茂木「そういえば、聞こうと思ったんですけど……大豆先輩は何がきっかけで腐ったんですか?俺は姉が持ってたBL本でしたけど。大豆先輩は一人っ子ですよね?」
大豆「えっと…」おず
茂木「え、何ですか?言い辛い事ですか?教えてください」前のめり
大豆「えっと……言わなきゃダメ?」
茂木「ダメですね(気になる気になる気になる気になる)」スン
大豆「でも、茂木君。信じてくれないかも」
茂木「信じます。俺は神を信じていますから!(気になる気になる気になる気になる)」スン
大豆「……なら、言うけど」
茂木「はい!どうぞ!」
大豆「小学六年生の時に、道を歩いてたら」
茂木(……ん?BLとの出会いだよな?)
大豆「知らない男の人に、これをあげるって、BL小説をもらったんだ)
茂木「……もう一回いいですか?」
大豆「小学六年生の時、学校の帰り道で貰った」
茂木「知らない男の人に?」
大豆「うん」
茂木「BL小説を?どんな?」
大豆「えっとタイトルは【祠の神はみだらな龍を懐で愛でる】っていうやつ」
茂木「完全にR指定っ!大豆先輩!その男変態じゃないですか!?」
大豆「ちょっ!!ちょっとだけしかソウイウ場面は無かったよ!」
茂木「ちょっとでもあったらダメでしょう!っていうか読んだんですか!?」
大豆「だって、お兄さんから……感想聞かせてって言われてて」
茂木「何も知らないイタイケな十二歳の大豆先輩に……ソイツ、変態ですよ!」
大豆「お兄さんを悪く言わないで!」
茂木「っ!(な!なにぃ!?)」
大豆「俺、その時引っ越して来たばっかりで友達居なくて!毎日帰り道にお兄さんと感想を話したり、本を貸してくれるのが嬉しかったんだ!」必死!
茂木「いやいやいや!そのお兄さん変ですよ!」
大豆「変じゃないよ!格好良かったよ!」
茂木「ちょっ!顔は関係ないですからね!?っていうか、十二歳にR指定のBL小説を渡す大人は100%ヤバイ奴です!」
大豆「お兄さんはスーツを着てた!」
茂木「だからっ!スーツは立派な大人の証ではないし、免罪符にもなりませんって!」
大豆「お菓子も買ってくれた!」
茂木「手玉に取られている!」
茂木「(くそっ、大豆先輩のチョロさを舐めていた……これは親御さんが成人してからも過保護になる気持ちが分かる。っていうか、待てよ)ちょっ、待って下さい……大豆先輩」
大豆「なに……?これ以上、お兄さんを悪く言わないで」ヒク
茂木「(洗脳されている)変な事は…何もされてませんよね?」おそるおそる
大豆「変な事って?」
茂木「いや、その……俺と大豆先輩がネタ合わせでしているような……エッチな事ですよ」
大豆「は!?するワケないじゃん!それに腐男子だからって別に男が好きなワケじゃないだろうし!それに俺、その時十二歳!」
茂木「ヤバイ奴は年齢なんか気にしませんよ!」
大豆「茂木君!」キッ!
茂木「っな、なんですか(ヤバイ、怒らせたか?でも俺は…)」
大豆「そのお兄さんは……茂木君に似てた!」
茂木「へ?」
大豆「茂木君みたいに優しかった!」
茂木(待て、流されるな!これは俺の機嫌を取って、俺からの説教をいなそうと…)
大豆「あれは、きっと茂木君だよ!」
茂木「ホワイ!?」混乱!
大豆「あれはきっと過去にタイムリープした茂木君だったんだ!絶対そう!」
茂木「いやいやいやいや!大豆先輩!?」
大豆「きっと、茂木君が俺を自分好みのBL小説を書く字書きに育て上げる為に過去に行ったんだ!絶対そうだ!そうでしょ!?」
茂木「劇場版の源氏物語ですか!?(ちょっと面白そうなんだが!?)」
大豆「だってお兄さん……未来で待ってるって言ってような気がするもん!……時をかける茂木君……ふふ、ふふ」
茂木「時をかける茂木!?絶対今面白がって作ってるでしょう!?大豆先輩」
大豆「……でも、そうだったらいいね」にこ
茂木「え?」
大豆「友達居なかった俺にBLを教えてくれたのも、サイトで初めてコメントくれたのも…」
大豆「全部、茂木君だったらいいなって思ったよ。これは本当」にこ
茂木「……大豆先輩」
大豆(なんか、この話。面白そう。小説にしようかな…タイムリープBL)ぼけ……
茂木「……俺です」
大豆「へ?」
茂木「先輩を腐った道にエスコートした紳士はきっと俺でしょうね」真剣
大豆「紳士?さっきまで変態って…」
茂木「俺です。大豆先輩、また会えましたね」にこ
大豆「あ、え?…はい(茂木君、どうしちゃったんだろ)」
茂木「こんなに俺好みの作品を書いてくれるようになって嬉しいです。俺の見る目に狂いはなかった。光源氏作戦、成功です」
大豆「……ね!(茂木君が怒ってないなら、何でもいいや!)」
茂木:過去は変えられないし、大豆が「お兄さんを悪く言わないで!」なんて言って知らない男を庇うので、完全に脳内設定を書き換える方向にシフトした。「大豆先輩を腐らせたのは俺!」変態紳士。
大豆:昔から知らない人でも優しくされるとすぐについて行く。茂木が怒らないなら何でもいい。
◎おまけ◎
茂木「ん?【まろやか毎日】に久々の長編新作?なになに…?」
・時をかける俺
微ファンタジー/タイムリープ/腐男子×腐男子
「俺好みの神作家を育てる為なら、俺は何度だって過去へ戻る!どんな犠牲を払っても!」
茂木「……ほう」