—–本編直後
ヨハン(今日はカルドの誕生日だ。カルドが生まれて来てくれた事を、めいっぱい祝おう。それに今年は、俺とカルドが一緒に住み始めたり……い、色々と二人には、その、へ、変化があったからな。カルドに似合う花束も買ったし準備は万端だ。カルドもじき帰って…)
ヨハン「っ!(カルドだ!)」ダッ
カルド「ヨハン、カルドだ。開けてくれ」
ヨハン(どうしてカルドは自分の家なのに、毎回ノックをするのだろうか)
ガチャ
カルド「やぁ、ヨハン!聞いてくれよ!今日は散々だったんだ!」憤慨!
ヨハン(ど、どうした?帰って早々)コクコク
カルド「どこから聞きつけたかは知らないが、学院の奴らが、私が誕生日だからと言ってやたらと話しかけてくるんだ!鬱陶しい!」プンプン!
ヨハン(あぁ、そんなに鬱陶しがらなくても。皆、キミをお祝いしたいのさ)コクコク
ガルド「中には、花束なんてモノを渡してくるヤツも居たんだぞ!」憤慨!
ヨハン(は、花束?)コクコク
ガルド「誕生日など下らない!たかだか妊娠期間を終えて母胎から排出されただけの日じゃないか!それをバカみたいに騒ぎ立てて!お陰で今日は一日全くアイディアに集中出来なかった!花束もすぐ捨ててやったさ!あんなモノは邪魔以外の何者でもないからな!」プリプリ!
ヨハン(そんな…)
カルド「ヨハン?(頷いてくれない?何か様子が変だ。こういう違和感をヨハンに対しては放置してはいけない。……ん、何か背中に隠している?)」
ヨハン(…少し考えれば分かりそうな事だった。カルドが誕生日に興味がない事くらい。それを俺は一人で浮かれて。彼のルーティンを穢す所だった)しょぼ
カルド「…ん?これは」ひょい
ヨハン「っ!」ビクッ
カルド「これは…花束?(もしや、ヨハンは)」
ヨハン「っ!(このままじゃ、カルドのルーティンを崩してしまう!っごめんよ……!)」
えいっ!と、ヨハンは外に花束を投げ捨てたよ!
ヨハン(後で拾いに行くからね…)悲しみ…
カルド「っなにをするんだ!ヨハン!(ヨハンが、あの優しいヨハンが!花を投げ捨てた…これは、もしや)」
ヨハン(ここからはいつも通り、干し肉の夕食を出して、その後は…あぁっ!部屋を飾り付けしていた!急いで片付けないと!)タタタっ!
カルド「っ!!ヨハン!ま、待ってくれ!」
ヨハン(あぁ!夕食も干し肉の他にサラダまで付けてしまった!)無視!
カルド「!」
ヨハンは、バタバタと音を立てて部屋を駆け回ったよ!
カルド「ま、ま、ま、まて!あぁっ、どうしよう。どうすればいい…?俺が花束など下らないなんて言ってしまったからか?そ、そうだろうな。状況から考えてそうに決まっている……!あぁっ、ヨハンが私の為に何かしらの準備をしている事など考えれば容易に理解出来た事だったのに!私は何て愚かなんだ!」
ガタガタ、ガタガタ!
カルド「っ!も、もしかして出て行こうとしているのか?ヨハン…ヨハンッ!」
カルド「ヨハン!お、おれが、あの、わ、わたし、は、あ、あやまる、ご、ごめんなさいと、しゃ、しゃざいを!つ、つみを、つぐなうチャンスをっ……!」
ヨハン(早く片付けていつも通りにしないと!)必死故の無視!
お互いを思いやり過ぎて大幅にすれ違う二人。最終的にカルドがヨハンにしがみ付いて泣き出して、ヨハンの動きが止まったよ!
カルド「キミにっ、じゃざいを、ずる、きがいをっ」号泣
ヨハン(っえ!?何を泣いているんだい!?カルド)
ちなみに、カルドは毎回ヨハンに出迎えて貰うのが好きなので、自宅なのにノックするよ!