2023年バレンタイン記念お喋り
—-あー俺、板チョコを溶かしたモンがこの世で一番好きだわー
あられ(ってゴウキは言ってたけど…でも、オレもゴウキに高いチョコを渡したい。やっぱり俺もゴバディを買おう。千円あるし、小さい1箱くらいは買えるはず)
店員「いらっしゃいませー(あら、男の子だわ。女の子に渡すチョコかしら)」
あられ「…わあ、すごい。いっぱいチョコがある」
店員「何をお探しですか?」
あられ「好きな人にあげるチョコはどれですか?」
店員「あっ。好きな人?(かわいい…!中学生?え?小学生じゃないわよね?)」
あられ「どれが美味しいですか?」
店員「そうですね、全部美味しいけど」
あられ「あ!」
店員「え?」
あられ「これ!俺が貰ったヤツだ!」
店員「あぁ、バレンタインの新作ですよ?(もう貰ってるの?)」
あられ「これ、おいしかったです。ありがとうございました」ぺこ
店員(あっ、私が作ったみたいになってる……!)
あられ「うーん、同じのはさすがになぁ……ん?」
店員「え?」
あられ「えっ!」
店員「へ?」
あられ「こ、これ…この値段ですか!?」
店員「はい、そうですよ?」
あられ「さんぜんななひゃくえん!?」
店員「はい(あぁ…)」
あられ「あの!ろ、6個で?」
店員「そうですね(お小遣いじゃちょっと高いわよね…)」
あられ「ど、どうしよう」
あられ「オレ、千円しかなくて…」
店員「あぁ…一粒とか、二粒なら買えますよ?(あぁーー買ってあげたい!)」
あられ「…俺、他の子に勝ちたいから」
店員「…うっ」
あられ「だから、ゴバディが…良くて」
店員(ゴバディ…?)
あられ「…今日がバレンタインなのに。待ち合わせもうすぐなのに」
店員「あのね!他の子に勝つのに高いチョコは必ず必要じゃないのよ!ここに愛がある訳じゃないのよ!(私何言ってんのかしら!)」
あられ「…そうかな?」
店員「本当に好きな子から貰ったら、板チョコだって嬉しいんだからね!お花でもいいのよ!」
あられ「お花は全然いらないかな」すん
店員「(あっ、完全に男子だわ……!)えっと、じゃあその子は何が好きなの?」
あられ「えっと…好きなこと。エッチな事が大好きだよ!凄く!」
店員「(え?相手は女の子よね……?まぁ、この年頃だと男女関係なく好きよね。ソウイウこと)んーー」
あられ「あっ!これ!」
店員「へ?」
あられ「しょこりきさー?この飲み物なら俺でも買えそう!豪華だし!」
店員「そうね。でも溶けちゃうから長い時間持ち歩けないかも」
あられ「じゃあ、連れてきます!これ、なくならないようにとっておいてください!」ばっ!
店員「え、あ、はい(行っちゃった…もしかして連れて来るのかしら?)」
—–
—
あられ「来ました!」バッ
ゴウキ「えっ!は!?ゴディバ?(バレンタインだから特別な所に連れて行きたいって……ここかよ!?期待したじゃねぇか!)」
店員「あら(男の子!?しかもデカッ!高校生?)」
あられ「ゴウキ!バレンタインだから、この飲み物あげる!」
ゴウキ「え?金は?」
あられ「お年玉の残りの千円があるから!」ぴら
店員(くしゃくしゃの千円札…泣けてくるわ)
ゴウキ「あられ!俺はこの世で一番好きなのは板チョコを溶かしたヤツだって言ったろ?(それでチョコプレイするんだろ!?)」
店員(この子達ホントにお互いが好きなのね…)
あられ「…板チョコなんて」
あられ「他の子に負ける…」
ゴウキ「負けねぇから!値段に愛はねぇから!俺は板チョコとあられが居ればいいんだよ!」
あられ「ゴウキ…」
他の客≪ザワ…≫
店員(あぁ、完全に商売の邪魔されてるけど…尊い)
ゴウキ「あられ、今日一緒に居てくれたらそれでいいから」
あられ「…うん」
あられ「あの、ごめんなさい。とっててもらったのに、やっぱり買わなくてよくなりました」ぺこ
店員「(キープしてたワケじゃないけど…)いいのよ。素敵なバレンタインを過ごしてね」
あられ「うん!ありがとう」
ゴウキ「(ヤバ、めっちゃ人居るじゃねぇか)あられ、行くぞ」
あられ「あ、待って!」
あられ「このチョコレートは美味しかったです!これは買った方がいいです!」
他の客≪……≫
ゴウキ「おいおいおい!あられ、早く行くぞ!(俺がやったヤツじゃねぇか…スゲェ恥ずかしい)」ぐい
あられ「さよならー!」タタッ
他の客≪…尊い≫
店員「…一緒に居るだけでいい相手。欲しいわ」