番外編7:十勝には教えない!(茂木×大豆←(?)十勝)

 

 

大豆「茂木くーん」

茂木「はい、何でしょう。大豆先輩」

十勝(茂木さんって今年の新卒だったのか……最初は先輩かと思ったけど…)

大豆「さっきの電話の件なんだけど」

茂木「それなら、俺が」

 

十勝(それにしても、大豆があんなに普通に喋れるなんて……珍しいな)

 

野田「どうしたの?十勝君」

 

野田「茂木君が気になる?」

十勝「いや、茂木さんって言うより、大豆が懐いてるなと思って」

野田「そうなのよ。最初はどうなる事かと思ったけどねぇ」

十勝「そうなんですか?」

野田「ほら、大豆君って……オドオドしたりしてるじゃない?だからやっぱ一部の人にはそれがイラっとしちゃうみたいで」

 

十勝「あぁ…(その分、懐いてくれると嬉しいんだよな)」

野田「茂木君も例に漏れず、ほんっとにイライラしてたみたいなんだけど……いつだったかなぁ。分かんないけど急に仲良くなったのよ。教育係に大豆君が付いてたから、慣れたって事なんだろうけど」

十勝「そうですか(俺以外にも、懐くのか)」

 

      〇

 

大豆「ねぇ、茂木君。昨日のキリバンの感想、ありがとう」コソ

茂木「こちらこそ、語彙が足りずに全てを伝えきれず(アレでこれから何回もイける)」コソ

 

十勝「あれは…」

野田「あれ?もういつもの事よ。二人共何か共通の趣味があるのか、いつも意味の分からない話を二人でしてるわね」

 

十勝「へぇ(大豆の趣味って…なんだろ)」ジッ

野田「ふふ。はい、十勝君。コレ大豆君に持って行ってくれる?」ス

十勝「…え」

野田「お願いできる?」にこ

十勝「…野田さん。ありがとうございます」

野田「また昔みたいになれるわよ」

十勝「……はい(これじゃあ、仲間外れにされた子供だな)」

 

大豆「茂木君、あのね。今日帰りに…」

茂木「分かりました。行きましょう(神が行く所へはどこへでもはせ参じます)」

 

大豆「あ、いや…えっと、茂木君の家に」

茂木「合鍵を作りましょう(神を阻む扉など無くしてしまわねば)」

大豆「へ?」

 

十勝「大豆」

 

大豆「あ、十勝」

茂木「…」スス

 

十勝「あ、大豆に渡すものがあるんだけど」

茂木「俺が受け取りましょう」

十勝「いや、そこ大豆居るし」

茂木「俺が受け取って、俺が大豆先輩に渡しましょう」

十勝「えぇ…」

 

野田(なんか、茂木君が十勝君を仲間に入れてあげないようにしてる…小学生みたい)

 

大豆「貰うよ、十勝」

茂木「!」

 

十勝「ほら」

大豆「ありがとう」

十勝「あのさ、」

大豆「ん?」

十勝「二人で何の話してたんだ?」

茂木「十勝さんには関係ないかと」ス

 

野田(十勝君頑張れー!大豆君助け船ー!)

 

十勝「いや、大豆と趣味の話とかした事なかったから気になって。俺も混ぜてくれよ」にこ

大豆「え、えと」オロ

 

十勝「大豆?(あれ、この顔…俺以外にしてたヤツじゃ)」

大豆「えっと、しゅ、しゅみは…(BLなんて言えない。どうしよう。どうしよう茂木君)」チラ

茂木「(神が困っている)読書です」

十勝「(なんで、茂木さんが答えるんだ)大豆?そうなのか?」

大豆「あ、う。う、うん」オロオロ

 

十勝「(なんで、大豆が俺にこんな顔を)どんなの読むんだ?」モヤ

茂木「もういいでしょう。仕事に戻りましょうよ。十勝さん」

十勝「趣味は共有できるヤツが多い方が楽しいだろ?」

茂木「個人で楽しむモノもありますよ(多い方が楽しいだと?この神は俺のモノだ。誰とも共有などするものか)」

 

野田(なんか凄い雰囲気になってきたんですけど…)

 

十勝「……大豆?俺には教えてくれない?(大豆はこの頼み方に弱い)」

大豆「あ、あ、えっと(BLはダメ!BLはダメ!絶対に引かれる。しかもあんなエッチな小説書いてるなんてバレたら、いくら十勝でも…)」

 

—–あー、趣味は人それぞれだもんな?うん。でもな、大豆?そろそろそう言うのは卒業して彼女でも作ったらどうだ?合コンとかしてやるから。うん、それがいい。

 

大豆(嫌だ!合コンなんて行きたくない!彼女なんかいらない!俺は一生BLを書いてキッコウさんにちやほやして貰うんだ!)承認欲求爆発!

 

大豆「秘密!言わない!」カッ

十勝「えっ!?(嘘だろ。大豆が、俺の頼みを……そんな)」

大豆「これ、受け取った!ありがとう十勝!」

茂木(っはははは!見たか!十勝!昨今BL界隈がいかにメディア露出しようとも!やはり参入障壁は高い!腐界を生きるには、お前は白過ぎる!)

十勝(大豆…)

 

茂木(それに、読むだけならまだしも、大豆先輩は書き手!しかもR18に関してはなかなかみないマニアックな作品を書かれる……そうなった場合、鎖国中の日本より入国は厳しいぞ!十勝!諦めろ!)

大豆「茂木君…」コソ

茂木「なんでしょう?(神の世界に入れる人間は俺だけでいい)」にこ

十勝「…」

 

大豆「今日ちょっと茂木君家に行かせて。相談したい事があるんだ」コソ

茂木「ええ、もちろんです」チラ

十勝「…大豆(たった二年離れただけで、嘘だろ。一体、どんな趣味なんだ。知りたい……)」

茂木(ハハハハ!当て馬を横目に見る攻めの気分は最高だな!)

十勝(大豆…昔のお前に戻ってくれ)

 

野田「十勝君。仲間外れになっちゃったわ……」

課長「…ここ小学校じゃないんだけどぉ」

 

 

BLの参入障壁の高さから、十勝あえなく入国拒否される。読むならまだしも書き手(描き手)はなかなか暴露できないのである!そして、茂木は茂木で、家で大豆に予想外の事を言われる。

 

 

大豆「親に言ったら……ルームシェアなんて絶対に上手くいかないから止めておきなさいって」

茂木「なにっ!?」

 

 

大豆君の家は過保護。というより、大豆がボケっとしてるので、親がそうならざるを得ない。