番外編11:大豆、書き手の苦悩(茂木×大豆)

 

 

ーーー茂木宅にて

 

かた、かた、か、た……

 

シン

 

大豆「……うぅ」

茂木(先程から大豆先輩…いや、豆乳さんが執筆で悩んでいらっしゃる)

大豆「また……また」

茂木「豆乳さん、どうされましたか?」

大豆「あ、キッコウさん」

茂木「何か執筆に関してお悩みですか?」

大豆「えっと……あの」

 

茂木「読者である俺では、豆乳さんのお役に立てる事は少ないかもしれませんが、話す事で何か変わるかもしれませんよ?」

大豆「…」俯く

茂木「ネタバレを気にしてくださっているんですか?」

大豆「ち、違うんだ。ただコレを言うと、キッコウさんは絶対に否定してくれるって分かってるから…だから」

 

茂木「だから俺に言っても意味ない、と?」

大豆「意味ないっていうか。キッコウさんは優しいから…ただの甘えになるなって」

茂木「豆乳さん。そんな悲しい事を言わないでください。いつものように気にせずに構って甘やかして欲しいと言って下さった方が俺は…(最高に興奮する)」

大豆「俺は…?」

 

茂木「最高に嬉しいですから(しかし、この甘えたいのを我慢する神の顔もイけるな)」

大豆「…でも」

茂木「…今日は甘えてくださいませんか?(こう言えば必ず神は俺の手の中に堕ちてくる)」

大豆「………聞いてくれる?」

茂木「もちろん(あぁっ!神は今日も俺の掌の上で健やかでいらっしゃる)」

 

大豆「……俺の書く話って全部同じに見えない?」

茂木「と、いいますと?」

大豆「だいたい俺の書く攻めは最初は受けに冷たいでしょう?」

茂木「まぁ、そうかもしれませんね」

大豆「そこから二人はちょっとずつ仲良くなっていって」

茂木「まぁ、そうですね」

大豆「途中、受けが攻めから離れて」

 

大豆「それで、攻めが受けの大切さに気付いて、最後には執着攻めになって溺愛で終わる」

茂木「素晴らしいじゃないですか!」

大豆「確かに、俺はそういうお話が好きだから。でも、どの話も全部同じ展開で、いつも同じ話だなって」

茂木「…豆乳さん」

大豆「…キッコウさん、正直に言って欲しいんだ」

 

大豆「キッコウさんも、俺の書く話って同じようなモノばっかりで。その…あ、飽きてこない?またかって思わない?」

茂木(神が今にも堕天しそうな表情を浮かべて俺に縋っている!ははっ!最高じゃないか!)

大豆「お願い。今は、キッコウさんじゃなくて、最初に会った頃の茂木君みたいに答えて」

 

茂木「では豆乳さん。ではなく、大豆先輩。正直に申し上げます」

大豆「は、はい。いんぎんぶれいでお願いします」

茂木「…それはもう言わないで下さい(今思い出すと無礼過ぎて吐きそうだ)」

大豆「じゃあ遠慮せずにお願いします」ゴク

茂木「では」

 

ドン!

 

茂木「それがいいんじゃないですか!」

 

 

大豆「へ?」

茂木「それがいいんです!ソコが貴方の書かれる話の”萌え“なんじゃないですか!俺は書き手ではありません!ただ、その手の悩みがクリエイターにとって陥りがちな苦悩である事は知っています!ただ、俺自身は書き手ではないので、その辺りの苦悩は全て度外視してお伝えしますよ!」

 

大豆「わ、わ」

茂木「読者は…貴方の書く“その“同じような話を求めているんです!真面目な書き手ほど、変化し続ける事を“成長”と捉え、読者もそれを求めていると思われがちですが!それは違います!誤解を恐れずに言えば…書き手は決して貴方だけではない!この世に書き手は星の数程居る!」

 

大豆「っ!」

茂木「読み手は!1人の書き手に多彩な変化や作品性の幅など求めない!他の作品は他の書き手が書いてくれます!俺たち読者が求めているのは、“豆乳さん”からしか得られない栄養素です!」

大豆「!!!」

茂木「それに!もう一つ言わせて頂きます!こちらをご覧ください!」

 

パッ!

