番外編18:茂木、神の唯一神になる!(茂木×大豆)

—–続き

 

In職場ロッカールーム

 

茂木「BLのイベントに行きたい、ですか」

大豆「うん。いつも感想をくれてる絵描きさんが参加するらしくて…どう思う?」おず

茂木「そうですね(こうなるのが嫌だったから小説投稿サイトに作品を上げさせるのは嫌だったんだ。いつの間にか、殆どの作品を移行してるし)」

 

 

茂木(でも、ここで無理やり豆乳さんの創作者としての自己顕示欲に蓋をされば……下手をすると、今後、こうして相談に乗ってきてくれなくなるかもしれない)悶々

 

 

大豆「…茂木君?」おず

 

 

茂木(その場合、俺よりも近いファンが出来て、もしかすると俺ではない人間に相談し始める、なんて事に…)

 

大豆「や、やめた方がいいかな?」

 

茂木(それだけは絶対に避けなければならない!大豆先輩はチョロ……いや、純粋な性格でいらっしゃるし、坂を転げ落ちるように何処の馬の骨とも知らない奴に落ちるのは火を見るよりも明かだ。だとすれば、俺の取るべき最良の選択は…)悶々

 

 

大豆「も、茂木君?」

 

 

茂木「大豆先輩、そのお誘いには『行けない』と返事をした方が良いかと思います(こ、れ、だ)」

大豆「や、やっぱり行かない方がいい、かな(…でも、行ってみたい)」

茂木「そして、俺と一緒にそのイベントに行きましょう(私は貴方の欲求の全てを満たしますよ、神)」

大豆「っへ?」ぱっ

 

 

茂木「大豆先輩の懸念は、自分が男だと相手にバレて、引かれる可能性を鑑みて躊躇っていらっしゃるんですよね?」

大豆「う、うん。やっぱり、ちょっとびっくりさせちゃうかなって……せっかく、いっぱいコメントをくれてるのに、男ってバレたら、もうコメントをくれなくなるかも…」しゅん

茂木「…」

 

 

茂木(まったく、鉄壁の引っ込み思案と承認欲求モンスターを同時にその身に飼いならす神の欲求は果てしない。でも、その無尽蔵の神の欲求すらも…俺が満たしてみせる。今日中に複数のアカウントを作って、別人としてコメントを残していかなければ……やはり貴方を一番に喜ばせるのは、俺であるべきだ)

 

 

茂木「なので、今回は様子見も含めて俺と二人でイベントをコッソリ見てまわりませんか?(これなら、神とニワカ女との遭遇を阻止出来る上に、俺は神のイベント回遊を見張る…いや、見守る事が出来る)」

大豆「っそ、そ、それはいいかも!イベントも茂木君となら安心だし!それに楽しそう!」ぱーー!

 

 

茂木「そう言って頂けて俺も嬉しいですよ」にこ

大豆「茂木君、ありがとう。ほんとに、ほんとうに…ありがとう」俯

茂木「大豆先輩?(神?)」

大豆「あのね。俺、自分の趣味の事、誰にも言った事なかったんだ。BLが好きなんて、言えないよ。俺、男だし。バレたらきっと友達も居なくなるって思って」

 

 

大豆「だから、ずっと一人で小説書いて、リアルのイベントなんて行く事なんて考えた事なかった。でも…茂木君と出会ってから、凄く毎日楽しいんだ」

茂木「大豆先輩…」

大豆「それは小説の感想をくれるかだけじゃないんだよ。BLの話を普通に分かってくれるし、好きな小説サイトの話も出来る」

 

 

大豆「こんなの茂木君には普通の事かもしれないけど、俺には特別で、凄い事で…」

茂木(あぁ今…)

大豆「どんな話しをしても引かないでいてくれて、家にも呼んでくれる。一緒に住もうって言ってくれるし、イベントにも一緒に行ってくれる」

茂木(何が起こってる…?)

大豆「茂木君は俺にとって」

 

 

大豆「神様だよ。本当に」

茂木「…そ、そんな。あの、それは言い過ぎです。俺は一介の、ど、読者に過ぎず」動揺

大豆「キッコウさんの時からだけど、俺は茂木君にずっと救われてるんだ…俺にとっては一介の読者じゃないよ。凄く大切だよ」

茂木「……」

 

野田「茂木くーん?どこー」

 

大豆「ん?」

 

大豆「茂木君、野田さんが呼んでるよ」

茂木「……はい」呆然

 

ひょこ

 

野田「あっ、茂木君?昼休み中にごめんねー!茂木君に急ぎって電話がきてて!出れる?」

 

茂木「……はい、あ。大豆先輩」フラ

大豆「茂木君?」

茂木「4月7日のイベント楽しみにしてます」すん

大豆「う、うん?」

 

野田「茂木君!ちょっと、待たせてるから早く来てー!」

 

茂木「はい」ぼんやり

 

タタタ

 

大豆(茂木君、どうしたんだろう?なんかいつもと様子が違ったけど……でも、4月7日楽しみだなぁ。イベントの事をちゃんと勉強しておかないと。本mirinさんには悪いけど…遠くから見せて貰おう!)にこ!

 

タタタ

 

茂木(そうか、どんなに豆乳さんのにわかファンが増えようとも、俺が大豆先輩の中で唯一神であり続ければ関係ないのか。そうか。俺には先行者優位がある。そう、豆乳さんにとっての神は俺だ。俺だけ。神にとっての神であり続けるそうすれば何も問題ない)ぶつぶつ

 

野田「茂木君、内線1ば…」

 

 

茂木「っはははは!最高かよ!」

 

 

野田「っ!?」

課長「っ!?」

 

ぴっ

 

茂木「お電話代わりました、営業三課の茂木です」スン

 

野田(え!?今の茂木君?)

課長(は!?今の何?)

 

 

一方その頃ロッカー

 

大豆「…へ、茂木君?」

十勝(4月7日…何のイベントなんだ?神?宗教?)

 

 

普通に同じ部屋に十勝が居た。