番外編22:捕まえた、捕まった(舞い上がった茂木×大豆)

【前書き】

短いですが、今回は小説(R18)です。

【番外編21:イベント当日!リアル壁サー爆誕!】の続き。

 

 

カップリング

「茂木君を取られたくない」と言われて完全に舞い上がった茂木×大豆

イベント終わりの茂木宅にて。

 


 

 

 

 

「っぁん!もぎくっ、ひもちぃっ」

「大豆先輩っ」

 

 イベントが終わって帰宅してすぐ、大豆先輩を抱いた。床の上には、今日二人で買った戦利品が乱雑に広げられている。まだ殆ど目を通していない。なにせ、戦利品を広げて楽しそうに喋る大豆先輩を、俺は無理やりベッドへと連れ込んだからだ。

 

 そう、このセックスには“理由”がない。

 

「っぁん、ひっ、っぁん。もぎくん、もぎくんっ……っふぁんっ!っぁぁ!」

 

 大豆先輩のナカが激しく痙攣した。熱い肉壁が、甘えるように俺の固くなった自身を包み込んでくる。あぁっ、堪らない。次いで訪れる射精感をグッと堪える。まだ、この時を終わらせたくない。

 

「っく」

「ぁ、ふ……ぁもぎ、く」

 

 どうやら、大豆先輩またイってしまったようだ。掠れた声で俺の名を呼びながら、体を快楽にヒクつかせている。大豆先輩の腹の上に横たわるペニスは、その芯を遠の昔に失っていた。ただ、空イキしながらも蕩けた目は、未だに俺を求めている。

 

 あぁ、大豆先輩が俺を求めている。俺だけをっ!

 

「っはぁ、っははっ!大豆先輩!気持ちいですか!?今回のコレは何のネタ合わせですか?何の為にやってます!?俺達、男同士で……こんなっ!ねぇ、大豆先輩っ!」

「あうぅっ、っふ。もぎく。しょこ、もっろしてぇっ。しゅきなのっぅ」

「好きっ?何がっ!こうしてイイ所をカリで引っかける事ですか!?」

 

 大豆先輩のナカを俺の肉棒が擦る。もう何度、激しく抜き差ししているか分からない。ぐちゅぐちゅと、とろみを帯びた水音が聴覚からも俺を興奮させる。混ざってる。俺と大豆先輩は、いま……最高に交じり合ってる。

 

出しても出しても、いきり立つ俺の肉棒は萎える事がない。繋がりっぱなしの下半身はもうドロドロでどこまでが自分で、どこからが相手のモノなのか分からなくなっていた。

 

「んっぁ、っふぅ」

 

大豆先輩は、どこまでも素直で、何の技巧もなく、ただただ欲望のままにナカを抉る俺のモノに素直に体をヒクつかせた。それどころか、俺の背中に縋るように腕を回してくるのだから堪らない。

 

この人は、こういう素直な所が昔から可愛い。可愛くて可愛くて可愛くて……っ!

 

——–はじめて感想を頂きました。本当に嬉しいです!キッコウさん、ありがとうございます!

 

 だから、俺なんかに捕まってしまった。

 

「何が好きなんですかっ!?教えて下さいよっ!大豆先輩!十勝が好きなんですか!ねぇっ、大豆先輩!」

「っあ、っいぃっ、もっと。っあぁぁっっ」

 

 体位は正常位。場所はベッドの上。

 きっと小説に落とし込んだら、何の面白みもないようなセックスだ。ただ、裸で抱き合って、腰を振って、欲を吐き出して、喘いで、抱きしめ合って。ただ、それだけ。小説のネタに使えないようなこんなセックスを、俺達は何の為にする?

