※会話文のみ
(本編のような雰囲気は一切ありません)
——本編後
inマルセル用に作られた離宮
マルセル(ゲルマン、品行方正な子だと思っていたのに……まさか、あんな性癖を持っているなんて。なんだか息子のPCの中の見てはいけないデータフォルダを見てしまったような気分だ。……というか、そろそろゲルマンが来る時間だな)
コンコン
マルセル(やっぱり来た……一日と日を開けずに毎日来るが、マドレーヌとの夫婦生活は大丈夫なのか)
コンコン
マルセル(……それに、今日は一体ナニをさせられるのやら)
バッ
ゲルマン「やぁ、マルセル。俺だよ!入っていい?」にっこー!
マルセル「ダメだと言っても入ってくるんだろう?というか、もう入って来てるじゃないか」
ゲルマン「さぁ、俺の愛しい人。離宮での生活に不自由はないか?他に欲しいモノは?」
マルセル「(スルーされた……)無いよ。十分良くしてもらってる」
ゲルマン「嫌な事を言うヤツが居た絶対に俺に報告するように」
マルセル「ああ、そんな命知らずは居ないよ。この離宮に」
ゲルマン「なら良かった」にこ
マルセル「…」ソワ
ゲルマン「よし。じゃあ、今日は……」
マルセル(キたよ…今日はどんな恥ずかしいコスチュームを着させられるのやら)
ゲルマン「嫌がってくれ!マルセル!」
マルセル「……は?嫌がる?」
ゲルマン「ああ!まずは、設定があるから聞いて欲しい!ここは馬車の中で、前には騎手が居る。声を出せば聞こえてしまう程の距離さ。そして、キミと俺はたまたま乗り合わせた初対面という設定だ!」
マルセル「(今日はコスプレじゃなく…シチュエーションプレイか)それで?」ヒク
ゲルマン「しかし、実は俺は昔からキミに恋していて、ずっと気付かれぬように付き纏ってた物狂いだ。そんな俺がとうとう我慢出来ずにキミに直接手を出した。君は騎手にバレるぞと脅されながら俺に好き勝手されるという……そういう素晴らしい設定だ!」にっこーー!
マルセル「素晴らしい…?」ヒク…
マルセル「(まぁ、素晴らしいかは別として、だ)きちんと場所と状況、設定が隙間なく練られていて上手いじゃないか。さすが…(私の子だ)ゲルマンだ」
ゲルマン「っ!マルセル!やっぱり君の俺への愛は本物だ!」
マルセル「…まぁ、そうだな」
ゲルマン「しかし、今回はその愛を賢明に捨ててくれ。なにせ、本気で嫌がって貰わないと……今回の設定の本領が発揮されなくなってしまう」
マルセル「…俺は、毎回ちょっと嫌がっていると思うのだが」おず…
ゲルマン「え?何を言ってるんだ、マルセル。キミはいつも凄く喜んでくれてるじゃないか」
マルセル「え?」きょとん
ゲルマン「え?」きょとん
マルセル「そ、そうなのか?そんなワケは……!」
ゲルマン「ああ。もしかして自覚が無かったのか?キミはいつも最中は俺の体に足を巻き付けて『もっと』と強請ってナカを……」
マルセル「っっっ!!!言わなくていい。言わなくていいから!」焦!
ゲルマン「そうか。じゃあ今日は演技が大変かもしれないが、頑張ってくれ。マルセル」にこり
マルセル「……あ、あぁ」
マルセル(俺は…無意識にそんな事をしていたのかっ…!何をやってるんだ!俺はっ!)赤面!
ゲルマン(あぁ、やっぱり俺のマルセルはどこまでも可愛いな!)
結局、マルセルはゲルマンの要望通りの演技は出来なかったよ!
ゲルマン「マルセル…君は本当にウソが吐けないんだな。あんなに『もっと』と強請るなんて。可愛かったからいいけれどな!」
マルセル「…もう何も言うな」真っ赤
イチギは大根役者だよ!