番外編6:気持ち悪いのは誰?(ヒスイ×ヘマ/←?サンゴ)

 

 

ヘマ「ぐず、イシ君。オレは気持ち悪いかな」スタスタ

ヒスイ(気持ち悪くねぇなんかねぇよ)

ヘマ「なになに?ちょっと気持ち悪い所もある?どっ、どんな所が?」

ヒスイ(いや言ってねぇから!何でここにきて謎にすれ違ってんだよ!)

ヘマ「うんうん。すぐにキスするところ?やっぱり嫌だった?」

 

ヒスイ(言ってねぇから!?)

ヘマ「…わかった。我慢するよ。イシ君には気持ち悪いって言われたくないもん」

ヒスイ(していいから!むしろしてくれっ!…つーか!)

 

サンゴ「…ヘマ。独り言やめろ。うるさい」スタスタ

 

ヒスイ(なんで、テメェが付いて来てんだよ!失せろ!)

ヘマ「…」スタスタ

 

ヘマ「イシ君、もうすぐ魔王様の所につくからね」スタスタ

ヒスイ(無視!ヘマ…、お前。サンゴの事あんなに好きだったのに)

 

サンゴ「だから!そんなモンに話しかけるな。変に思われるぞ!」

 

ヘマ「イシ君、呪いが無くなったら何がしたい?昼間も歩けるよ。そしたら、一緒にお昼寝が出来るね?」

 

ヒスイ(ヘマのヤツ、完全にシカトこいてやがる)

ヘマ「ふふ、お昼寝いいね」スタスタ

 

サンゴ「おい!ヘマ!なに無視してんだよ!」

ヒーラー「サンゴ。隊列が…」

アーチャー「そうだぞ。いつ敵が来るか分からねぇのに」

タンカー「やはり、サンゴの精神が乱れて…」

魔法使い「しっかりしてよ!」

 

サンゴ「悪い…でも、ヘマが一人で勝手に」

ヒーラー「あの子はパーティじゃないでしょう?何でサンゴが気にするの?」

サンゴ「そう、なんだが…見捨てるワケには。おいっ!ヘマ!」タタッ

ヒーラー「サンゴ!」

 

ヘマ「イシ君。あのね、オレ気持ち悪い所は直すから、嫌いにならないでね」

 

ヒスイ(ヘマ、俺はお前を嫌いになる事はねぇよ…絶対だ。でも…)

 

サンゴ「おいっ!ヘマ!お前帰れ!回復しかまともに出来ねぇお前に、この先のダンジョン攻略は無理だ!ここまで一人で来れたのも奇跡みたいなモンだぞ!」

 

ガシリ

 

ヘマ「…イシ君、今どのくらいかなぁ。もうすぐ夜だといいね」スリ

 

サンゴ「ヘマ!だからソレやめろって!気持ち悪ぃんだよ!」

ヘマ「…イシ君。イシ君」スリスリ

サンゴ「おいっ!ヘマ!ヘマ!こっち見ろ!」

 

ヒスイ(…)

 

 

—–今日ね!サンゴがオレの回復を褒めてくれたよ!やったー!

——今日はサンゴのケガを治したんだ!ふふ!ありがとうヘマ!だって!

—–今日からサンゴが狩りに行くんだって。オレも付いて行きたいな。ダメかなぁ?

 

 

ヘマ「イシ君。モンスターが出たら俺の攻撃魔法見てね。まだ見せた事ないもんね?だって全部イシ君が倒してくれるもんね」

ヒスイ(ヘマ。あんなに大好きだったサンゴを…お前はもう、欠片も見ようとしねぇんだな)

 

サンゴ「おいっ!ヘマ!いいのか!次無視したら、もう俺は二度とお前に話しかけねぇぞ!そんな石に話しかけたって、返事なんかしねぇんだからな!」ギュッ!

 

 

バッ!

 

 

ヘマ「よーし!行こう!魔王様に会おうね!」

タタタ!

 

サンゴ「っヘマ!」

ヒスイ(…俺も、あんな顔してたんだろうな)

 

ヒスイ(ヘマ、お前。マジで怖ぇよ。でも…)

 

ヘマ「気持ち悪い気持ち悪い!気持ち悪いって言う方が気持ち悪いんだよ!ねぇ、イシ君!」タッタッタ!

 

ヒスイ(お前、マジで最高だわーーー!見捨てられるヤツ見んの最高に楽しいわ!サンゴ!テメェも一回百年石になってみろ!ばぁぁぁか!)

 

 

———-

——-

 

 

サンゴ「ヘマが、俺を無視した」

ヒーラー「ちょっと!サンゴ!いい加減にしっかりして!隊列を崩した状態で魔王が現れたら!」

サンゴ「悪い…」

 

ヒーラー「分かってくれれば…」

サンゴ「…のは、ヘマだ」

ヒーラー「は?何を」

サンゴ「俺の事を無視した、ヘマが悪い」

 

ヒーラー「ちょっと!サンゴ!?」

サンゴ「俺は悪くない!俺は何も悪くない!悪くないのに、ヘマが無視するなんておかしい!何でヘマが俺を無視するんだよ!」

タンカー「落ち着け!サンゴ!一旦ここで休憩しよう!」

アーチャー「やっべぇな、コレ」

魔法使い「サンゴって精神弱弱だったのねぇ」

 

サンゴ「俺は先に行く。お前らは此処に居ろ」バッ!

ヒーラー「……サンゴ!待って!」

 

タタタ!

 

タンカー「っはぁ!これはいかん。追うぞ!」

ヒーラー「サンゴ、貴方、一体どうしちゃったの?」

アーチャー「ダメだこりゃ」

魔法使い「このタイプの男ってヤバイのよねぇ」

 

——–

—–

 

 

ヘマ「気持ち悪い、気持ち悪い」テテテ

ヒスイ(気分最高!)

 

??「っはぁ、っはぁ。ま。まて」フラ

 

ヘマ「え?」

ヒスイ(っ!この声は…!)

 

??「ここっ。ここがら、ざぎはっ、いがぜないっ…うぇぇっ!」ふら

 

ヘマ「わわ!気持ち悪いの!?」

ヒスイ(おいっ!ヘマ!逃げろ!コイツは…!)

 

 

—–うそ、だろ……?

 

 

ヒスイ(コイツは魔王の手下だ!ヘマ!コイツはお前じゃ絶対に敵わねぇ!逃げろ!)

ヘマ「うんうん?気持ち悪いって言う人は気持ち悪いけど、気持ち悪そうな人は放っておかない方が良いって?そうだね。イシ君。その通りだよ」

ヒスイ(ヘマ―――!?)

 

??「うぇっ」

 

 

【それぞれの状況】

・ヘマ、気持ち悪そうな人と出会う。

・ヒスイ、サンゴのザマァに胸のすく思いでハッピーだった所から、一気に転落する。

・サンゴ、元カノがずっと自分の事を好きだと勘違いしているイタイ彼氏みたいになる。

・気持ち悪そうな人は本当に気持ち悪そう。

 

つづく!