番外編7:ヘマに治せないモノはない!(ヒスイ×ヘマ/???×??)

 

 

 

ヘマが気持ちの悪そうな人に遭遇したよ!

 

 

ヘマ「あの、大丈夫ですか?」スス

 

ヒスイ(おい!ヘマ!なに話しかけてんだ!逃げろ!ソイツは見た目はそうでもねぇが、中身はヤベェんだ!俺が死ぬ程負けて、やっと一太刀あびせられた相手だぞ!それに、ソイツを倒しても本物の魔王は別に居る!)

 

魔王?「っえ、あ…(な、何だ。この子?勇者っぽくない…っ!)うぇっ!」

 

ヘマ「うんうん、大丈夫じゃないね。ずっと気持ち悪そう。どうしてこんなに気持ちわるいんだろう?」

ヒスイ(ヘマ!頼む!逃げてくれ!今のコイツなら逃げられる筈だ!)

ヘマ「オレ見た事ある。こんな人…どこで見たと思う?」

 

魔王?「え?あ、いや…」ヒク

ヘマ「ねぇ?知ってる?うーん、知らない?そうだよね?オレが見た事あるだけだからなぁ。うんうん」

魔王?(なんか、一人で話してる…こ、こわい。こういう人、クラスにもいた。一軍でも三軍でもない…ヤバい系。絶対に関わったら仲間扱いされてヤバいやつ!!)

 

ヘマ「そうだ!こういう時、ヒーラーは相手の話を聞かなきゃダメなんだよ!そう!ヒーラーにはこういうことわざがあってね!夜泣きの赤子にヒール甲斐無し!これはね、いくら上手にヒールをしても、相手に必要な回復魔法でなければ無意味だって意味だよ!凄く大事なことわざだから大事に覚えてる!」

魔王?(ずっと一人で勝手にしゃべってる……!怖い!!)ヒク

 

ヒスイ(ヘマの奴、いつもに増してテンションが高けぇ!久々に俺以外の奴と喋れて嬉しいんだろうが!相手を考えろ!ここは魔王城だ!ソイツはその辺の村人じゃねぇぞ!おい!ヘマーー!?)

ヘマ「教えて?どうして気持ち悪いの?もしかしたら、オレが治してあげられるかも!」

魔王?「…あ、あ、え」

 

ヘマ「あ、あ、え?……どういう事だろう。言葉が通じてないみたい。ごめんね。それじゃ分からないや…」

ヒスイ(っ!まさか、ヘマに“言葉が通じねぇ”なんて言われる奴が居るなんて…!信じられねぇ……じゃねぇよ!逃げろ!ヘマ!)

魔王?「あ、ちが…これ。っうぇぇっ!っふぅ、もうイヤだ…」

 

ヘマ「あぁ、泣いちゃった。……思い出したよ。これは、赤ちゃんがお腹に出来た時に女の人達がなってたのに似てる。つわりって言うの。赤ちゃんがお腹にきて、一ヶ月くらいすると気持ち悪くなるんだよね」

ヒスイ(ヘマ!ソイツ、ガッツリ男だからな!?男は妊娠出来ないって…まさか、知らないのか?)サワ

 

魔王?「っはぁ、っはぁ。うえぇっ(こんなの、もう、いやだ。産むのやめたい…でも初代様にそんなの言えない)」

 

ヘマ「あぁ、蹲っちゃった。苦しいね?かわいそう…。なんとかしなきゃ。つわり、つわりを…治す方法は…」

 

ヒスイ(おいおい…ヘマならあり得るぞ。今度ヤる時そういう設定でヤんのは最高なんじゃねぇのか?)

 

ヘマ「イシ君?少し待っててね。こういう時に人助けをしておくと、後々良い事が返ってくるかもしれないからね。それにヒーラーは回復するのが仕事だよ」

ヒスイ(っヘマ!お前の世界は優し過ぎる!恩っつーのは基本仇で返すモンだ!俺ならそうする!だから、そんな奴ほっとけ!俺以外に優しくすんな!)

 

魔王?「っはぁ、っはぁ(…この子、石に話しかけてる。やっぱりヤバめの電波!!このタイプはある意味陽キャより怖い……!逃げたい!気持ち悪い!妊娠やめたい!初代様に言いたい!でも、言えない!)うええっ!」

 

ヘマ「いくよ!大丈夫、何回もやった事あるからね!心配いらないよ!イシ君!」

 

ヒスイ(ヘマ!やめろ!詠唱中に攻撃されたらどうする!)

