引き続き【初代様には仲間が居ない!】とのコラボです。知らなくてもノリとテンションで読めます。
≪人物紹介≫
初代:俺様初代勇者(からの魔王)
犬:従順な数代後の勇者(からの初代様の犬)
※俺様と従順って事だけ念頭に入れて読めば大丈夫です。
「つわり」が嫌過ぎて、犬が初代様に本音を吐露したよ!
犬「おれを、ごろじでぐだざいっ。おでには、もう、むりでずっ」
初代「お、おい。まて。お、お前、今まで…そんな事、一度も言わなかった、じゃねぇか」
—–え?に、妊娠?お、俺は男ですよ?
—–あ、はい。が、がんばり、ます
—–っはぁ。は、ぃ。がんば、り…うっうぇぇっ
初代「ずっと、頑張るっつってたじゃねぇか…何も文句も言わねぇで」
—–あ?返事は何て教えた?
—–口答えすんのか?オイ。
初代「…っ!」
犬「っう、うぅぅっ。ごめぇなざい」べそべそ
初代(俺が、はい以外言うなっつったんじゃねぇか)
〇
ヒスイ(マジかよ。あの手下、本当に妊娠してんのか?)
ヘマ「…かわいそう」
ヒスイ「なぁ、ヘマ」
ヘマ「イシ君、どうしたの?」
ヒスイ「アイツはマジで妊娠してんのか?男だぞ?」
ヘマ「うん、赤ちゃん居るよ」
ヒスイ「男なのに?」
ヘマ「男は妊娠しないの?」
ヒスイ「…フーー(俺がおかしいのか?)」
ヒスイ「(まぁ、良い。なんか魔王がヤったんだろ。あの魔王、あの手下にはクソ弱ぇみてぇだし。アイツを使うか)」
〇
犬「おでには、しょだいざまの、ちすじを、やどすには、にが、おもすぎまじだ…しんでおわびをじまず」土下座
初代「お、おい。何言ってんだ…」オロ
初代「そんな…つ、つわり位で、大袈裟な」
犬「っ!」バッ
初代「ぁ、いや。ちが…今のは」
犬「…ぁ、ぁ」(今まで信頼していた全てが崩れ去ったような目)
初代「い、今のは間違いだ。落ち着け」
ヒスイ「ヒデーー!マジでヒデーーわ!さすが魔王だわ!血も涙もねーーーわ!」
初代「あ”ぁ!?」
ヒスイ「なぁ、ヘマ!お前もそう思うよなァ!?(魔王のついでに…アイツも蹴落としとくか)」チラ
サンゴ「っ!(なっ、何だ?アイツ?ヘマ?)」
ヘマ「うん、さっきのはヒドかった!つわりは、辛い人は本当に辛いんだよ!」
ヒスイ「なァ!?だよなーー!ヘマ、コッチ来ーい!」
ヘマ「うん!」テテテ
ヒスイ「人の痛みも分からねーー!相手を傷付けて失ってから初めて気付くクソ野郎は、死んでもその性根は治らねぇよ!なぁ、ヘマ!お前の法術でも腐った性根は治せねぇよなぁ!?」腰を抱く
ヘマ「うん!クサった性根はオレにも治せないよ!」
初代「っうるせぇ!カスは黙ってろ!」
サンゴ「っ!(なんなんだ、アイツは!)へ…」
ヒスイ「ヘマー?お前は、俺が好きかーー?」チラ
ヘマ「好きだよ!ちゅっ!ちゅっ!」
ヒスイ「俺も好きだぜ、ヘマ。俺は絶対にお前を傷付けたり、追い出したりしねぇからな」
ヘマ「うん!知ってる!イシ君は優しい!だって家族だし、それに…」照れ
ヘマ「オレ、イシ君と結婚してるから。ふうふ、だし」テレ
サンゴ「っ!?」
ヒスイ「ふーーーー(最高だヘマ。今日が最期でも悔いはねぇ)」
初代「テメェら!気色ワリィんだよ!殺さねぇで居てやるから出て行け!コッチはテメェらに構ってる暇ねぇんだよ!(い、犬を、早くどうにかしねぇと!)」
ヒスイ「なぁ、そこのイヌさんよぉ!」
犬「……(つわりくらいで、おおげさ)」しく、しく
ヒスイ「オイ!イヌ!テメェだよ!テメェ!」
犬「ぁい(つわりくらいで、おおげさ)」反射!
初代「…おい、雑魚が。テメェ調子に乗んなよ。誰がコイツを犬呼ばわりしていいっつった?マジで間引くぞ」
ヒスイ「どうせテメェも死にてぇんだろ?こっち来て俺らと死のうぜ!」
犬「…(つわりくらいでおおげさ、つわりくらいでおおげさ)」
初代「…そろそろ、息の音を止めてやらねぇと分かん……は?」
犬「…」ソロソロ
ヒスイ「おうおう、こっち来いよ!なぁ、ヘマ?」
ヘマ「うん!おいでよ!一緒に死のうよ!」
初代「おいっ!何やってんだ、犬!お前は…コッチだろうが!?」
犬「…(つわりくらいで、おおげさ)」ジト
初代「っ!?」ビクッ
ヒスイ「他人の痛みが分からねぇヤツと一緒に居ると不幸になるだけだからな!離れて正解だぜ!なぁ!ヘマ!」
ヘマ「うん!そんな人と居たら絶対に不幸になるよ!」
ヒスイ「ヘマ!お前は、俺と一緒で幸せか?」チラ
ヘマ「うん!オレはイシ君と一緒で幸せだよ!イシ君はオレの事分かってくれるし、優しいから!」
サンゴ(…イシ君て、まさか)
犬「人目も憚らずイチャつくカップルはブスかそうじゃないかなんて関係ない。だって本人達はそんな事気にしちゃいないんだから…(つわり位で大袈裟)」ブツブツ
初代「おい!犬!いい加減にしろ!コッチに来い!」
犬「初代様。長い間お世話になりました。つわり位で耐えられないような犬の事はお忘れください。貴方にはきっともっと素晴らしいお相手が現れます。俺も今までは幸せでした。どうぞお元気で」ぺこ
初代「っっっっ!!(い、今まで”は”?だと)」
ヒスイ「じゃあ、三人で死に場所でも見つけようぜーー!?」
ヘマ「うん!あったかい所がいいね!」
犬「どこにでも付いて行きます」スタスタ
初代「お、おい…」
『っう゛ぇぇっ!っはぁ、っはぁ』
—–初代様!大丈夫ですか!?
『大丈夫じゃねぇよ。見てわかんねぇのか。犬』
初代「っ!」
初代「う、ぁ(俺も、知ってるじゃねぇか…食えない辛さは)」
犬「…(初代様?)」チラ
ヘマ「イシ君!ちゅっ!ちゅっ!」
ヒスイ「あいあい(おうおうおうおう!最高の顔してんじゃねぇか!魔王!ひゃっはー!ザマァ!百年間も俺を石にしやがった報いだ!それにサンゴ!テメェも最高だぜ!お前は百年間石やってろや!)」
サンゴ「…ヘマ」
続く!
ヒスイ、人生で最高の一日。
サンゴを会話に混ぜると大変な事になりそうだったので、ひとまず外野に居てもらいました。
一番辛い時、一番信頼していると思っていた人に理解してもらえなかった思い出は、多分一生引きずると思います。
〇せがれ誕生後〇
犬「俺がつわりの時…初代様」
初代「っ!」ビク!