番外編5:ヘマ!サンゴと再会!そして、(ヒスイ×ヘマ)

 

魔王城登城中!

 

 

 

ヒスイ「おいっ!ヘマ!付いて来てるか!?」タタ!

ヘマ「はーい!」タタ!

ヒスイ(ヘマのヤツ、全然バテてねぇな。ほんと、ヤってる時もそうだが、意外と体力あるし最高かよ!っし!このまま一気に…っ!)ピタ

 

タタタ!(追い越し)

 

ヘマ「あれ?イシ君?こっちじゃ…っ!」チラ

 

ヘマ「あーーっ!イシ君!」テテ!

ヒスイ(クソがっ!もう夜明けかよ!ダンジョン内に居るせいで全然夜明けに気付けなかった!)

ヘマ「ほんとだね!お城の中だと全然夜明けに気付けなかったね!」

ヒスイ(さすがに一晩で魔王城攻略は無理があったか)

ヘマ「うんうん!一晩じゃ難しかったねー!」

 

ヒスイ(…ヘマ。最近俺の考えてる事…よく当ててくれるようになったな。ふ、夫婦だからか?)

ヘマ「うんうん。イシ君の事はちゃんと分かってるよ!だって、オレはイシ君の奧さんだからね!」にこ

ヒスイ(っ!さすが俺の嫁だ。っし!なら登城は明日に持ち越しだ!ヘマ、今日はどっかに隠れて休め!)

 

ヘマ「うんうん?そうだよね、イシ君も早く呪いを解きたいよね!わかった!このまま出来るだけ進め!だね!」

ヒスイ(は!?おいおいおい!何言ってんだ!?ヘマ!俺の声は届いてねぇのかー!?)

ヘマ「聖なる翼よ!此処に舞い降りて。この者の鎖を断て!」

 

パァ

 

ヒスイ(これはっ!クソ!ヘマ!)

 

ヘマ「よし!これで軽くなったね!これからはイシ君はオレが抱っこして歩くよ!ふふ」

 

だっこ!

 

ヒスイ(ヘマ!頼むから俺の石化が解けるまでは安全な場所で隠れてくれよ!お前に何かあったら…)

ヘマ「ふふ。恥ずかしいから前向きに抱っこして?ダメだよ!イシ君はオレを見ながら進むんだよ!」

 

ヒスイ(あ”ーーー!可愛いなこの野郎!?動きてぇぇぇぇっ!)

ヘマ「行こう!モンスターが出たら逃げるから安心してね!」タタタ

ヒスイ(クソっ!マジで大丈夫かよ!ヘマ……!絶対怪我すんなよ!)

ヘマ「ちゅっ!ちゅっ!ふふ」

ヒスイ(あ“ーーーー!マジで何で俺は今、石なんだよ畜生が!!)

 

 

ーーーーー

ーーー

一方その頃

 

 

サンゴ「皆、大丈夫か?」

アーチャー「おうよ!楽勝だよな?皆!」

魔法使い「そうね。…でも何だか不気味。ずっと奥から呻き声みたいなのが聞こえる」

タンカー「魔王城だからな。何かスゲェモンスターが居るんじゃ…」

ヒーラー「サンゴ、怖いわ」

サンゴ「…ふう」

 

サンゴ「皆、ここからは今までとは違うダンジョンだと思おう。気を引き締めろ。……皆、必ず魔王を倒して全員で此処を出るぞ」

 

パーティ一同「おう!」

 

サンゴ(とうとう此処まで来た。後は魔王を倒すだけだ。そしたら俺は…英雄になれる。もう田舎者なんて誰にも言わせねぇ)

 

ーーーーサンゴー!

 

サンゴ(…はぁ、なんで今アイツの事なんか思い出すんだ。まさか、魔王を前に日和ってんのか?俺は…)

 

ーーーーサンゴー!

 

サンゴ「絶対にあんな村になんか戻らねぇからな…俺は」

 

魔法使い「サンゴ!ねぇ!」

アーチャー「おい!サンゴ!」

タンカー「サンゴ!あれ見ろ!」

 

サンゴ「は?何だ?」

 

ヘマ「わー!サンゴだ!それに皆も!久しぶり!」タタタ!

