番外編23:初代様一家の豆まき(初代×犬+せがれ)

※注意)犬と初代に子供が居ます!

 

 

 

犬「ご子息様、この豆を投げてください」

せがれ「んっ」ぽい

犬「はい、お上手です」ぱちぱち

 

スタスタ

 

初代「おい、何やってんだ」

犬「あ、初代様」

初代「床に何を撒いてる」

犬「あ、あっ、すみません!すぐに片付けます」いそいそ

せがれ「んっ」ぽい

 

犬「あっ、あっ、ご子息様」

せがれ「…」じっ

犬「?」

せがれ「んっ!」ぽい

犬「っ!あっ!はい、お上手です」ぱちぱち

せがれ「にこ」

初代「いや、だから何やってんだよ」

犬「あっ!すみません!片付けます!」

初代「いや、俺は片付けろとは一言も言ってねぇだろ。何やってんだって聞いてんだ」

 

犬「あっ!えっと、節分の豆まきです」

初代「…セツブン?マメマキ?」

犬「俺の…じ、地元?の行事で…えっと(節分の説明…。む、難しい。な、何て言えばいいんだろう)」オロ

初代「おい上手く言おうとすんな。テメェがどんな説明しても、俺は分かる」

犬「っ!(さっ、さすが初代様!)」ぱぁっ!

 

犬「家族が健康で幸せに過ごせますようにと願いを込めて、悪いものを追い出す行事です『鬼は外、福はうち』と言いながら豆を撒きます」スラスラ

初代「へぇ(コイツ、安心すると普通にスラスラ喋れんだよな)」

犬「なので、ご子息様と一緒に豆まきをして、このお城から悪いものを追い出していました」

 

初代「悪いモン…まぁ、面倒クセェ雑魚勇者共が来なくなるのはありがてぇかもな」

犬「っ!それなら初代様もどうぞ!ご子息様と『鬼は外、福はうち』と詠唱しながら豆を俺に投げて下さい」

初代「あ?何でテメェに投げんだよ」

犬「鬼…いや、追い出す”勇者役”を作るのが慣例なんです。さぁ、どうぞ」

 

初代「…(なんだか、変な事になっちまったな)」

せがれ「いぬ?」

 

犬「ご子息様『鬼は外、福はうち』と詠唱しながら、その前を思いっきり俺に投げつけてください。できますか?」

せがれ「できる!」

犬「さすがです。では、どうぞ」にこ

せがれ「おにはそとふくわうち!」ぽいぽいぽい!

 

犬「もっと強く投げていいです!俺を悪い勇者だと思って!(悪い勇者って何だ?)」

初代「…」

犬「初代様もどうぞ!」

初代「…いや、俺は(コイツ、妙に張り切ってんな)」

 

せがれ「おにはそとふくわうち!」ぺっぺっ!

 

犬「わーっ。(お上手です、ご子息様)」たったった!

 

初代「…」

 

せがれ「おにはそとふくわうち!」ピシピシ!

 

初代「…」

 

犬「わーっ、だめだ。この家には近寄れない。ここから逃げないとー」たったった!

 

初代「っ!?」

 

犬(よし、一旦お城の入り口まで行って豆を掃除しながら戻って…)

初代「おいっ!犬!テメェ何を逃げようとしてんだ!あ゛ぁ!?」グイッ

 

犬「へっ!?」

初代「妙に張り切ってると思ったら、そういう事かよ!?」

犬「あっ、いや。ちがっ」

初代「そうはさせるか…テメェはこの城から一生出れねぇんだよ!諦めろ!つーかっ!」グイグイ

 

犬「あ、えっ?」

 

初代「何か不満があんなら直接言えや!?」半泣き

せがれ「ふぇぇ!」つられて号泣

 

犬「あ、あれ?」

 

 

犬、初代とせがれにWで追いすがられて、自分が何をしていたのか分からなくなる。このあと、無事に誤解を解いて歳の数だけ豆を食べました。

 

 

初代「歳の数だけ……?」