 

大豆「??まろやか毎日の管理画面?」

茂木「そうです!アクセス数の推移を見てください!」

大豆「…?見方が、よくわからない」

茂木(神よ…貴方は本当に投稿の管理画面しか見られないのか……!)

大豆「PV数?アクセス数?ユニーク数?……どういうこと?」

茂木「細かい事は、もういいです」

 

茂木「ただ、一つ言えるのは……まろやか毎日の来訪者数はずっと右肩上がりだという事です」

大豆「えっ!?茂木君、そんなにずっと見てくれるのは嬉しいけど、仕事中にスマホばっかり見てるのが課長にバレたら怒られるよ……?」

茂木「いや、さすがの俺も1人でこんな数字は叩き出せません」

 

大豆「って事は?」

茂木「読んでくれている読者が、少しずつ増えているという事ですよ(貴方が投稿サイトにシレッと投稿するようになったからですが)」

大豆「えっ、えっ!」

 

茂木「読者は貴方からしか得られない栄養を求めてやって来ています。豆乳さん、貴方はそのままでいいんです。それに…」

大豆「それに?」

茂木「昨日書かれたお話も最高でしたよ」ニコリ

 

大豆「っ!!ほ、本当?あ、飽きてない?俺の話、いっつも同じだなって思ってつまんないって思わない?」

茂木「そんな事、思うワケがないじゃないですか(俺が一体何年貴方に囚われていると思っているんですか?何発貴方の言葉でヌいたと…)」自重

大豆「…キッコウさん。ありがとう。好きだ」ギュッ

 

茂木「はい、俺も好きですよ(あぁっ!はははっ!神が完全に俺に依存している。本当はアクセス数のデータは見せたくなかったが…代わりに得たモノは大きいっ!)」ギュッ!

大豆「キッコウさん」

茂木「はい。なんでしょうか」

大豆「俺はたくさんの中の書き手の一人だけど…」

茂木(俺には貴方しか居ない!)

 

大豆「こ、これからも。お、俺だけが出せる栄養素をキッコウさんにあげられるように頑張るよ」にこ

茂木「全力でその栄養素、頂きましょうっ!(フーーーーー。今日も俺は神の慈悲により生かされているっ!)」

 

 

 

〇おまけ〇

 

大豆「…キッコウさん、すき。すき。いつも構ってくれる。ありがとう」ぎゅううう

 

茂木「……ふむ(この感覚、有り体に言うと……)」

大豆「どうしたの?キッコウさん」ぎゅっ

茂木「体を動かした方が思考もスッキリすると聞いた事があります(セックスしたい)」

大豆「うん?」

 

茂木「ネタ合わせをして寝ましょうか」

大豆「!」

茂木「こないだ気になると言っていた体位何でしたっけ?」

大豆「駅弁!」にこ!

茂木「(こんな邪気のない顔で……まったく、最高だ)じゃあ、今日はそれで」

 

大豆「いいの!?俺、重いよ?持てる?」

茂木「楽勝です。最近、体力作りの為にジムに通ってますので」

大豆「すごい!じゃあ……よろしくお願いします」ぺこ

茂木「ええ。こちらこそ(次のR18は駅弁か…)」

 

 

何の為の体力作りなのかな?

 

 

《書き手あるある》

「あれ?また同じような展開。同じような受けと攻め…既視感」

 

 

 

 

茂木君!大豆君を励ましてくれてありがとう!書きながら自問自答してる気分だったよ!

短編を毎月を書くという目標を掲げているせいか、最近如実に現れてきたこの悩み。これからも、手を変え品を変え似たような話とCPを書いていきます。

 

茂木君の励ましの言葉は、これまで頂いた皆様からのコメントをもとに書きました。

あー、なんか大豆に代わりに悩ますの良いな…