2023年バレンタイン記念お喋り
—–再会した直後
犬「あの。初代様」
初代「あ?なんだ?」
犬「あの、こちらをどうぞ」
初代「なんだこりゃ」
犬「ちょ、チョコレートです」
初代「ンなもん見りゃ分かんだよ。何で急にチョコなんだよ。俺は用意しろなんて一言も言ってないが?」
犬「あ、あ。すみません。勝手な事を…」ヒク
初代「引っ込めてんじゃねぇ。このグズ。俺の言った意味わかるか?何で急にチョコを持ってきたのか、俺はその理由を聞いたんだ」
犬(ば、バレンタインの説明……この世界の人にどう伝えれば。そ、それにそのまま説明したら、絶対に気持ち悪がられる。ど、ど、どどうしよう)ソワ
初代「おい、言え」
犬「お、俺の故郷では、い、いつも、お世話に、なっている人に、チョコを渡す、陽キャの行事があって(じゃあ、何で陰キャの俺がこんな事を…)」ソワ
初代「…」ジ
犬「初代様?」
初代「その風習ってのは、本当に世話になってるヤツにチョコを渡す日なのか?あ?そりゃ確かか?」
犬「あ、えっと」
犬(な、なんだろう。この圧は…もしかして初代様はバレンタインデーを…知ってる?)
初代「おい、返事」
犬「は、はい!」
初代「だったら、このチョコはテメェが俺に世話になってるから渡しに来たって事でいいんだな?」
犬「あ、えっと、その(う、嘘は吐いてない。だって、そういう人も、居るし)」
初代「…なぁ、犬。俺は王様になって、色んなヤツから嘘を吐かれたぞ」
犬「…え?」
初代「俺に嘘は通用しねぇし。そしてなにより」
犬(初代様…)
初代「…俺に嘘を吐かないでくれ」
犬「っ!あ、あっ!あの!」
初代「なんだ?」ニヤ
犬「す、好きな人にチョコレートを渡す陽キャの行事です!」
初代「へぇぇ?そうか。好きな人に、か。おい、犬。お前、俺の事好きなのか?」
犬「ぅ、あ…」赤面!
初代「あ?おい、言ってみろよ(最高に良い顔だ)」
犬「っ、あ!は…は」真っ赤
初代「あ?返事は何て教えた?」
犬「は、はい!そうです!好きです!俺は初代様が好きです!大好きです!」吐露!
初代「…お、お。う」
犬「い、今までの、人生で、初代様と居る時間が!一番、た、楽しく!一緒に、居ると!う、うれしいです!」
初代「…ぅ」じわり
犬「な、なので!俺は初代様がずっと好きです!なので!陰キャの、お、俺でもチョコを用意…したくなって」チラ
初代「…」
犬(あ、れ?初代様…)
犬「初代様、大丈夫ですか。顔が赤いです。体調がすぐれませんか?」
初代「赤くねぇし!はぁ!?意味わかんねーわ!クソみてぇに顔赤ぇのはテメェだろうが!このグズ!つーか!好き好きキメェわ!」
犬「っ!あ!すみませんでした!調子に乗りました!もう、二度と言いませんので!」(土下座!)
初代「はぁ!?二度と言うなって誰が言ったんだよ!?勝手な事言ってんじゃねぇよ!言え!」真っ赤!
犬「え?(どうしよう…言えって言われても。キモイ……なら、言わない方が…)」
初代「おい!犬!テメェ!余計な事言ってねぇで!さっさと茶でも淹れろ!気が利かねぇな!テメェは!この駄犬が!」
犬「っは!はい!」タタ!
〇
初代「あー。あちぃな…クソ」
初代様。バレンタインデーは調査済。王様の経験もあるのでポーカーフェイスには自信があったのに予想以上にダメで自分で自分に吃驚する。犬は混乱すると本音が口から流れ出るタイプ。
内心「初代様、好きだ!」ってよく思ってる。