 

「っはぁ、大豆先輩っ。おねがいです……何が好きなんですか?おしえて、くださいよ」

 

 少しだけ抜き差しを抑え、大豆先輩の頬に触れる。すると、素直な大豆先輩は上気した蕩けた顔で言う。

 

「もぎくん」

「俺が、なんですか?」

「んぅ、は、ずかしい」

 

 もっと恥ずかしい事は色々あるだろうに、大豆先輩は俺の下で、グチャグチャの肢体を晒しながら目を伏せる。

 

「大豆先輩、言って」

 

 しつこいだろうか。あぁ、しつこいだろう。そうだよ!俺はしつこいんだ!ハッキリ言うまで何度だって尋ね続けてやる。

 

「もぎくんが、すき」

「っはぁぁっ!あははっ!本当に!?十勝より!?」

「ん、もぎくんが、いちばん。もぎくん、もぎくん……キスして…っふんんっ!」

 

 最高だ……!大豆先輩に舌をねじ込みながら、再び腰を激しく打つ。

 こんな普通のセックスと、普通のキス。ネタにもならない、ただの好きだのキスしてだの何の変哲もない恋人同士のような言葉責めにもならないつまらない睦言。

 

「っふ、んん……っふ、もひぅ、すひぃ」

「っは」

「ひぃ。んっ、っはちゅ、ん。すきぃ」

 

 大豆先輩の希望通り塞いでやって口の中で、その合間に漏れる甘い言葉。あぁ、この人は口を塞がれ、言葉を奪われながらも、その中で俺の事が好きだと言い続けているのか!俺の舌に健気に吸い付きながら、言葉も紡げぬ中、俺を好きだと!

 

「っははは!最高!大豆先輩!俺の事どう思ってますか!もっと詳しく教えてくださいよ!」

「しゅき、もぎくん。すき……だい、すきぃっ」

 

 茂木君が好き。

 実もう五十回は言わせた!いや、それ以上だ!だってこの人は口を塞がれても尚、好きだと伝えてくれていたのだから!

 

「もぎくん、もぎくん。だいすき」

「っっっ!」

 

何回も聞きたい。リピートしたい。録音してやろうか。でも、それより本人から聞ける環境を整えた方がいい。

 一緒に住むのだ。そう、そうだ!一緒に住んで毎日「大好き」と言って貰えれば何の問題もない。早く、この人を閉じ込めないと。

 

 すると、それまでうわ言のように「大好き」と口にしていた大豆先輩のぐったりとした体が、俺の体へ腕と足を巻き付けてきた。そのせいで、少し浮かせて止めていた腰が、一気に大豆先輩の奥へと誘われる。

 

「おれ、もぎくんいないの、いやだ。とられるの、いや。もぎくんは、おれのなの」

「……っはぁっ、だいず、せんぱい」

 

 前言撤回しよう。

 神を相手に、俺はなんと身の程知らずなんだ。おこがましいにも程がある。なにが「早く、この人を閉じ込めないと」だ。

 

「もぎくんは、おれの。だれにもあげない」

「っだいず、せんぱい」

 

 硬い俺の芯を大豆先輩の淫らな肉壁が、抱きしめるように絡みつく。余りの強烈な快楽に、思考回路が完全に焼き切れた。

 

「俺が、閉じ込められて、しまった」

 

 完全に。

 

「……もぎく、ん」

「は、い」

 

 もう、ダメだ。

 

「なかに、だして」

「はい」

 

 蕩けるような欲望に満ちた目で、でも、幼い子供のような拙い言葉で俺の種子を強請る神。そんな彼に、俺の肉棒は最早操られでもしているかのように素直に従った。

 この先二度と、自分の心が自由になる事はないだろう。俺はこの人の一挙手一投足で、幸福にも地獄にも連れて行かれるに違いない。

 

「ははっ、最高だっ!」

 

 あぁ、この人は神だ。

 

 

        〇

 

 

 

 数日後、【まろやか毎日】裏小説に一本の作品が更新された。

 

「ん?」

 

≪慇懃無礼ですが、何か?≫

R18/中出し/ハメっぱなし/らぶえっち

 

「完全に、ネタにされてしまった……」

 

 もちろん、小説は素晴らしかった。

 

 


 

【後書き】

1000文字で致すだけシリーズ第1弾。「茂木×大豆」でした!

2000文字になった……)