番外編16:初代様、時代逆行前の犬とそのパーティに嫉妬する(初代×犬)

 

 

—–魔王になり、やっと犬(時代逆行前の勇者時代)と再会した初代様。

 

 

犬「…(こ、これが最新作の闇落ちした初代勇者)」

 

初代「…(あぁ、犬だ)」ジッ

 

犬(魔王がめちゃくちゃコッチ見てくる。怖い。怖すぎる)ブル

ヒーラー「ねぇ、どうしたの?何か言う事ないの!魔王よ!」

犬「あ、うん」

 

初代(犬の癖に女なんかハベらせやがって)イラッ

 

アーチャー「そうだぜ!ここまで来たんだ!言いたい事言ってやれよ!」トン!

タンカー「大丈夫だ!俺達も居る!」ドン!

 

犬「そ、そうだな(叩き方が痛い…これだからパリピと体育会系は。てか!めちゃくちゃ睨まれてる気がするんですけど…!)」

 

初代(なんで俺以外のヤツと一緒に居やがる…つーか誰の許可を得て俺から離れた?)カチャ

 

犬「あれは、エクスカリバー!(やっぱり魔王が持ってた!だからどんなに頑張っても入手出来なかったんだ…)」

魔法使い「勇者、私怖い!」ギュ

犬(ギャルはすぐにボディタッチするぅっ!)

 

初代「っ!」

 

初代(…これは、俺が仕置いてやる必要があるみたいだな)スッ

 

犬「来る!みんな、それぞれ隊列を組め!覚悟しろ!魔王!(良し!噛まずに言えた!)」

初代(へぇ珍しいな。犬の癖に吠えてやがる!面白ぇ!まずは一発食らわせてやるよ)ダッ

 

犬「っえ?」

 

仲間達「っ勇者!」

 

犬(あ、れ?)

 

初代「まだまだ弱ぇな。犬(コイツも向こうで俺と一緒に強くなったって事か)」

 

犬「い゛っだ…っ、ぅぐっ(ま、また、お腹刺された!痛い痛い痛い痛い!)っふぅ」

 

初代(やっぱコイツ。酷くされると良い顔すんな…早く連れて帰って抱いてやんねぇと)

 

犬「っは、っは…(し、しぬ。ムリだ怖い)」

 

初代「…(良い顔だ。もうこのまま連れて帰っても…)」ムラッ

 

召喚師「勇者聞けっ!」

勇者「…っな、なに?」

 

初代「…(いや、コイツには向こうで俺に尽くすだけ尽くさせねぇと。でなきゃ意味がない。今のコイツは“俺のツレ“じゃねぇからな)」ジッ

犬(な、なんで。魔王は攻撃してこないんだ?)

 

召喚師「時空転移!」

 

初代(犬、アッチの俺と旅して心底“俺のツレ“になって戻って来い。後少しなら待っててやる)

 

勇者(詠唱まんまだなぁっ!?)ひゅん!

 

勇者逆行!

 

初代「…ふーっ」

 

召喚師「お前ら!勇者が戻るまで持ちこたえるぞ!」

アーチャー「わかってるって!」

タンカー「任せろ!」

 

ヒーラー「回復は任せて!」

魔法使い「勇者!早く帰ってきて!」

 

初代「(コイツらが犬のパーティーか。なんか、ムカつく。ひとまず殺さねぇまでま、とことん痛め付けとくか)…ん?」

 

勇者「あ、れ?」パッ

召喚師「勇者!お前まだ転移してなかったのか!?」

勇者「え、えと。ウソ」ぱちぱち

 

初代(っは!その顔だよ!よく帰ってきた!思ったより早かったな“俺のツレ“!褒めてやるよ!)

 

勇者「…しょ、初代様?なにか、悲しい事が、ありましたか?」

 

初代「ふーー(やっと、終わった)」

 

からの本編最終話に続く!

逆行前。自分以外の仲間と一緒に居る犬に対し心底嫉妬する初代様でした

 

 

 

おまけ

 

召喚師「…どうする?」

アーチャー「いや、どうするもこうするも」

タンカー「魔王も勇者も消えちまったし」

ヒーラー「地元の皆に何て言えばいいのかしら」

魔法使い「っていうか、魔王イケメン過ぎでは!?」

 

残されたパーティーメンバーの苦悩足るや。魔王も倒せず勇者もおらず。どんまい