—–居候中
犬が週刊誌をほくそ笑んで読んでるよ!
パラ、パラパラ
犬(ふ、ふふ。陽キャのパリピが皆してスッパ抜かれてる。絶対この後まともな結婚生活送れないだろうな。いや、それどころか日の当たる場所を歩けないかも…きっと後ろ指を差される、日陰の人生だ。陽キャにはキツいだろうな)
ヘマ「っあ!犬のお母さん!週刊誌を読んでるの?」
犬「(犬のお母さん…)あ、はい。お借りしています。大賢者様」
ヘマ「(ヘマなのに…)あ、乱交ぱーてぃの記事…それ、悲しいよね」
犬「へ?」
ヘマ「家族が乱交ぱーてぃしてたら、きっと悲しいよ」しょぼん
犬「そ、そうですね(う、あ…)」
ヘマ「オレね。乱交ぱーてぃの後も、オクさんとリコンせずに仲良しに戻る方法はないか、ずっと考えてるんだ…」
犬「へ、へぇ(本気だ…!大賢者様は他人の不幸に対して心の底から心を痛めている…!それに比べて俺ときたら)」
ーーーーパリピ、ザマァ。ふふ
犬(お、俺はなんて小さい奴なんだ…)
ヘマ「…犬のお母さん?」
スタスタ
初代「おい、どうした?…って、おい!」ダダダ!
バッ!
ヘマ「あーっ!週刊誌が!」
犬「初代様…」
初代「油断も隙もありゃしねえ!コレは没収だ!」
ヘマ「それは外の世界の勉強にもなるから、犬のお母さんも読むべきなんだよ!」
初代「いらねぇよ!」
初代「だいたいなぁ!他人の色恋がどうなろうと俺達には関係ねぇだろうが!」
犬「っ!(そ、その通りだ!)」
ヘマ「でも!乱交ぱーてぃで悲しむ家族が居るんだよ!」
初代「知るか!ソイツらが幸せだろうが不幸だろうが、気にする事じゃねぇんだよ!他人の不幸にイチイチ反応してんじゃねぇ!」
犬(あ、あ。初代様はご立派だ…それなのに、俺ときたら)
ーーーー陽キャは一回暗闇を経験すべきだ。ふふ
犬(俺ときたら、どこまで矮小なんだ…自分が恥ずかしい)俯
ヘマ「どうしたの?犬のお母さん」
初代「おい、何か具合でも悪いのか」
犬「う。み、見ないでください。俺は小さくて恥ずべき存在です…貴方達とはまるで違う…」
初代「おいおい!どうした!」
ヘマ「どうしたの?気持ち悪くなっちゃった?」
初代「おら!テメェがこんな胎教に悪ぃモン見せるからだ!」
ヘマ「見せてないよ!犬のお母さんが自分で…!」
初代「言い訳すんな!」
犬「(他人の不幸で幸福を感じるなんて、俺は下の下の人間だ)…死んだ方がいい」
初代「っ!おいおい!」焦!
ヘマ「どうしよう!これはきっと“またにてぃブルー”だよ!」
初代「それはどうすりゃ治るんだ!」
ヘマ「不安な気持ちを取り除いて〜」
犬(陰キャで性格も悪い…俺は生まれてきちゃいけなかったんだ)沈
ヒスイ「あー!今日も雑魚を蹴散らした!蹴散らした!格下相手に幅を利かせんのは最高だなぁ!ふー!」アゲ!
犬「っ!」ばっ
ヒスイ「地べたに這いつくばる格下っつーのは……どうしてあぁも絶景なんだろうなァ!」アゲアゲ!
