねぇぞ。ガキを作るのも、俺が許可してからだ。勝手は許さん」
犬「いや。俺…女の人は無理なので(ギャル怖いし)」
初代「あ”ぁ!?だったらナニか!テメェは男専用ってワケか!?」逆上
犬「えっ、えぇ!(初代様!どうしたんだろう!なんか闇落ちした人みたいな顔になって……!)」
初代「そういやテメェ言ってたな……初めて咥えたのも男だったんだろ!」
犬「あ、はい。そうです(彼との経験が色々と役だったな。彼には感謝しないと)」ケロ
初代「おい……ふざけんな。テメェ、女相手じゃなきゃ許されると思ってんじゃねぇだろうな……?」悲壮
犬「え、いや。そんな事は…(テンションが!初代様のテンションの躁と鬱が乱高下してる!)」
初代「まさか、お前…俺が聖王都に遣いに出した時。別の男とヤってきたんじゃねぇだろうな……」
犬「ヤってません!ヤってませんよ!っていうか!初代様!(日照時間が少ないせいで、初代様が陰キャみたいになってる!こ、こういう時は……!)」ぐいっ
初代「っ!なんだよ!急に」
犬「かっ、勝手をしてすみません!今日は神殿攻略は止めて俺と引きこもってください!(じゃないと、初代様が闇落ちする!)」
初代「はぁっ!?何言ってやがる!さっさと攻略してねぇと……!」
犬「お願いします!温かい場所で、温かい飲み物を飲んで、温かくして一緒に過ごしてください!」必死!
初代「っ!」
犬「今日は俺が宿屋の台所を借りてごはんを作ります!なので……今日だけは!」
初代「…へぇ、お前にしちゃあ上出来な誘い文句じゃねぇか。いいぜ、乗ってやるよ。覚悟しとけこ、このメス犬が」元気
犬「あ、ありがとうございます!」安堵
初代「おら、行くぞ!犬」
犬「はい!」タタタ
〇
ギャル女「え?ヤバくない?アレ。う、羨ましいんですけど」
ギャル女「ちょっ、人肌恋しくて急に寒くなってきたんですけど!」
ギャル女「生誕祭前だからって……この世の恋人たちの部屋の暖炉全部消えちゃえ!」
ギャル女「それだと余計くっ付くじゃーん!サイテー!」
初代様は、日照時間の少なさから元気を失い、色々な事に自信がなくなり、不安になって冬季鬱みたいになっていたようです。皆様もお気を付けください。
次の日
初代「あー、スッキリした。おし、今日は晴れてんな。よし、行くぞ犬!」
犬「はい!」
犬が一番強い