魔王?「(やっぱり石に話しかけてる。電波こわい…うっ)うぇぇっ!」

 

ヘマ「新たな生命を産み出す代償よ!その苦しみから解き放て!ヨーサンサプリ!」

 

パァァァ!

 

ヒスイ「っ!ヘマ!(声が!夜になったか!)」バッ

ヘマ「あ、イシ君!」

 

ヒスイ「ヘマ!お前なにやってんだ!コイツはヤベェ奴だぞ!」

ヘマ「え?やばい?」

ヒスイ「コイツは魔王の…」

 

ピリッ

 

???「……はぁ、やっぱりここだったか」

 

ヒスイ「っ!」

ヘマ「あれ?誰か来た」

 

???「つーか。おい、テメェら。何勝手に他人ん家で好き勝手やってんだ」

 

ヒスイ「う、あ(この声は……)」フル

ヘマ「うわぁ、なんか凄い人!」

ヒスイ「へま、に、逃げるぞ(……魔王だ)」

 

ヒスイ「は、はぁ。はぁ(絶対敵わねぇ。むりだ。むり)」

ヘマ「イシ君?大丈夫?もしかして、あの人が魔王様?」

ヒスイ「そんな、事は、どうでもいい……にげるぞ」

ヘマ「え、え?」

 

???「…おい、犬。お前、なんでこんな所に居る。出なくていいっつっただろうが」

犬「ぁ、あ……あれ?なん、で。あれ?えっ、なんで?えっ?あ……」

 

???「怪我は……してねぇな」

犬「あ、あ……」

???「あぁ?何か精神攻撃でも食らわせられたか。クソが。俺の犬に舐めたマネしやがって…」

犬「しょ、初代様。あ、あの。えっと……」

 

初代「あっちの剣士は…大した事ねぇな。だとすると…こっちの法術師か。確かに、纏ってるマナの量がヤベェな。…どうすっか」

犬「…あ、あ、あ、あの」

 

ヒスイ(っヤベェ!アイツ!完全にヘマの事見てやがる!)

ヘマ「…イシ君!あの人イシ君に似てて格好良いね!」にこ

ヒスイ「っヘマ!余計な事言うな!来い!」グイッ!

ヘマ「何で?魔王様なんでしょう?早くお願いしないと!」ピタ

ヒスイ「っ!話が通じる相手じゃねぇんだよ!(ビクともしねぇ!)」

 

犬「……しょ、しょだいさま」

初代「おい、犬。お前はその辺で寝てろ。これは命令だ。動くな。これからお前はソレが治るまで部屋から一歩も出るな。飯も作らなくていい。休め」

犬「い、え。あの…初代様。俺、今すごく」

初代「お前のつまんねー話は後でまとめて聞いてやる。黙って見てろ。アイツらは一瞬で終わらせてや…」

 

ヘマ「こんにちは!あ、間違いだった!そうそう!もう夜だもんね!こんばんは!」

初代「っは?(いつの間に俺の前に)」

 

ヒスイ「ヘマ!!(いつの間に……!)」

 

ヘマ「オレの名前はヘマタイトです。ヒーラーをしてます」

初代「……お前」

 

犬「え?ヘマ、タイト?」

 

ヘマ「今日は魔王様にお願いがあってきました。聞いてください!」

初代「……その前に、お前」

ヘマ「へ?」

初代「俺の犬に何をした?」

ヘマ「犬?犬が居るの?」

初代「…しらばっくれんな。アイツがあんなに動揺する精神攻撃なんてそうそうねぇ。テメェ、寿命を代償に何かしただろ?言え」

ヘマ「?」

 

初代「テメェは、どうせ明日死ぬ。死ぬ前に正直に言えば、テメェの仲間には手ぇ出さないでおいてやる」

 

ヒスイ「は?明日?」

犬「え?」

 

初代「言え。お前、犬に何をした。言わなきゃ、アイツもお前も殺す。脅しじゃねぇからな。さぁ、言え。俺の犬に、」

 

ヘマ「えっと、え?」

 

初代「何をした」

 

 

 

ナニコレ。

お喋りの癖に、完全に続きモノみたくなってしまった。