ヘマ「イシ君!」タタタ
初代「ったく、三下の雑魚がイキがりやがって…」
ヒスイ「ヘマ!サンゴの奴は俺がぶちのめしておいたぜ!」
ヘマ「そんな事よりイシ君!犬のお母さんが”またにてぃぶるー“だよ!どうにかしないと!」
初代「ヒーラーが犬にこんなクソみてぇな本読ませるからだ」
ヒスイ「あ?週刊誌?」スタスタ
ヘマ「オレじゃないよ!犬のお母さんが自分で読んでたの!」
ヒスイ「ふーん、まぁ。不倫どうこうは置いといて……面白ぇもんな。ソレ」
犬「っ!」
初代「はぁ?こんなモンのどこが面白ぇってんだ。他人が幸せだろうが不幸だろうが、どうでもいいだろうが。こんなモン読んで楽しんでる奴らの気がしれねぇよ。時間の無駄だ」
ヘマ「そんな事ない!これはセケンを知るのに大事な教科書なの!みんな読むべきなんだ!」
ヒスイ「ふーん」ペラペラ
犬「…」チラ
ヒスイ「この乱交野郎、今頃どうしてんだろうなー」ニヤ
ヒスイ「やべぇだろうなー。絶対にまともな生活送れねぇよ…巨匠とか言われてイキってたヤツが今頃地べた這ってると思うと……最高だな」感嘆
犬「っ!(俺と同じ事を思ってる……いや、俺以上だ!)」パァぁっ!
初代「お前、性格ゴミだな」
ヒスイ「あ゛ぁ!?テメェに言われたくねぇわ!」
ヘマ「イシ君はゴミじゃない!」
初代「テメェ、よくこんな小物にくっ付いてんな。気がしれねぇわ。ゴミだゴミ」
ヘマ「イシ君を悪く言うな!イシ君はゴミなんかじゃ…」
犬「い、い、イシ君!」バッ
初代「っ!」バッ!
ヒスイ「あ?(コイツに名前呼ばれんの初めてだな)」
犬「君は、ご、ごっ」
犬「ゴミ、かも、しれない、けどっ!」
ヒスイ「あ゛ぁ!?ンだ…」
犬「俺もっ、ゴミだからっ、同じだよ!」
初代「!!?」目ガン開き
犬「あ、あり、ありがとうございます!元気が出ました!」ぺこ
ヒスイ「はぁっ!?はーー!?意味わかんねーー!」慌!
初代「…」カッ!
ヘマ「イシ君」ジッ!
ヒスイ「何でテメェに礼言われてんのか意味わかんねーー!」
ヘマ「イシ君、凄く嬉しそう…」
初代「…」
ヒスイ「つーかぁ!?テメェと一緒にすんなって感じだしーー!」にこーー!
犬「すっ、すみません!おっ、おこがましくて。で、でも、本当に元気を貰えて、俺も、ゴミでもいいって思えてっ!」
ヒスイ「俺はゴミじゃねぇけどな!まぁ、テメェもゴミなり元気な子供産めよ!」バンバン!
犬「あっ、あり、ありがとうございます!」にこ
ヘマ「イシ君、犬のお母さんと仲良くなっちゃった…でも、オレよりは仲良くないよ!オレとの方が、もっと仲良いよ!だって、ふうふだから!」必死
初代「…」呆然
犬、自分と同じように他人の不幸で喜ぶヒスイのゴミっぷりに元気を貰ったよ!
初代様とヘマは、お互いのパートナーが自分以外と仲良くなってるのを初めて目の当たりにして焦ってるよ!
ヘマ「イシ君!今日分の約束して!」ぎゅっ
ヒスイ「お?」
初代「……お前は、ゴミじゃねぇよ」俯
犬「初代様?」
○おまけ○
ヒスイ「おい、手下!それは俺が持ってやるよ!重いからな!」
犬「あっ、ありがとう…イシ君」
ヒスイ「手下!お前は火を通したコレを食え!」
犬「あっ、ありがとう」
初代「…おい、ヒーラー。呪いの解除本探すの手伝ってやるよ」スン
ヘマ「うん…」
初めての嫉妬!