 

サンゴ「は!?ヘマ!」

アーチャー「ヘマだ。アイツ、まさか…」

タンカー「サンゴを追いかけて来たのか?」

魔法使い「怖。ここまで追いかけて来たの?」

ヒーラー「ねぇ、誰なの?」

アーチャー「あぁ、あれは…」

 

サンゴ「っ!ヘマ!」

 

ヘマ「っわわ!」ビクッ

サンゴ「お前、何で此処に居るんだよ。それに、何持ってんだよ」

ヘマ「あ、えっと…」後退り

 

ヒーラー(あんなサンゴ、初めて見る。いつもは凄く優しいのに)

魔法使い「お前の前任のヒーラーだよ」

ヒーラー「っへ?アレが?」

タンカー「そうだ。その…変わってるだろ?」

 

ヒーラー「変わってるっていうか…」

 

ヘマ「あ、あの。これは…」後退り

サンゴ「答えろ、ヘマ。お前はパーティーから外した筈だが?何で此処に居る」

ヘマ「あ、えっと。あの、ごめ。あの、」

サンゴ「はぁっ?ごめんじゃねぇだろ!お前、本当に俺の言う事聞いてねぇな!」ガンッ

 

ヒーラー「っ!」

 

アーチャー「あーあ。サンゴのヤツキレてる。普段は剣であんな事しねぇのにさ」

タンカー「大事にしてるからな」

魔法使い「仕方ないわよ。確かにヘマと話してるとイライラするもん」

 

ヒーラー(あの子が使えないから…私がパーティに入ったのね。それにしても、あの子。何を抱えてるのかしら)

 

サンゴ「せっかく最深部までもう少しだったのに!お前が居るとチームワークが乱れる……帰れ!」

ヘマ「!!」

サンゴ「お前は村で畑でも耕してた方がいい。一人でな」

ヘマ「や、やだ」

サンゴ「は?お前…今何て言った?」

ヘマ「い、いやだ!」

サンゴ「…ヘマタイト。お前、俺に逆らうのか?」

 

ヒーラー「サンゴ、怖い」

魔法使い「ヘマが居る時はいつもあぁだったわよ。アンタが来て平和だったのに」

アーチャー「あーぁ。士気下がるわ」

タンカー「サンゴ、これで精神が揺らがなければいいが」

 

サンゴ「帰れ!」

ヘマ「な、なんで?」

サンゴ「何でって…お前。いつまでも幼馴染だからって」

 

ヘマ「なんで!?なんで関係無いサンゴに帰れなんて言われなきゃならないの!俺はサンゴに会いに来たワケじゃないのに!」

サンゴ「は?」

ヘマ「わ、わかってる!オレはもうサンゴのパーティじゃない!知ってるよ!ほっといてよ!」

サンゴ「お前、何言って…」

ヘマ「オレはイシ君とパーティなの!」

 

サンゴ「イシ君?お前、その手に持ってるヤツ…まさか」

ヘマ「イシ君だよ!」

サンゴ「拾って来た、あの石かよ…。マジで?」

ヘマ「そうだよ!家族だから!」

サンゴ「ヤバい奴だって昔から思ってたけど。っはは。ほんとにヤバいヤツだったな、お前」

ヘマ「…っ!」

サンゴ「ほんと、気持ち悪ぃな」

 

ヘマ「気持ち悪くない…イシ君は気持ち悪くなんか…!」

サンゴ「誰がその石を気持ち悪いなんて言ったよ。俺は、お前の事を気持ち悪いっつったんだ。ヘマタイト」

ヘマ「!!」

サンゴ「もう俺に関わるな。俺はあの田舎の記憶ごと、お前も消したいんだ…」

ヘマ「…サンゴ」

サンゴ「さっさと帰れ」

 

ヘマ「サンゴは、オレが嫌い?」

サンゴ「嫌いだね。田舎も、ダサいのも、古臭いのも、全部嫌いだ。頼むから消えてくれ。俺は魔王を倒して新しく生きるんだ」

ヘマ「…そっか」

サンゴ「は?ヘマ。お前どこに…」

ヘマ「魔王様のところだよ。オレはサンゴと関係なく魔王様に会わなくちゃならないから」

 

ヘマ「オレは家族の為に行くよ。もう行くね。はいばい、サンゴ」

 

サンゴ「っ!」

 

 

ーーーーオレにもやっと家族が出来た! 早くキレイにしてあげたいから、もう行くね! ばいばい! サンゴ!

 

 

サンゴ「…ヘマ」

 

ヘマ「……大丈夫だよ、平気。オレにはイシ君が居るからね。ぐず」

ヒスイ(…ヘマ)

 

 

 

ヘマ、サンゴと再会するもサヨナラする!

 

【転生】の一郎もそうでしたが、思春期や、多感な時期というのは「恥ずかしい」という感情が、この世で一番の害悪になりえるのです。

サンゴは、田舎や古いモノ、変な幼馴染。それらを全部捨てたかったのでした。

 

 

魔王城の奥

??「うっ、うぇぇぇっ」